ファイアーエムブレム風花雪月 異伝 漆黒のオーディン   作:すすすのすー

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第33話『鷲獅子たちの蒼穹②』

 

 俺は“漆黒のオーディン”、ガルグ=マク大修道院の歴史に永久にその名を刻むことになる、選ばれし闇の呪術士だ。

 

 

 セイロス修道士隊の〈神速の備え〉により、移動速度を上げた“漆黒のオーディン”率いる丘の西部確保部隊は、丘の北部にいた帝国騎兵隊を討ちつつ西部への展開をしていた。

 俺の部隊は、“漆黒のオーディン”直卒のジェラルト傭兵団を主力に、ローレンツ率いる同盟騎兵隊、レオニー率いるセイロス弓兵隊、フレン率いるセイロス修道士隊だ。

 フレンのセイロス修道士隊は〈神速の備え〉を使った影響で進軍が遅れているが、既に橋は渡ったようだ。

 

 弓砲台がある中央の丘の西側は黒鷲の学級(アドラークラッセ)の帝国軍の領域で王国軍からの横槍は入らないだろうと予想されている……つまり、同盟軍の運命を握るのは俺の部隊と言うわけだ……

 

 ──血が騒ぐぜっ! 

 

 

 前方には帝国軍が既に布陣していおり、兵力もほぼ同数くらいで柵なども配置されている。

 先生の部隊が中央の丘への攻撃を開始したので、弓砲台の攻撃もこちらには向いていない。

 

 帝国軍の騎兵隊から一騎だけ前に出てきた。

 あれは、フェルディナントだな……なんのつもりだろうか……? 

 

 

「……同盟軍よ! ……私は一騎討ちを所望する!」

 

 

 一騎討ちと来たかっ……! 

 クソッ……めちゃくちゃ出たい……! 

 ……しかし、俺はこの方面の部隊の指揮官……それに、フェルディナントの言う一騎討ちは騎兵同士の一対一の戦いだろう……騎兵ではない俺が出るべきではないな。

 俺の部隊の生徒で〈ソシアルナイト〉はローレンツともう一人……ローレンツをチラッと見たら凄い出たそうな雰囲気だ……

 

 

「……ローレンツ、出るか……?」

 

「……良いのかい?」

 

「……フッ、我ら同盟軍の真の力を見せてやれっ……!」

 

 

 俺の言葉を受けたローレンツが意気揚々と出て行く。

 俺たちと出会った頃のローレンツなら「僕の出番のようだな」なんて言って勝手に行ってしまっていただろうけど、今は指揮官の指示に従うようになっている……コイツも成長したよなぁ……

 実戦だったら、一騎討ちなんてよほどのことがない限り受けないだろうけど、これは演習だし、一生に一度のお祭りみたいなものだからな……ローレンツはさっき既に帝国の〈ソシアルナイト〉を討ち取って戦果も上げているし、勝っても負けても良い思い出になるだろう。

 本当に勝ちに行くなら、レオニーに騎兵になって出てもらうところだけど……それは流石にローレンツもほかの〈ソシアルナイト〉のプライドが……

 

 

「我が名は、フェルディナント=フォン=エーギル!!」

 

「ローレンツ=へルマン=グロスタール! 参る!!」

 

 

 フェルディナントとローレンツは名乗りを上げて、そのまま槍を打ち合わせた。

 楽しそうで良いな……羨ましいぜっ……! 

 

 

「……良いのか? 一騎討ちなんてさせて……」

 

 

 レオニーが呆れたように声をかけてきた。

 他の生徒たちも俺の近くへ集まってきている。

 

 

「ローレンツが粘ってくれているうちにフレンの部隊と合流したいからな……あとは今のうちに作戦を伝えよう……」

 

「作戦ね……考えてるんならいいけどさ……」

 

 

 俺は黒鷲の学級(アドラークラッセ)に所属していたこともあるので、生徒のほぼ全員の得意な得物と弱点を知っている。

 それぞれの生徒たちに一騎討ち後に戦う相手の指示を出す……速さが売りの〈盗賊〉の剣士には〈剣殺し〉を持っている槍使いの〈アーマーナイト〉、力自慢の〈ブリガント〉の相手は〈斧殺し〉を持つ〈ソシアルナイト〉といった感じだ……

 前方の帝国部隊にはエーデルガルトもヒューベルトもいないので指揮官はフェルディナントだろう。

 一騎討ちが終わって部隊に戻って指示を出しても対応が遅れてしまうから各自撃破できるはずだ。

 

 フェルディナントが打ち込み、ローレンツが受け流す。

 ローレンツが振り回す槍をフェルディナントが華麗に避ける。

 実力としては、やはりフェルディナントのほうが少しだけ強いな……ローレンツは〈メイジ〉の資格を取るため理学に集中していた時期があるので前衛職専門だったわけではないからな……

 フェルディナントとローレンツの熱い攻防に同盟軍と帝国軍からも歓声が上がっている。

 

 フレンの部隊が到着したタイミングで、フェルディナントの槍がローレンツを捉え馬から叩き落とした。

 帝国軍から大きな勝鬨が上がった。

 

 

「私の勝利だ! フェルディナント=フォン=エーギル、ここに在り!!」

 

「……見事だ……! “星騎士”フェルディナントよ……次は部隊同士で決着を着けるぞ……!!」

 

「ふっ……私の勝利に沸く帝国軍を君に止められるかな……?」

 

 

 実際の戦争なら、一騎討ちの勝敗は兵士の士気に大きく作用するだろう……しかし、これは演習だし、こちらの主力のジェラルト傭兵団はベテランの強者揃いだから、全く動揺はない。

 

 部隊に戻ったフェルディナントが帝国騎兵を率いて突撃してきた。

 一騎討ちに勝った勢いだけで俺に勝てると思っているのなら、甘いぜっ……! 

 

 

「……己が力を過信した者どもよ、我が闇に沈め……〈ミィル〉!」

 

 

 俺が開発した新闇魔法〈ミィル〉を発動する。

 この魔法は、地面を這うように移動する闇の触手が敵を捉えて攻撃する魔法で、威力は下級魔法なのでイマイチだけど地面に広げられる性質上突撃する部隊などを一気に攻撃することができる。

 闇の触手に捉えられ、混乱した帝国騎兵隊の馬たちが転んだり棹立ちになり何人もの騎兵が落馬する。

 フェルディナントも動揺した馬から振り落とされた。

 

 ……勢いに乗っていた帝国軍が、たった一人の呪術士が放った魔法で、騎兵隊を壊滅させられた。

 フッフッフッ、動揺しているのが手に取るように解るぞ……! 

 

 

「……さあ、金色(こんじき)の鹿の加護を受けし、我が選ばれし戦士たちよ……蔓延る刺客を殲滅せよっ!!」

 

 

 動揺している隙を見逃す俺ではないっ……! 

 俺が昨日一晩考えた号令により、同盟軍が一斉に攻め始める。

 

 

「気合一発!!」

 

「イカせてやるよ……!」

 

「粉砕するわよ……!」

 

「デュランダル!!」

 

「母なる大地と父なる空にかけて! ソール・カティ!」

 

「手加減はしねえ! アルマーズっ!!」

 

「わたくしの光の力……受けて下さいまして!」

 

 

 みんな……ノリノリで愛用武器の名前叫んでるのは良いけど、今使ってる武器はいつも使っている武器じゃなくて、訓練用の物や刃を潰した鉄の武器だからなっ! 

 

 

「むっ……やるな!?」

 

「へぇ……今のをかわすんだ……結構やるんだね」

 

 

 敵部隊との戦闘中、斬りかかってきた女子生徒と交戦する。

 この鷲獅子戦で教師たちを除けば唯一の上級職〈アサシン〉の生徒……名前はたしかモニカだったか? 

 前節にフレンと一緒に救出されたこの女子生徒は、拐われたのが卒業直前ということもあって上級職なのだ。

 

 モニカの突きを見切り、斬り返す。

 俺の剣を体を捩ってあっさりかわし、距離を取り直される。

 

 拐われてしまうくらいだから、たいしたことはないと思っていたが……コイツ、相当強いぞ……! 

 ただ、どこか本気じゃないというか、やる気が感じられないような気がするな……モニカにとっては二回目の鷲獅子戦だからかやる気がないのかな? 

 

 もう一度剣を合わせるタイミングで、左手から闇魔法〈リザイア〉を放つ。

 この距離から魔法を撃たれるとは思わなかったのか、避けられずにモロに受けてモニカはあっさり昏倒した。

 

 ──我が闇の敵ではないな……

 

 この闇魔法〈リザイア〉は光魔法のそれと比べて命中率は少し落ちるが、威力が格段に上がるのでほぼ上位互換だ。

 習得難易度的に分類も中級闇魔法になるかな。

 

 金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)の仲間たちが次々と黒鷲の学級(アドラークラッセ)の生徒を撃破する。

 作戦通りに敵と当たって敵軍を壊滅することができた……ローレンツが一騎討ちで負けた以外にこちらの損害はほとんどない。

 

 西側確保の情報を俺の新呪術……信号呪術〈流星〉で先生やクロード、ルーナの部隊へと伝えた。

 この呪術は戦場が広くなるグロンダーズ平原を考慮し、俺の幻影呪術〈華炎〉の改良を行い、空に一定時間輝き続けるという性質に変えたものだ。

 この呪術を使えば色の数や組み合わせで簡単な情報のやり取りが出来るようになる。

 こういう遠距離との連絡は暗号の解読をされる恐れもあるが、この信号呪術〈流星〉は今回の鷲獅子戦が初出なので、その心配はないだろう。

 

 

「すまない……オーディンくん。負けてしまって……」

 

「……ローレンツ、次席指揮官である貴様を失って痛くないとは言わないが……フッ、随分晴れやかな表情だな」

 

「……ああ、楽しませてもらったよ。あとは君たちに任せる……金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)に勝利を頼んだよ……!」

 

 

 鷲獅子戦でみんなの目の前で一騎討ちとか楽しくないわけないんだよなぁ……俺も誰かとしたいな……戦うならやっぱり敵の総大将のエーデルガルトとか、か……? 

 こうしている間にも、数々の血が騒ぐドラマが起こっているかもしれないな……すぐに進軍しなくては……! 

 

 進軍の指示を出そうとしたら、フレンが誰かを治療していた……落馬して怪我をした帝国騎兵隊の者に回復魔法をかけているらしい。

 気持ちはわからないでもないけど、一応周囲には審判役と怪我人を回復する役目を兼任する修道士たちもいる……生徒の回復が優先されて兵士の回復は後回しになってしまっているけどな。

 

 

「フレン、撃破した敵兵に回復魔法を使うのはもったいないぞ……」

 

「……ですけど、傷つき倒れた人が目の前にいるのに、そのままにしておくことなど出来ませんわ」

 

 

 圧倒的……光属性……! なんという……聖人感……! 

 もしかしてフレンは慈悲と慈愛の聖人と呼ばれた聖人セスリーンの生まれ変わりかもしれない……! セスリーンの大紋章も持ってるからな……

 

 まあ、もともと俺の部隊は弓砲台を手にいれるまで西側を確保するのが目的だから、焦って進軍することもないか……

 そう思い中央の丘を見ると帝国軍の一団がぞろぞろと降りてきた。

 その中にはベルナデッタもいる。

 

 ──俺の煉獄の炎(幻影)の出番か? 

 

 

「ぴげえええぇぇぇ!! 待ってくださいぃぃ! ベルはもう負けてますっ!!」

 

 

 まだ何も言ってないんだけど、ベルナデッタが勝手に騒ぎ出した……そんなに俺のことが嫌いなのか……? 

 

 ベルナデッタが負けて降りてきたということは、中央の丘はほぼ制圧できているみたいだけど……

 

 空を見ると新しい〈流星〉が上がった。

 

 

『作戦成功セリ、援軍ト合流シ、次ノ作戦ヲ実行セヨ』

 

 

 〈流星〉の暗号を読み解くとこんな感じだ。

 

 先生の部隊が中央の丘の確保に成功したみたいだな。

 あそこは最大の要所だから帝国軍も相当な戦力で固めていたはずだけど、さすがは先生だな。

 

 

「オーディンくん! オデたちが援軍にきたぞぉ!」

 

「ラファエル……我が選ばれし闇の精鋭部隊によく来たな。……あれ? 来たのは生徒たちだけなのか?」

 

「クロードくんの部隊は被害が結構出てるらしくてよぉ……先生とジェラルト傭兵団はそっちに向かったぞ」

 

 

 ラファエルの話ではクロードが率いる部隊は東側の確保は出来ているものの兵員の損失が大きいらしい。

 先生率いるジェラルト傭兵団は東側の部隊へ行き、イグナーツのセイロス弓兵隊とマリアンヌのセイロス修道士隊はそのまま中央の丘を確保にあたっているみたいだ。

 

 過去に北側の陣営の勝率が低いのは、中央の丘の奪取が難しいからだった。

 北側は遮蔽物も少なく弓砲台の攻撃に晒されやすいし、攻め込むには橋を渡らないといけないからな。

 しかし、中央を攻略してしまえば、もうこちらのものだ。

 勝利の目は同盟軍……金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)に一気に傾いた! 

 

 俺の部隊の次の作戦は、そのまま帝国軍を蹴散らして進み、丘の南側を確保することだ。

 今度はこちら側が弓砲台による援護を受けられるのでだいぶ有利に事が進められるはずだ。

 

 

「勝機は我らに有り! 同盟軍よ、進軍せよ……!!」

 

 

 俺の号令で100名を越える部隊が進軍する。

 前の世界でも兵を指揮した経験はあるが、そのときは誰かの指示に従って部隊を動かしていただけだ。

 こうやって、ある程度自由に自分の裁量で部隊を動かすようになったのはこの世界に来てからが初めてだが……俺って実は指揮官の才能が有るんじゃねえかな、と最近思い始めた。

 

 ──俺には“天才軍師”と言われた父さんの血が流れているからな……この才能も血の定めだ……! 

 

 

「なあ、オーディン。帝国のペガサスたちが付かず離れずの距離で後ろを飛んでるんだけど……このまま帝国軍とぶつかると挟撃に合わないか?」

 

 

 レオニーから進言が出る。

 本来は弓の射程内なんだけど、死者が出ないように一定以上の高さを飛ぶ飛行兵は狙ってはいけないルールになっている。

 しかし、別部隊と戦っているときにちょっかいを出されても厄介だな……

 

 帝国天馬兵団の方向に向かって〈トロン〉を放つ……間違っても当たらないように狙いを若干外して、だけど。

 魔法攻撃が飛んできた帝国天馬兵団は慌てたように、さらに距離をとり始めた。

 

 

「おいおい……あの高さの飛行兵は攻撃しちゃいけないんだったろ! 正気なのか?」

 

「ルールは『一定以上の高さを飛ぶ飛行兵を狙ってはいけない』だっただろ? 俺は狙っていないし、敵も当たっていない。だから、ルールは破ってない」

 

「……なるほど。使えるものは何でも使っていく……ルールの穴さえね……あんたもジェラルト流の教えを受けた一人ってわけか……」

 

 

 レオニーが感心したように頷いている。

 俺たちがジェラルト傭兵団に入った時は即戦力扱いだったから、ジェラルトさんから教わったことはあまり多くはないのだが……『使えるものは何でも使う』というのはジェラルトさんがよく言っていた教えの一つだった。

 

 

「……相手の感情でさえ、ってやつだな。奴らは、こう思っているだろう『オーディンならやりかねない』とな」

 

「わたしだってそう思うだろうな……あんたって、馬鹿なことばかり考えているように見えて、意外としたたかな奴だな」

 

 

 馬鹿なことなんて考えてねえよ!! 

 

 黒鷲の学級(アドラークラッセ)の連中は性格もだいたい把握している。

 あの〈ペガサスナイト〉の二人は攻撃される危険がある中で付かず離れずで飛んでいれるほどの度胸はない。

 あれだけ離れていたら奇襲されても察知できるはずだ。

 

 一応、レオニーのセイロス弓兵隊に後ろの警戒を任せて、丘の南側の敵陣営を見る。

 

 魔法兵が多いな……姿はまだ見えないがこの方面の指揮官はヒューベルト辺りかな? ……王国軍とも戦っているようでそちらに対応しているのかもしれない。

 近くの帝国軍はドロテアが魔法隊、カスパルが戦士隊を率いているようだけど、兵力はこちらが優勢だ。

 

 ──一気に決めさせてもらうか……! 

 

 

「オデの筋肉!!」

 

「おっしあああ!! 行くぜ勝負だ!!」

 

 

 ラファエルとカスパルがぶつかり合うのを皮切りに戦闘が始まる。

 魔法部隊の相手は魔防の高いフレンやセイロス修道士隊に相手をしてもらい、俺は士官を狙う。

 

 

「……フッ、ドロテア……戦場でこの“漆黒のオーディン”に出会ってしまったことを後悔するといい……!」

 

「……嗚呼、選ばれし闇の呪術士よ……! 私はお前などに負けはしない! この身が滅びようともお前を倒す……! ……こんな感じでどうかしら、オーディンくん」

 

 

 おお……! ノリが良いな、ドロテア! 

 そういうの好きだぞ。

 

 ドロテアは接近されないように魔法を連続で放ってくる。

 剣では勝負にならないほど腕の差があることは本人も知ってるだろうからな。

 

 ドロテアの〈ファイアー〉には俺の〈ファイアー〉を当てて相殺し、〈トロン〉には〈トロン〉をぶつけて打ち消す。

 ……魔法の撃ち合うのも面白いが……やはり決め手に欠けるな……

 

 

「やるわね……これならどう? 〈アロー〉!」

 

「蒼炎剣ブルーフレイムソード!!」

 

 

 ドロテアが放った〈アロー〉に対して、剣を抜き魔力(と青い幻影の炎)を纏わせた〈魔刃〉で斬り払う。

 〈アロー〉は複数の魔力の矢を飛ばす魔法だ……連なって飛んでくる魔法の矢は、なかなか斬り応えがあって面白い。

 

 そのままドロテアに接近し、剣を突きつける。

 

 

「まだ続けるか?」

 

「ハァ、お手上げよ、降参するわ……本当に呆れるほど強いわね、貴方って……」

 

 

 こうやって降参宣言をさせれば、斬りつけなくても撃破判定になる。

 セイロス魔法隊も倒し、これで帝国軍はあまり戦力は残っていないだろう。

 王国軍も先生がクロードの援護に回り、弓砲台からの援護射撃も効いているようで大分優勢みたいだ。

 

 よしっ、勝てる……勝てるんだ……! 

 

 

「フッフッフッ……この鷲獅子戦、我が金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)の勝利は決まったようなものだな」

 

「……あら、それはどうかしら?」

 

 

 俺の呟きに答えたドロテアを見ると、中央の丘の空を指差している。

 巨大な岩のような物が、中央の丘にある弓砲台に当り大きな音と衝撃が走る。

 

 ──〈メティオ〉……!? 

 

 

「あ、あんなもん食らったら死ぬだろ……! イグナーツとマリアンヌは無事か!?」

 

「……人聞きの悪いことを言わないでくれたまえ……ちゃんと計算して弓砲台だけを破壊したよ」

 

 

 生徒たちの中に〈メティオ〉なんて最上級の魔法を使える者は、まだいない。

 ましては、狙って弓砲台だけを破壊するような緻密な魔法技術を持っている者はフォドラ中を探しても少ないだろう。

 

 

「ハンネマン先生……?」

 

「うむ、我輩だ」

 

 

 青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)の担当教師ハンネマン先生が姿を現した。

 この人なら〈メティオ〉でそんな芸当ができてもおかしくはない。

 

 しかし、それ以上に彼と一緒にいる人たちがおかしく見える。

 

 

「ハンネマン先生、一つ質問しても良いですか……?」

 

「……なるべく手短に頼むよ」

 

「なぜ、()()()()()()()()と一緒に布陣してるんですか?」

 

 

 ハンネマン先生とマヌエラ先生が一緒にいるのはさっきまで戦っていたのなら何もおかしくはないのだが……青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)黒鷲の学級(アドラークラッセ)が一緒に陣形を組んでいるように見えるのはどう見てもおかしい。

 

 

「ふむ、わからないか? ……手を組んだのだよ」

 

「このままあっさり負けるのは、あたくしたちも面白くないでしょ?」

 

「えっ?」

 

 

 えっ? 

 

 ハンネマン先生の言葉に続くようにマヌエラ先生も答える。

 

 この人たち手を組むって言ったよな……? 

 そんなの有りか……!? 

 

 

「さあ! ()()()()()()、負けている二つの学級の共闘! 始めるわよっ……!」

 

「簡単に勝てるとは思わないでくれたまえ、ベレスくん!」

 

 

 




金鹿青獅子共闘と金鹿黒鷲共闘をやったんだから、黒鷲青獅子共闘もやらないといけませんよね


補足

ミィル(闇魔法)
威力5命中70必殺0射程1-2重さ5レベルE回数10
リザイア(闇魔法)
威力7命中65必殺0射程1-2重さ6レベルC回数6与ダメージの半分HP回復
両方ともにFE覚醒に登場する闇魔法、ダークマージ系のユニットのみが使用できる
フォドラでは覚えればダークメイジじゃなくても使える(予定)
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