ファイアーエムブレム風花雪月 異伝 漆黒のオーディン   作:すすすのすー

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白雲の章 星辰の節 EP.9 使命
第40話『世界を滅ぼす敵』


 俺は“漆黒のオーディン”、世界を滅亡させようとする謎の集団と戦う、選ばれし闇の呪術士だ。

 

 

 俺とラズワルド、ルーナは俺(とラズワルド)が寝泊まりしているセイロス教団の傭兵用の天幕に集まっていた。

 

 

「今日はルミール村で暗躍していた連中のことについて話し合いたいんだが……」

 

 

 先日のルミール村の一件もあり、つい俺もいつになく真剣な様子で話し出してしまう。

 いや、いつものアレは別にふざけているわけではなく俺のアイデンティティーだからやってるだけで……とにかく今は真剣に話し合うことにする。

 

 

「惨たらしい実験に、あの禍々しい姿……そして屍兵(しかばねへい)を召喚する力……やつらは、僕らが探していた世界を滅ぼす原因の可能性が高いね」

 

「あたしもそう思うわ。仮に違ったとしても間違いなく危険な連中よ……あんなことしでかす奴らを野放しにはしてられないわ」

 

 

 俺も二人と同意見だ。

 あの時、トマシュ……ソロンは屍兵のことを『我らの技術』と言っていた。

 前の世界にも屍兵を召喚する方法というのは実在していたし、俺の呪術の師匠はそれを使うことができた。

 こちらの世界にもリシテアが扱う闇魔法〈ハデスΩ〉のように冥界の力を利用して攻撃するような技もある……ミュソンたちが自分たちの技術で屍兵(のようなもの)を召喚できるようにした、というのも納得はできる。

 ……とんでもないことにかわりないが。

 

 

「今後は奴らが俺たちの最大の敵……世界を滅亡させる敵と考えて行動しよう」

 

「わかったわ……じゃあ、まずはあいつらがなんでルミール村であんな実験をしてたかについて考える?」

 

「村人を狂わせて、他の村人を襲わせる……厄介だね。フォドラ各地で使われたら、騎士団や国の兵士たちも手が回らなくなるよ……」

 

「あるいはもっと大規模な何かを狙って()()していた可能性もある……奴らが屍兵以上のナニカを召喚しようとしているとか……」

 

 

 自分で言っていて鳥肌が立つのがわかる。

 ラズワルドもルーナも想像したのか黙り込んでしまった。

 脳裏を掠めるのは巨大な邪竜……いや、まさかな……

 推測はいろいろできるが、それはあくまで推測に過ぎない。

 ことが起きてから動かなければならないのは歯痒いところだな。

 

 

「……やつらの目的もわからないよね。ソロンは自分のことを“人の世の救済者”だと言っていたけど……」

 

「あんなことやっておきながら、なにが“人の世の救済者”よ……絶対に許せない……!」

 

「そういえば屍兵を召喚した魔導師……ミュソンは俺たちと死神騎士を“薄汚い獣の末裔”って言ってたな……」

 

 

 屍兵の召喚に、死神騎士を巻き込んで『ここでどちらも朽ち果てるがいい』とも言っていたので、死神騎士も“薄汚い獣の末裔同士”に含まれるのだろう。

 俺たちが“薄汚い獣の末裔”で、ソロンが“人の世の救済者”か……やつらがやろうとしていることのヒントになるかもしれない。

 

 

「オーディンはあのあと“炎帝”に会ったんだよね。どんな様子だった?」

 

「“炎帝”はルミール村の実験については怒ってるように見えたな……『事前に知っていれば、必ず止めた』と言っていたし、格好のわりにソロンやミュソンみたいな禍々しさが感じられなかった」

 

「ちょっと待って……“炎帝”って奴らの首謀者じゃないの……? なんか、わけがわからなくなってきちゃったわ」

 

 

 ルーナが混乱してきているので、もう一度整理して話す。

 死神騎士は炎帝の配下でソロンと炎帝は協力者だが、同じ目的で動いているのではない、フレンを拐ったのはソロン(トマシュ)が首謀したこと。

 フレンを拐った件については死神騎士や炎帝も出てきたので、それについては協力しあっていたのかな? 

 

 

「あと“炎帝”は先生と組みたがっていたぜ……天帝の剣を持つ先生の力があればソロンなど敵ではない、と言っていた……」

 

「ベレスがあんなやつと組むわけないでしょ!」

 

「先生は手を組むふりをしようとしてたけど……怒ってたのがバレバレだったからなぁ……」

 

「先生って意外と顔に出るもんねぇ」

 

 

 出会った頃は無表情だったんだけど、最近は喜んでいるのか怒ってるのか顔を見ればすぐにわかるようになってるもんな。

 そういえば“炎帝”は俺のことは眼中になかったのか露骨に無視してきたな……

 

 ──今に見ていろ“炎帝”よ、貴様が歯牙にも掛けない存在だった、この“漆黒のオーディン”が最大の脅威となることを思い知るが良い! 

 

 あとは死神騎士についても話をしなければいけないな……

 

 

「……それと死神騎士についても少し話がある」

 

「そういえば、死神騎士はイエリッツァ先生で……メルセデスの弟だったんだよね」

 

「前の戦闘では、あとちょっとで生捕りできたけど……次回から警戒されるかしら…?」

 

 

 以前、ラズワルドとルーナには話をしておいたが死神騎士はメルセデスの弟エミールということをちゃんと覚えてくれていたようだ。

 謎の多い炎帝はともかく、教えてもらったことは少ないが顔見知りの先生でメルセデスの弟であるイエリッツァ先生はなんとか殺さず捕まえる方向でいきたい。

 

 

 

「じゃあ最後に……敵の存在もわかってきたし、そろそろ俺たちの使命を誰かに話してもいい時なんじゃないかと思うんだが……」

 

「……今から使命のことを誰に話すか話し合うってことね。……良いんじゃないの」

 

「いい加減、隠すのもしんどくなってきたからね……何人か話し合える仲間がほしいよね」

 

 

 不慮の事故で知ってしまったハンネマン先生とリンハルトを除けば俺たちの使命について知っている者はいない。

 これについては事故だったからしょうがない……

 

 

「まずはベレスね。それと団長!」

 

「ジェラルトさん、あれから大修道院に戻ってきてもすぐまた出撃して忙しそうなんだよなぁ……」

 

「先生だけにでも話をしたいところだけど……先生と僕たちが単独で話し合える機会って意外に少ないんだよねぇ……」

 

 

 先生の周りには学級を問わず人が居ることが多いからな~

 最近は俺たち三人も個別指導を受けることがほとんどないから機会を見計らって言うしかないよな。

 

 

「まずは、先生たちだけに話すことにしようか…なるべく早いほうがいいよな?」

 

「うーん……約束を取り付けといて、後でじっくり話したほうが良いんじゃない」

 

 

 先生とジェラルトさんは俺たちの使命にとって間違いなく重要人物だ。

 フォドラに来た時に目の前に居て最初に出会った人物であり、どちらも伝説的な強さの傭兵であり、先生は解放王の“天帝の剣”を扱えるようになった……俺たちを召喚した女神様と関係がないなんて、もう考えられない……大司教様も一目を置いているみたいだしな。

 

 

「先生に話したら次は教会関係者かな……」

 

「教会ねぇ……大司教様はどうも信用できないのよね。ベレスに何かしでかそうとしてるみたいだし」

 

「レア様とお茶した印象だとそこまで悪い人じゃないと思うんだけどなぁ……むしろ優しいお姉さんだったよ」

 

「ラズワルド!? あんた、いつの間に大司教様とお茶なんかしたの……?」

 

「つい最近だよ。安心して、オーディンみたいに迂闊なことは喋ってないよ」

 

「お前は女なら誰相手でも『悪い人じゃない』なんて言うだろ……実際、性格に問題がなくても、何かやろうとしてるのは本当だろうしなぁ……」

 

「セテスさんにだけ伝えておくことにする? あの人なら信用できそうだわ」

 

「セテスさんも結局は大司教の補佐役だ。話せば大司教様の耳に入るからなぁ……ジェラルトさんたちに相談して話すかどうかを決めようか……」

 

 

 ジェラルトさんも先生も教会の所属だから話さないわけにはいかないだろうが、大司教様の行動には疑問を持つ点も多い。

 実際、俺たちが士官学校に入学したのもジェラルトさんが大司教様の行動を不信に思ったからだ。

 もう一度、ジェラルトさんたちとよく相談して使命について話すかを決めることにした。

 

 

「俺は級長の三人……クロード、ディミトリ、エーデルガルトにも使命について伝えていたほうがいいと思う」

 

「彼らはフォドラの次期指導者たちだからね。協力を得られれば心強いね」

 

「ディミトリはともかく……クロードやエーデルガルトに話しても大丈夫なの? あいつらはなんか野心家みたいだし、裏で何考えてるかわかんないわよ」

 

「うーん……野心があるっていってもそこまでじゃないと思うがな……それに,フォドラが滅亡するかもしれないって話せば、あいつらもきっと協力してくれるはずさ」

 

 

 フォドラ大陸の三国の次期指導者に事前に情報を伝えることができるという点でも重要だと思う。

 ジェラルトさんたちとの話し合い次第では三国の誰かを頼ることになるかもしれない。

 

 

「あとは……ある程度地位の高い家の出身の奴らに伝えるのはどうだ? 世界を滅ぼすような脅威があるって言う形で……」

 

「悪くないと思うよ。もともとそういう人脈作りも士官学校でやろうとしてたし……金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)ならクロード以外ならヒルダ、ローレンツ、マリアンヌ、リシテアかな? たしか彼らは同盟諸侯だったはず」

 

青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)はフェリクスとシルヴァン、イングリットが大貴族だったかしら? あたしはそういうのあまり調べてないからわからないのよねぇ」

 

黒鷲の学級(アドラークラッセ)はフェルディナントの親父さんが宰相、ヒューベルトの親父が宮内卿、軍務卿と内務卿はカスパルとリンハルトの親父、それでベルナデッタの親父が教務卿だな」

 

 

 こういうのはフェルディナントがよく喋っていたから覚えている。

 黒鷲の学級には他にも高位貴族の子弟はいるがこの五人の親父さんは特に主要な職に就いている。

 

 

「ベルナデッタに話すのは反対ね……あの娘、お父さんとは折り合いが悪いみたいだし、上手く話せるとは思えないわ」

 

「それなら、マリアンヌに話すのもやめたほうがいいかもね……あの娘も抱えこんじゃう性格みたいだから」

 

「イングリットのガラテア家とリシテアのコーデリア家は大きな貴族じゃなかったはずだ……リシテアも何か目的があるのか、いつも忙しそうにしてるから話すのは止めとくか」

 

 

 伝える生徒を絞っていくと、金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)はクロードとヒルダ、ローレンツ。

 青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)はディミトリ、フェリクス、シルヴァンで黒鷲の学級(アドラークラッセ)はエーデルガルト、フェルディナント、ヒューベルト、カスパル、リンハルトとなった。

 ラズワルドとルーナからはヒューベルトの性格に疑問視の声が上がったが、どうせエーデルガルトに伝えたらヒューベルトの耳にも入るということで納得したみたいだ。

 

 

「これで方針は固まったね……」

 

「まずは先生たちと話し合い。それから教会、フォドラの指導者たちに『奴ら』について伝えて、世界の滅亡を阻止する……やってやろうじゃないの!」

 

「俺たち三人とみんなの絆の力を見せてやろうぜ! ……魂が躍動する……!」

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 方針は決まったもののジェラルトさんは忙しく各地を飛び回っており、なかなか話し合いの機会を得ることはできなかった。

 先生にはジェラルトさんと一緒に話すことにしたので、ジェラルトさんの予定が空くまで一旦は待つことにしたのだった。

 

 今節はガルグ=マク大修道院の落成記念日があり浮わついている他学級の生徒が多いなか、ルミール村の事件を目の当たりにした金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)の生徒たちは少しだけ元気がなかった。

 

 

「……マリアンヌがいなくなった?」

 

 

 今日の授業も終わり、書庫でのんびりと調べものをしていると先生とヒルダが訪ねてきて話し始めた。

 

 

「マリアンヌちゃん、今日の授業出てなかったでしょ? 心配して部屋に行ったらいなかったのよねー」

 

「他の学級にもいなくなった生徒がいるみたい。オーディンの呪術で探せないかな?」

 

 

 先生が調べたところマリアンヌ以外にも、黒鷲の学級《アドラークラッセ》と青獅子の学級《ルーヴェンクラッセ》で各二人ずつの生徒……マリアンヌを含め五人の生徒の行方がわからなくなっているみたいだ。

 生徒が家が恋しくなって勝手に学校を止めて家に帰ることは珍しいことじゃないらしいが、この時期に五人の生徒が急にいなくなることはおかしい。

 フレンの一件もあるので、調べたほうがいいとセテスさんも考えて先生に調査を依頼したそうだ。

 

 

「それで、この“稀代の天才呪術士”オーディンに白羽の矢が立ったわけか……本人の髪の毛があれば呪術道具が作れるから部屋に行って探してみましょうか……」

 

 

 なんか最近、俺が人探し専門の呪術士みたいな扱いになっているが……必要とされるのはいいことだろう。

 

 

「あっ……オーディンくんはマリアンヌちゃんの部屋に入っちゃ駄目だよ! あたしたちで探すから」

 

「えっ、なんでだ……うーん……マリアンヌの部屋って、もしかして散らかってるのか?」

 

「うん。すごく「あーっ! 先生っ! そういうこと言わなくていいって」

 

 

 そうなのか……意外だな、マリアンヌは真面目だから部屋も綺麗にしてると思ったのに……いや、そういえば掃除当番が一緒だったときに棚の整理が全然出来てなかったな……片付けが苦手なのか。

 

 

 先生たちと手分けして他の行方不明になった生徒たちの髪の毛を集めて呪術道具を作り、教室に集合した。

 金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)の生徒たちも放課後というのにみんな集まっている。

 

 

「……人が居なくなったらオーディンに頼めばいいのは楽だな。今度、それの作り方も教えてくれよ」

 

「オーディン。クロードには悪用される危険もあるので、その呪術を教えるのはやめたほうがいいと思いますよ」

 

「おいおい、リシテア。人聞きの悪いこと言うなよ……その呪術を俺は世のため人のために役立てようとだな……」

 

 

 クロードとリシテアが話をしている。

 便利な呪術なんだけど悪用ってどうやってするんだろう……考えたこともなかったな。

 

 

「わたくしは既に甚大な被害を被ってますの……どこに行ってもお兄さまにすぐ見つかって……」

 

「うっ……それは悪かったな」

 

「そんなことはいいから、はやく使ってマリアンヌたちがどこにいるか調べてよね!」

 

「わ、わかってるよ」

 

 

 ルーナに急かされて呪術道具を準備し始める。

 以前、アネットとメルセデスとセテスさんに作った呪術道具は血縁者を探すための道具なので髪の毛を使っている本人が使用しなければならないが、この呪術道具は探索対象本人の髪の毛を使っているので誰にでも使用できるのだ。

 すでにラズワルドの髪の毛を(勝手に)使い試作した呪術道具で実験しているので効果も確認済みだ。

 

 まずは、マリアンヌを探す呪術道具を持って魔力を込めてみるか……

 この瞬間は緊張するな……反応がなかったら、既に生きていない可能性もあるからな……

 

 幸い呪術道具は反応し、北の方角を指し示した。

 

 

「……結構近いけど、大修道院の中じゃないな……大修道院の北側って何があったっけ?」

 

「ガルグ=マクの北の程近い場所には封じられた森っていう立ち入り禁止の森があるらしい……しかし、マリアンヌはそんな場所にいったい何を……」

 

 

 俺の疑問にクロードが答える。

 立ち入り禁止の場所に勝手に入って行くようなやつじゃないしな……他の生徒のも調べてみるか……

 

 他の生徒の四つの呪術道具も全てマリアンヌと同じ北の方角を指し示した。

 ……つまり、いなくなった五人全員が同じ場所にいるということになる。

 

 ……誘拐か。

 

 

「……全員、出撃準備。セテスと騎士団にも連絡して」

 

「了解!」

 

 

 先生の指示に頭を切り替えた金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)の面々はあわただしく出撃準備を始めるのだった。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 出撃許可はすぐに下りて、大修道院の近くの森……通称“封じられた森”に金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)とセイロス騎士団は進軍していた。

 なぜ“封じられた森”という名前なのかは知らないが、なかなか血の騒ぐ名前だな……ここも“赤き谷ザナド”のように教会関係者でも容易に近づいてはならない決まりになっているらしい。

 “封じられた森”には所々に遺跡のような建造物があり、“赤き谷ザナド”とも類似する部分も多い。

 

 少数の偵察部隊を率いた先生と共に呪術道具の示す先を頼りに進んでいくと、大きな遺跡のような場所にたどり着く。

 遺跡の入り口には二人ほど見張りの兵がいる。

 

 

「あそこにマリアンヌたちが捕らえられてるみたいですね……」

 

「中に人の気配は多くないね……見張りを無力化して踏み込もう」

 

 

 先生が見張りに気づかれる前に攻撃を指示し、シャミアさんとイグナーツが矢を放つと見張りの兵士たちはあっさり倒れた。

 

 

「よし、死んだな」

 

「じゃあ、オーディンとラズワルドを先頭に重装部隊を突入させて」

 

 

 先生の指示で俺とラズワルド、それに〈フォートレス〉の四人が兵を率いて遺跡内部へ入っていく。

 敵が装備を整える前に一気に叩き潰す作戦だ。

 

 

「な、何者だっ!?」

 

「ばかなっ見張りはどうした……!」

 

「ぐはっ……!」

 

 

 中にいた怪しい集団を問答無用で切り捨てていく。

 こいつら……大半は兵士じゃないぞ、動きが魔導師のそれだ。

 重装兵と共に踏み込んだのは失敗だったかもしれない。

 

 

「気をつけろ! こいつら魔導師だ! 魔法を使われる前に倒せ」

 

「こいつらがマリアンヌちゃんを……絶対許さない……!」

 

「手加減しないよ!」

 

「怖くないぞ……!」

 

「ギタギタにする!」

 

「道を開けろ!」

 

 

 ラズワルドと〈フォートレス〉の四人は魔導師相手でも怯まず制圧していく……みんな一撃で敵を倒せる力の持ち主たちだ。

 特にヒルダはいつもは面倒臭そうにしているが、仲の良いマリアンヌが拐われたからか今日は気合いの入り方が違う……あの重い鋼の斧を片手で棒切れのように振り回して敵を叩きのめしていた。

 

 遺跡内部の制圧は、突入部隊の奮戦と敵が少なかったこともありすぐに終わることができた。

 しかし後続部隊が降りてくるのが遅いな……何かあったのかな? 

 

 

「オーディンくん! 外の部隊が魔獣の群れに襲われています! はやくマリアンヌさんたちを見つけて脱出するように指示がありました!」

 

 

 イグナーツが伝令として外の様子と先生の指示を伝えてくれた。

 魔獣か……この謎の集団とは関係ないとは思えないが、今はマリアンヌたちを探し出すのを先決しなければな……

 

 

 それからすぐに奥の部屋で意識を失っているマリアンヌたち五人を見つけることができた。

 近づいて声をかける……ルミール村のように変な実験をされていなければいいが……

 

 

「……うっ」

 

「マリアンヌ、わかるか? 俺だ、“漆黒のオーディン”が助けにきたぞ!」

 

「おー、でぃんさん……?」

 

「ああ、俺がわかるか? ……ヒルダもいるぞ!」

 

「マリアンヌちゃん……大丈夫? 心配したんだからねっ!」

 

「ひ、るださん……ご心配、かけて……すみません……」

 

 

 マリアンヌが意識を取り戻したので助け起こし声をかけると反応してくれた。

 まだ朦朧としているようだけど、どうやら大丈夫みたいだな。

 

 

 また仲間を助けることが出来てよかったぜ……

 

 

 

 

 




中途半端な長さの話が2つできたのでくっつけました。

唐突なオリジナル戦闘話…あの課題の生徒魔獣化阻止話でもあります。

真面目な話と暗い話が続いたので次回は日常編になります!
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