風鳴訃堂が“美少女”になって護国のために頑張るお話   作:焼きめし

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100歳を超えたお爺アイドルがセクシーな水着で初のグラビア撮影に挑戦だ!
想像力が豊かなほど楽しめると思います。


護国の鬼、グラビア撮影をする

《男の子は必見! Fカップアイドル✕グラビア! 風鳴美羽が大胆なセクシーショットを連発!?》

 

「――お、おい。緒川……、これはなんだ?」

  

 雑誌のグラビア写真を見ながら弦十郎は緒川に声を震わせてこの写真について尋ねる。

 えへへ、本当にこんなに大胆な写真を撮るなんて思わなかったわ。

 最近の水着って生地が少ないのね……。

 

「いやー、まさかヤングマ○ジンの表紙を飾れるとは思いませんでしたよ。美羽さんはNGが基本ないので営業が楽です!」

 

 緒川は得意気な顔であたしが有名な青年誌の表紙になったことを誇る。

 うーん。これがみんなに見られるのは少しだけ恥ずかしいかなー。

 

「もう、慎ちゃんに乗せられたからいっぱい写真を撮っちゃった。ほら、弦ちゃん。この水着なんてすっごくエッチじゃない?」

 

 あたしは弦十郎に特にセクシーに写っているグラビアをみせる。

 写真の中のあたしはいわゆる手ブラってやつで胸を隠して、ウィンクしている。

 うん。可愛く撮れてる。これで、全国の男子たちをメロメロにしちゃうんだから。

 

「がはっ……! な、なかなか結構なお点前で……。じゃなくて、だ。緒川、この雑誌は目に付くような場所に置かれたりするのか?」

 

 弦十郎はあたしの写真を見ると、何やら禍々しい物を見たみたいな表情をして、緒川にヤングマ○ジンが置いてある場所について質問をする。 

 そんなの決まってるじゃない……。

 

「何を仰っているんですか? 司令。全国の書店やコンビニで1番目立つところに置かれるに決まっているじゃないですか!」

 

 緒川は当たり前のように日本国内全土でこの雑誌が販売されていることを誇らしげに語る。

 それを聞いた弦十郎の顔色は良くなかった。

 

「そ、そうなのか? すまん、こういった物には疎くてな……。そうか、全国の書店コンビニで……。はぁ……」

 

 弦十郎はあたしが表紙の雑誌をもう一度チラッと見て、ため息をついた。

 あたしがこの姿になって、もう結構な時間が経つけど慣れてくれないものね。

 

「そーいや、慎ちゃん。なんか、撮影中にテレビの取材とかあったけどあれはなんだったっけ?」

 

 あたしはグラビア撮影中にテレビのカメラが回っていた事を思い出して、そのことを質問する。

 確か、何かの番組の撮影だった気がする……。

 

「ああ、それはですね。N○Kの報道番組で今どきのアイドルの仕事の現場みたいな特集がありまして、美羽さんのグラビア撮影のシーンが流れることになったんですよ。この放送で、さらに知名度アップ間違いなしです!」

 

 緒川はあたしが出演するテレビ番組の詳細を語ってくれる。

 そっか、N○Kとは珍しい。あたしの水着姿が全国に放送されるんだ。胸とか揺れて、ちょっと恥ずかしかったけど、何か嬉しいな。

 

「N○Kだとぉっ! 緒川、それはいつ放送されるんだ! 早く兄貴に連絡しないと! 何とか権力を利用して――」

 

 弦十郎は何か国家権力を利用してあたしの番組の放送を握りつぶそうと考えているみたいだ。いやいや、大袈裟だって……。

 

「ああ、ちょうど今ですね。テレビを付けてみますか?」

 

「い、今か!? 今なのか……、そうなのか……」

 

 緒川はちょうど今、その番組がやっていると口にしてテレビを付けた。

 弦十郎は愕然とした表情をしていた――。

 

『あはっ! この水着、ちょっと小さくないですか〜?』

 

 V字の水着を身に着けたあたしが、生地の少なさに対して戸惑いながら質問をしている。

 これは、カメラマンさんとやり取りしている映像だ。

 

『えっと、これが女豹のポーズなんですね』

 

 そして、色々とグラビアアイドルのポーズを教えてもらっている様子が流れる。

 弦十郎は既にこの世の終わりみたいな顔をしていた。

 

『イエイ! 今日も美羽は頑張ってまーす』

 

 最後にジャンプしてぷるんと胸を弾ませながらピースサインをするあたしの映像が流れて、あたしの出番は終わった。

 良いじゃん。これは確かに反響がありそうだ。

 

「…………緒川。八紘兄貴から連絡が入った。多分、長くなるだろうから、美羽と一緒に先に帰っていてくれ……」

 

 八紘から何かしらの連絡が入ってきたらしい弦十郎は緒川とあたしを先に帰した。

 もしかして、八紘もあたしの出ているテレビ番組を見たのだろうか? 明日から学年も変わり新学期ということで、あたしは緒川に送ってもらって家に戻った。

 

 

 そして、翌日の朝――。

 

 

「うわぁ! やっぱり可愛いじゃない。ほら、笑って笑って! 写真撮るわよ!」

 

「撮らんでいい! なぜ、オレが学校などに通わなくてはならないんだ!?」

 

 あたしはリディアン音楽院の制服を着ているキャロルの写真を撮ろうと携帯のカメラ機能を起動させている。

 キャロルは照れているというか、学校に行くことさえ不満のようだ。

 そう、キャロル・マールス・ディーンハイムは今日からリディアン音楽院高等部の1年生として学校に入学する。

 

「だって、その方があたしや翼ちゃんが守りやすいんだもん。キャロルちゃんのこと。苦労したみたいよ。高等部に入れるの。どう見ても小学生だから」

 

 キャロルがパヴァリア光明結社に狙われていることは明らかだ。それならば、あたしや翼がいる学校に通わせた方が何かと都合が良いという結論に至ったのである。

 

「やかましい! 力さえ戻れば見かけくらい造作もなく変えられるのに……! いや、そもそも力があれば学校などに通わないか……」

 

 キャロルは何かを呟いて、それに対して自分でツッコんで自己完結していた。

 ちなみに彼女にはまだあたしが100歳を超えた老人だということは言ってない。

 

 弦十郎がトップシークレットに指定していることだけあって、それは軽々に明かせないのである。

 しかし、錬金術というものの存在は二課の技術チームに大きな影響を与えた。了子もキャロルの有能さに舌を巻いて、何故か対抗意識を燃やしている。

 キャロルは自分の力を何とか戻せないものかと、知識の提供の見返りとして自分の研究室を与えられてそこで研究をしている。彼女はそれで取り敢えず待遇には満足しているみたいだ。

 

「何はともあれ、キャロルちゃんも今日から女子高生よ! 友達出来ると良いわね」

 

 あたしはキャロルの両肩を抱いて、友達が沢山出来ることを願う。

 きっと色んな人と交流すれば、彼女の世界に対する見方が変わるはず。そうなれば、きっと彼女も――。

 

「友達? バカを言え……。そんなものオレには必要ない。それに、オレみたいなヤツに寄ってくるバカなど居ないだろう」

 

「あ、そう。じゃ、これはキャロルちゃんのお弁当だから。ほらタコさんウインナー好きでしょ?」

 

 友達なんて要らないし、出来ないと口にするキャロルにあたしは弁当を渡そうとする。

 拗らせてるわね。まぁ、彼女の数百年間を考えたらそんなに簡単じゃないか。

 

「……子供扱いするな! さっさと行くぞ……。友達なんて……、フン……」

 

「うふふ……」

 

 毒づきながら、きっちり弁当は受け取ってくれたキャロルを見て、あたしは彼女が愛しくて仕方なくなってしまった。

 これから、少しづつ変わっていけば、きっと友達も――。

 

 

 そんなことを思いながら、何日か一緒に登校していったある日のこと――。

 

 

「キャロルちゃ〜ん! おっはよーう!」

 

「止めろ! 立花! オレに気安く触るな! いつもどおり遅刻してろ!」

 

 黄色い髪の元気の良さそうな女の子がキャロルを背中からギュッと抱きしめながら挨拶をする。

 キャロルはその子を“立花”と呼んで、迷惑そうな顔をして、引き剥がそうとした。

 ていうか、この子はいつも遅刻してるんだ……。

 

「またまた〜。今日も可愛いね〜」

「止めてあげなよ、響。割と本気で怒ってるよ、キャロルは」

 

 その隣で黒髪の女の子が立花と呼ばれた女の子を諌める。確かにキャロルはこう見えて結構怒っている。

 

 あとで聞いたが、黄色い髪の女の子は“立花響”、黒髪の女の子は“小日向未来”という名前で、二人ともキャロルのクラスメイトなのだそうだ。

 二人は親友同士で入学式の日から響がやたらとキャロルに絡んでいるらしい。

 

「出来てるし……、友達……」

 

「お前の目は腐ってるのか!? これのどこが友達に見えるんだ!」

 

 あたしがキャロルにちゃんと友達が出来たと、感慨深く思っていると、キャロルは響のことを友達ではないと叫び声を上げる。

 いやいや、それだけ仲良さそうにしていたら立派な友達だって……。

 

 あたしがキャロルに話しかけた、その時である。

 響があたしに気が付いて口を大きく開く。

 

「あれ? 嘘っ!? えっ? えっ〜〜!! か、風鳴美羽さんだ!! き、キャロルちゃん。風鳴美羽さんと友達なの!?」

 

 響は興奮した様子であたしとキャロルの関係を尋ねた。

 あたしってアイドルだもんね〜。そりゃあ、芸能人が隣に居たら驚くか〜。

 

「違う! 断じてこの女とは友人などではない!」

 

 キャロルはあたしと友達だということを否定する。ええーっと、はっきり言われるとショックなんだけど……。

 

「キャロルちゃんとあたしは一緒に住んでるのよ。遠い親戚なの。えっと……」

 

「ひ、響です。立花響です! あ、あの、私、風鳴翼さんの大ファンでして、その」

 

 あたしがキャロルと一緒に住んでいることを響に伝えると、彼女は自己紹介をして翼の大ファンだと伝えてきた。

 

「なんだ〜。翼ちゃんのファンなの? 残念ね〜」

 

 はっきりあたしに翼のファンだという響が面白くて、ついあたしは意地悪な顔をしてしまう。

 

「普通に失礼じゃない? それって」

 

「ありゃ! いやいや、そうじゃないんです! 決してその、美羽さんのファンじゃないとかじゃなくて」

 

 そして、未来がそんな響の言動を失礼だと指摘すると、響は身振り手振りで焦った感じを全面に出していた。

 素直で可愛らしい子じゃない。あたしは響をこの時点で既に気に入っていた。

 キャロルとも仲良くしてくれているし……。

 

「ふふっ……。気にしてないから。翼ちゃんのこと応援してくれてありがとね」

 

「はい! 今日もCDを買いに行く予定なんです! 初回特典は絶対に逃せませんから!」

 

 あたしが翼のファンだと言う彼女にお礼を言うと、響は今日発売日のツヴァイウィングの新しいCDを買いに行くと伝えてきた。

 

「そっか。じゃあ、キャロルちゃんと友達になってくれたお礼に、CD買ってくれたら翼ちゃんからサイン貰ってきてあげよっか? そのCDにサインをするように頼んであげるわよ」

 

 そんな響にあたしは翼のサインを貰ってくると提案した。  

 翼もサインくらいはしてくれるだろう。

 

「ええーっ! い、良いんですか!?」

 

「良かったじゃない。翼さんに会うためにこの学校に来た甲斐があったね」

 

 すると響は喜び、そして未来は翼に会うためにこの学校に来たということを口にする。

 へぇ、筋金入りのファンね。それは……。

 

「ちょっと待て! お前は何を聞いていたんだ? オレはこいつと友達になどなってない! 余計なことをするな!」

 

「じゃっ! あとは1年生同士で仲良くしてね〜〜!」

 

「ちょっと待て! 美羽!」

 

 キャロルが早々と友人を作ったことに気を良くしたあたしは、彼女を響たちに任せて走って登校していった。

 

 立花響と小日向未来――これがこの二人との最初の出会いだった――。

 

 

 その日の夕方――。“ノイズ”の警報が発生する。

 あたしは弦十郎からの報告を受けて急いで現場に急行しようとした。

 

 よく分からないけど、聖遺物が起動すると発生するアウフヴァッヘン波形というものが現場で発生しており、その波形がガングニールという聖遺物から発生するものなのだそうだ。

 

 そのガングニールとはかつて翼のパートナーだった天羽奏が身に纏っていたシンフォギアに使われていた聖遺物らしい。

 つまり、現場にガングニールのシンフォギア装者が現れた可能性があるということだ。

 

 とにかく急ぎましょ。翼も向かっているらしいけど、あたしの方が現場に近い――。

 何? この気配……!? あたしは空の上からただならぬ気配を感じて上を向く。

 

「風鳴美羽さんですね……。お久しぶりです……」

 

「――あなたは、確かエルフナイン!?」

 

 気配の正体はエルフナインだった。まさか、またキャロルを狙って……。

 

「キャロルには手を出させないわ!」

 

「いえ、ボクの狙いはあなたですよ。美羽さん。あの日、ボクとアダムから逃げ切ったあなたを()()()()は危険視しています。キャロルはもはや無力ですから、それよりも問題はあなただと……。世界の調和のために――あなたを排除します」

 

 エルフナインはそう言い放つと、手のひらから魔法陣みたいなものを展開してビームみたいな物を放ってきた。

 

「――ちょっと、危ないじゃない! 制服が汚れちゃうのも嫌だし……。臨・兵――」

 

 あたしは素早く九字を切って、ファウストローブを身に纏う。

 そして、ジャンプしてビームを躱した。

 

「“ファウストローブ”ですか……。やはりあなたは――。ボクもあまり錬金術で想い出を消費するわけにはいきませんので……」

 

 エルフナインは何もない場所からいきなり竪琴のような物を出現させる。

 そして――。その竪琴を奏でると――。

 

「これがボクの“ファウストローブ”、“ダウルダヴラ”です。ごめんなさい。あなたには何の恨みもありませんが――」

 

 エルフナインは紫色の鎧のような物を身に着けて、それを“ファウストローブ”だと口にした。

 そして、右手の指から信じられないくらい硬い糸を猛スピードで飛ばしてくる。

 

 悲しそうな顔をしてるクセに、えげつない攻撃をするじゃない。

  

 あたしは迫りくる糸をフットワークを活かして避けながら、建物の上にジャンプして、そこからエルフナインめがけて跳躍した。

 

「この糸はこちらの手からも放つことが出来ます。空中では流石にあなたも避けられないでしょう」

 

 エルフナインは左手から今度はあたしに目掛けて糸を伸ばす。

 確かにこれは避けられそうにないわね……。

 

果敢無(はかな)いわね……。絶技――“百鬼八光”!!」

 

 あたしは秒間に百回の斬撃を繰り広げ、体に纏わりつこうとした糸を粉々に打ち砕いた。

 

「――っ!? 天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)ですか……。凄い切れ味です――。しかし、これであなたの力は観察することが出来ました。また会う日を楽しみにしています」

 

「はぁ? もう帰っちゃうんだ。早くない?」

 

 糸を切られたくらいで撤退を口にするエルフナインにあたしは違和感を感じる。

 この子はあたしを消すみたいな事を言っていたけど、もっと他に目的があったんじゃ……?

 

「“急いては事を仕損じる”と言いますから。日本は面白い言葉が多くて楽しいです。そう、錬金術的に……」

 

 エルフナインはそう言い残すと、瓶みたいなものを割って、そこに出来た魔法陣に吸い込まれるように消えてしまう。

 

 それを呆然と見ていたあたしだったが、“ノイズ”出現の現場に向っていたことを思い出して、急いでそちらに向かった――。

 まぁ、着いたときには翼が全部終わらせちゃってたんだけど……。翼はあたしと特訓するようになってからとても強くなった――。

 

 それよりも驚いたのは、あの立花響がシンフォギアを纏っていたことだ。

 いや、本当にびっくりしたわ……。かくして、この日からあたしと立花響は深く関わることになる――。

 

 




グラビア撮影の様子をもっと細かく描写しようとしたんですけど、爺さんの顔が浮かんで気持ち悪くなって断念。
女子高生で響たちのクラスメイトなキャロルは、ただそういうシチュエーションがやりたかっただけです。
感想とか何かしらがあれば嬉しいのデス。
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