|私はいつもこうだ
周りのことばっかり気にして,その結果移す行動にはいつだって私の意思なんかない。私は自分に嘘をついてまで人に合わせていつまでもこんな惨めな気持ちを抱き続けながら生きていくのだろうか。
ここで「いいや,私はこんなところで燻ってるような不完全燃焼を絵に描いたような終わるつもりも終わらせる気もない」と私にとって希望とも呼べるようなそんなハングリー精神むき出しの一言を言えればまだよかったのかもしれないが,
それに言ったところで私以外の他人や友人・家族なんかが聞けば
「ケッ!お前なんか滑稽にもそんな希望持ち続けたところで何が変わるもんかよ。大人しく風呂入って飯食ってクソして寝な!」とでも言われかねない。
こんな後ろ向きな気持ちで今日も変わらず,別にブラック企業という訳ではないが自分にとってはもうとっくに出世コースから外れてしまった,まるでゴールの見えないマラソンに行くかのように会社に出勤する。
今日も上司にはこっぴどく怒鳴りつけられ同僚には笑われのけ者にされ,そして3日ほど前からは会社内での私のデスクはめでたく窓際族の仲間入りを果たした。
そんなわけで今日も心底どんよりとした心持ちで駅から10分,家賃10万の,世間一般に見て割と好条件なアパートのドアノブを回し玄関口が見えたところで何かしらの異変に気づいた。
年は小学3年生くらいの女の子だろうか。頭には銀色のおおよそキツネのような耳が,そして同様に背中の方には端正な毛並みをした,思わずモフモフしたくなるようなそんな尻尾を付けた女の子が家のリビングでくつろいでいたのだ。そして私が帰ってきたことに気づくとこちらを見て
「あ,やっと帰ってきた,遅かったねー」
私はその場の状況が理解できなかったなぜ女の子がいるのかもなぜ私の部屋でテレビをみてるのかも,そして何よりめちゃくちゃ尻尾をモフモフしたい衝動に駆られてしまい,私は女の子の尻尾を思いっきりモフモフした。
「わっ!いきなり何すんのさ!!くすぐったいだろ!」
私がモフモフの尻尾を堪能していると女の子は暴れ出した。
私としたことが目の前のモフモフの存在に夢中になってしまったようだ。しかしほんとにいい毛並みだったつややかな毛並みといいさわりごごちといいベストなモフりぐあいだった。
私が尻尾の余韻に浸っていると女の子が
「お腹すいた~ なんか食べたい」
と言ってきた,私はとりあえず食事のを作ろうとキッチンへ向かった。話は食事をしながら聞こうとしよう。