ハルトSIDE
一誠の部屋から出た僕達は朱乃さんが居る部屋の前まで来た。扉の横にはバラキエルさんが腕を組んで立っていた。
「バラキエルさん……」
「……朱乃を頼む」
バラキエルさんはそう言うとその場から立ち去って行った、その後を追うように犬塚先輩がバラキエルさんを追いかけて行った。
「・・・・・」
「・・・・・」コクっ
僕は流木野さんの顔を見るとそれに気づいた流木野さんは僕に小さく頷く。覚悟を決めなくちゃ。
「エルエルフ、僕だよ」
ノックを二回繰り返し中に居るエルエルフに聞こえる様に言う。
《入れ》
エルエルフの返事を聞き僕はドアノブに手を掛ける、後ろにいる一誠に振り向くと「俺達は此処で待ってるから、行って来い」と言ってくれた。一誠や皆は僕の事を気遣ってくれたのか僕は「ありがとう」と一誠と他の皆にそう言うと僕はドアノブを押し扉を開ける、中に入ると白いベットの上にエルエルフとその横で震えている朱乃さんが布団を全体に覆い被さって座っていた、まるで自分の醜い姿を隠すかのように。
「後は頼むぞ、時縞ハルト」
「え?エルエルフは」
「バラキエル以外で姫島朱乃の事を一番理解しているのはお前だ。そこに関しては私は部外者に過ぎない、それに」
「それに?」
「……いや、何でもない」
何かを言いたそうな顔をしてエルエルフはそのまま部屋を出ていった。一人取り残された僕は後ろで震えている朱乃さんの方へ顔を向ける。僕は意を決して朱乃さんの前に座る。
「朱乃さん」
僕はそっと覆い被さっている布団を取ろうと手を動かす、まずは朱乃さんと面と面をもって話さないと、布団に手が触れ優しく布団を剥がすと、艶がついた綺麗な黒髪はボサボサになっており、顔は完全に前髪で覆い隠さってしまっている。そして薄らと彼女の頬に小さく光る涙が流れていた。
「・・・・・・・」
何を言ってあげればいいのだろうか、どうすればいいんだろう……。
「朱乃さん……ごめん。僕の所為で、朱乃さんを」
「・・・・・・・」
「誤って済む話じゃないってことはわかってる、だから……ごめん。朱乃さん」
「……ハルトさんは…悪くありませ…ん……私が…弱かったから……」
怯え。震えた声を漏らしながら朱乃さんは答えた。目は見えないけど、とても怯えてる様に感じる。多分勇気を出して僕に……。
「朱乃さんは弱くありませんよ……」
「いえ…弱かったから私は……こんな酷い姿に」
そう言うと朱乃さんの背中から蝙蝠の様な翼と堕天使の翼が現れた、グレモリー眷属やサーゼクスさん達と同じ悪魔の翼がそこにあった。
「悪魔で堕天使……こんな化け物な私を…ハルトさんは受け入れられますか?」
顔が隠れた前髪の間から光を宿していない、黒く濁った瞳で僕を見つめる。
「受け入れます、朱乃さんが悪魔でも堕天使でも僕は――――」
「嘘よッ!!!」
「っ!」
「ハルトさんは優しいから……弱く化け物になった私をそうやって……優しく接してくれるんでしょう?」
「違う!僕は!」
「だったらッ!」
そう言って朱乃さんは僕の肩を掴むと僕をベットへ押し倒した。上に乗りかかって来た。僕は何とか離れようと朱乃さんの腕を掴むがビクともしなかった。
「だったら私も……ハルトさんと同じ『神憑き』にして……」
「っ!?」
朱乃さんを『神憑き』に…?。朱乃さんはそう言うと顔を僕に近付けて来る、そのまま僕の耳元で甘い吐息が直接耳にかかる。
「ハルトさんと同じ『神憑き』になれたら……私はもっと強くられると思うんです。そしたらハルトさんや他の皆さんにも…迷惑を掛ける事なんてなくなると思うんです……だから――――お願い、ハルトさん」
朱乃さんは着ていた寝巻用の白い着物の帯に手を掛けシュルシュルと解いていく、そして着物手を掛け脱ぎ始めた。
「私を……抱いてください、そしてハルトさんと同じ『神憑き』に」
「あ、朱乃さんッ!?な、何を―――――ッ!!」
な、なんだ…急に体が熱くっ……!これって……まさか…ッ!!。僕の体はまるで朱乃さんの身体を求めるかのように逆に朱乃さんを押し倒してしまう形になってしまった。
「うっがあぁ…っくぅ……!!!」
「ハルトさん……」
シミ一つとしてない肌、寝転がっていても形を変えないその豊満な胸、括れた腰。意識が段々薄れていく中僕の手は朱乃のその豊満な胸へと動かしていた。朱乃さんは僕を受け入れる様に身体を差し出そうとする。
『だ…め……だぁッ!こ…こんなことォッ!!ダメだぁぁぁ!!!』
そして等々僕の手は朱乃さんの胸に触れ鷲掴みしてしまう。朱乃さんは僕の頭を両手で優しく包み頭を撫でながら自身の首元に僕の顔を寄せていく。
「これで、私も”ハルトくん”と同じ『神憑き』になれますわぁ。うふふ」
『っ!』
そこで僕は正気に戻った。
「ヴァルヴレイヴッ!!!」
神器を起動しヴァルヴレイヴを纏い朱乃さんから離れた僕はボルク・アームを構える。
『君は…誰だ!!!』
「お、おいハルト!?どうしたんだ!?」
騒ぎに気づいた一誠達が部屋に入って来た。
「な、何してんだよハルト!!」
「ハルトさん!?」
一誠とアーシアさんが朱乃さんにボルク・アームを構えている僕を見て驚愕した表情を向ける。けど。
『違うんだ皆……あれは…あの人は朱乃さんじゃないんだ!!』
「え?」
「ふふ♪」
朱乃さんは不気味にその光を宿していない、黒く濁った瞳で笑うと朱乃さんの身体から黒く不気味な光の粒子が勢いよく飛び出した。
「な、なんだぁ!?」
「凄い邪気だ…ッ!」
山田君の前にデュランダルを取り出し邪気を防ぐゼノヴィア。この光…まるで。
「RUENの光……ッ!!」
黒い光は朱乃さんを一瞬包み込むと黒い光の中から意識を失った朱乃さんが倒れ込んできた。僕は急いで朱乃さんを担ぐとその場から離れた。そして部屋の天井を突き破り黒い光は徐々に人の形を取って行く。そして黒い光が一瞬輝くとそこにいたのは
「やっと出て来れましたわ。うふふ」
背中に5枚及ぶ黒い堕天使の翼、その豊満な肢体はまさに妖艶で、男ならば誰もが欲情する魅惑の身体を晒しまうだろう身体を紫に近い黒いボンテージに身を包んだ。
『朱乃…さん?』
朱乃さんと瓜二つのもう一人の朱乃さんがそこに立っていた。
「うふふ♪。さぁ、始めましょう。ハルトくん♪」
紫色の綺麗な瞳で僕を見ながらそう言うと、黒い光の槍を創り出した朱乃さんは勢いよく黒い翼を広げ僕へ向かってきた。
というわけで『黒朱乃』でした!。おかしくなければいいですが……