ファイアーエムブレム風花雪月 異伝 漆黒のオーディン 作:すすすのすー
俺は“漆黒のオーディン”、聖墓にて女神様の啓示を受ける傍らに控える聖戦士の一人⋯選ばれし闇の聖戦士だ。
女神様に啓示を受けるために
「聖墓で女神様の啓示を受ける、ねえ⋯どうもピンと来ないんだがなあ」
「レアさまも一緒に行くんでしょ? 安全だって話だけど、大丈夫なのかなー」
クロードとヒルダが話している。
〈戦術師〉にクラスチェンジしたからわかるがレア様は多分、このガルグ=マク大修道院で最強の実力者⋯先生やカトリーヌさんよりも
それよりも心配なのは、敵襲の可能性があるのに聖墓への立ち入りは限られた者しか許可されないので、いつも一緒に戦ってくれていたジェラルト傭兵団や他の騎士団の人たちを連れて行けないことだ。
儀式に参加することが認められているのは、セイロス聖騎士団と四聖人の名を冠した最高位の騎士団であるキッホル竜騎兵団、セスリーン神官隊、マクイル破邪隊、インデッハ剣戟隊だけ⋯戦力的には500人近くいるが、少し偏った編成だな。
「“闇に蠢くもの”は、いつどこに現れるのかわからないね」
「聖墓がどんな場所か知らないけど、警戒しとくべきよ」
「もし何かあった時のために、みんなの兵種や部隊編成を考えておく必要があるな⋯」
ラズワルドとルーナも他の生徒たちも完全武装だ。
女神様から啓示を受ける先生の側で聖戦士として控えるという重要な儀式だから、今持っている武器や装備品の中でも、最も良いものをそれぞれが身につけている。
仮に敵の襲撃があったと仮定して⋯
指揮A以上は俺と先生、クロード、リシテア⋯四聖人騎士団を率いる頭数はいるから⋯セイロス聖騎士団は指揮能力と個人スキルからローレンツに指揮してもらって⋯副官は⋯
「ま、何か起きたらそん時だ。いつもどおり臨機応変に立ち回るってことで、いいよな」
「⋯簡単に言うなあ。だが、この“狂気の天才”軍師オーディンに任せておけ」
クロードが呑気なことを言っているが、戦力的にも今回は前回の封じられた森の戦いほど厳しくはならないだろう。
仮に聖墓の中で屍兵を大量召喚されたとしても、大修道院の中なので援軍を呼ぶ戦力は十分にある。
「しかし、やっぱり腑に落ちないな⋯⋯女神は先生の中にいたんだろ? 啓示を受ける儀式なんてのは方便で、何か他の目的があるんじゃないのか⋯? ⋯あれこれ考えるのは無駄か。俺たちに危険はないだろうが⋯先生、気をつけろよ」
クロードの言葉に先生は大きくうなずいている。
確かにクロードの言う通り女神様は先生の中にいたうえに、既に先生と融合してしまったから本来ならもう女神様の声を聞くことはできない⋯ただ、あの宝玉に女神様の意識が宿ってしまったのでややこしいことになったかもしれない。
◇◇◇
「ベレス、驚きましたか? ここが、聖墓です」
聖墓へ降りるための仕掛けは中庭にあった謎の装置だった。
大修道院の中庭にある緑の光を発しながら回転する謎の物体⋯大修道院に来てすぐに、血が騒いで調べていたら騎士団の人に注意されたことがあったが⋯何か秘密があるとは思っていたが、地下の聖墓へと降りるための設備だったのか。
地下に広がる聖墓は以前課題で行った聖廰よりさらに広く、無数の石棺が脇に並ぶ中央の奥には玉座があった。
「⋯ここは、かつて世界を創った女神と、その眷属たちが眠る墓所。そして、この玉座は、我らが主⋯女神ソティスが座したものと伝わっています。ベレス、この玉座に見覚えがありますか?」
「ある」
「ああ⋯⋯本当に。本当にこの日を待ちわびました」
先生とレア様が話している玉座は俺にも見覚えがあった。
世界を渡る前に女神様が招待してくれた精神世界にあった玉座と同じものだ。
レア様は先生を玉座に座るように促している。
女神の啓示があるとのことだが⋯
「あの玉座、女神様の精神世界にあったもので間違いないよね⋯」
「ベレスを座らせて、いったい何をするつもりかしら?」
「一応、先生はあの宝玉を持ってるから⋯話そうと思えばいつでも女神様と話せるんだけどな⋯」
ラズワルドとルーナと小声で話し合う。
レア様と先生はいろいろと試しているようだけど何か変わった様子はない。
先生は俺が渡した女神様の宝玉をいじりはじめた⋯あっ!
『ぬわあああああぁぁぁぁぁぁ!!!?』
先生が宝玉に魔力を流すと女神様が姿を現した。
しばらく叫んだあとに、先生の姿を見た女神様は怒りはじめた⋯まあ、当然だけどな。
『おぬしおぬしおぬし!! あれほど釘を刺したというのに、また魔力を流しおったな!!』
「ごめん、ソティス。重要な場面みたいだから起きてもらった」
「ベレス⋯どうかしたのですか?」
『⋯むっ、この場所はわしの⋯玉座か? なぜここに⋯それに、この状況はなんじゃ?』
女神様は辺りを見回すと状況に気づいたようだ。
玉座に座る先生とそばにいるレア様、周囲で見守る俺たち生徒と騎士団をみて驚いている。
まあ、周りの人たち⋯俺と先生以外に女神様の姿は見えていないみたいだけどな。
「女神の啓示がほしいって⋯なにか言ってソティス」
『き、急に啓示などと言われても、話せるわけなかろう! ⋯なんなんじゃこの状況は」
「女神は何も思い浮かばないからちょっと待ってて、って言ってる」
『こら、そのようなこと言うでない! 女神の権威が落ちるであろう!』
「そこに⋯主がそこにいるのですか⋯ベレス?」
お、俺は見えてるし事情もある程度把握してるからいいけど⋯他の人たちは何もわからないよな⋯
レア様も周りの騎士団の人たちも困惑し周囲がざわざわしはじめた。
ん? 聖墓の入口のほうが騒がしい⋯というよりセイロス騎士団とは別の装備をした集団がぞろぞろとやってきた。
⋯なんだ?
「おっと、せっかく盛り上がってきたところだが儀式は中断だな。どうやら招かれざる客人が来たようだ」
クロードが入口方向を指し示すと他のみんなもその集団の存在に気づいたようだ。
周囲がさらに騒がしくなり騎士団が慌てて戦力を展開する。
人数は味方より向こうの方が多い⋯魔獣も二体いるし、負けもありえる戦力差だな。
中央奥にはルミール村であった敵の一人⋯炎帝の姿がある。
「何者です!!」
「帝国軍だ! ケェッヘッヘ⋯全員、動くな! 動けば命はないぞ! ここまでの案内、実にご苦労。聖墓にあるものは、帝国軍がすべて頂く!」
炎帝の横にいる指揮官らしき〈アサシン〉の男がレア様の言葉に答える。
戦力をざっと見た限り、敵の数は多いが精鋭ではないようだ⋯正規兵と傭兵、それと賊みたいな連中も混ざっている。
「⋯炎帝か。なるほど、やはり最初から帝国と繋がってたってわけだな。そして、自ら聖墓に眠るお宝を暴きに来た、と」
「ふ、察しが良いな、道化師。ここにある紋章石はすべて貰い受ける。それを眠らせておいたところで、薬どころか毒にさえならぬ」
クロードと炎帝の会話を聞きながら考える⋯帝国軍が炎帝と繋がりがあることはフレンが誘拐された時に考察できていたが⋯紋章石が聖墓に? それに、なぜ炎帝はそんなことを知ってるんだ。
「⋯無礼な。神聖な墓所を踏み荒らした罪はその命をもってあがなってもらいます。ベレス。主に仇なす叛徒どもを滅ぼすのです!」
「各員、戦闘開始! ⋯私とクロードは左右に展開し敵の迎撃、オーディンとリシテアは大司教の護衛と魔法による援護を」
「敵の狙いは棺の中のお宝だ。全て守り通せ!」
先生とクロードが指示を出す。
先生の側にいた女神様はいつのまにか消えてしまっていた。
今回は参加している騎士団は五個(セイロス聖騎士団と四聖人騎士団)と少ないが一つの騎士団あたりの人数は多いので戦力は十分だ。
先生がインデッハ剣戟隊、クロードがキッホル竜騎兵団、リシテアがマクイル破邪隊、ローレンツがセイロス聖騎士団⋯俺はセスリーン神官隊を率いる。
襲撃があると仮定して先生に率いる騎士団を決めておいた方が良いと言っていたので、スムーズにことが運んだ。
⋯本当は俺がマクイル破邪隊のほうを率いたかったんだが、それは却下された。
「墓荒らしどもめ、闇の裁きを受けよ! <スライム>!」
「オーディン、手伝います! <スライム>」
棺から紋章石を奪おうとした賊まがいの敵兵たちが、俺とリシテアの<スライム>でばたばた倒れていく。
闇魔法<スライム>は俺の開発した闇魔法の中でその性能は群を抜いている。
魔道砲台並の射程を持つので後方から広い範囲を援護出来る。
前の世界にあった頃から強力な魔法だと思っていたが、使われた敵はたまったもんじゃないだろうな⋯
ちなみに<スライム>や<ルイン>のような強力すぎる闇魔法は教団にも習得方法は教えていないので、使える者は
前の世界での闇魔法を元に俺が開発した新闇魔法は習得するのにコツがいるらしく、魔法職で理学が得意でも俺の指導がなかったら自力習得はかなり難しいみたいだ。
リシテアも前から見よう見まねで<ミィル>や闇の<リザイア>などを覚えようとしていたらしいけど、全然出来なかったらしい。
まあ、俺が指導したらリシテアは今開発されている全ての新闇魔法に加えて、連続攻撃の闇魔法<イル>の再現に成功したんだけどな⋯リシテア、やはり天才か⋯
「⋯!?」
背後から突然殺気を感じて、辛うじて前に飛び退いた。
俺がいた場所に剣が二閃⋯今のは危なかったぞ。
「避けられたっ!? 完全に不意をついたと思ったのに⋯」
目の前には紫髪の女兵士⋯いや女傭兵か? ⋯一人で剣を両手で構えて立っていた。
二刀流か? ⋯いや、それよりもコイツどこから現れたんだ?
後ろに敵兵なんていなかったのに⋯<ワープ>で転移してきたのか?
女傭兵は<フリューゲル>という見たことのない兵種らしい。
剣の二刀流に特化した兵種みたいだが⋯厄介だな。
「覚悟しなさい!」
「⋯くっ!」
敵の二刀による連撃をなんとか封魔剣エクスブレードで防ぐ。
二刀流の敵と戦ったことなんて、このフォドラでも前の世界でも一度もない⋯苦戦は必至かもしれん。
──だが⋯そうか! ⋯それなら!
封魔剣エクスブレードを両手持ちから右手のみに持ち替え、予備で持っていた愛剣のミステルトィンを左手で抜き放つ⋯!
「⋯なっ!?」
「二刀流は珍しい。⋯そして、貴様も二刀流を前にするのは初めてのようだな」
「そんな付け焼き刃が私に通じると思ってるなら⋯大間違いよっ!」
残念ながら付け焼き刃ではないんだよなぁ⋯
女傭兵の剣戟はさらに勢いと速度を増して襲いかかるが、剣二本を使い防ぐことによりだいぶ戦い易くなった。
俺は前の世界で<ソードマスター>だった時に二刀流の練習をしていたことがある。
実戦でも何度か使ったことがあるし⋯二刀流の相手とは戦ったことは確かにないが⋯弱点も理解している。
目の前の女傭兵は速度と手数で攻めるタイプの二刀流みたいだが、俺が同じ二刀流で守備を固めたことにより攻めあぐねている。
「教団にこれほどの二刀流の使い手がいたなんて⋯何者なの?」
「俺は”伝説を作るもの”⋯その名は⋯オーディン!」
「オーディン⋯? ⋯"漆黒のオーディン”、貴方が⋯」
ほう、女傭兵も俺の名前は知っていたようだ。
このフォドラでもだいぶ有名になっちまったな~いやぁ、困っちゃうな~
ここは新たに思いついた決めポーズと必殺技を試してみるか⋯
「俺の名を⋯魂に刻め! ⋯エンドレス・レジェンド!!」
戦技<魔刃>⋯右手の封魔剣エクスブレードに炎の魔力を、左手のミステルトィンに雷の魔力を込めて構える。
さあ、これからが本当の戦いだ!
しかし、女傭兵の方は急に殺気を緩めた。
「⋯たしかに、今の私じゃ勝つのは無理そうね」
「なに⋯?」
「ここは退かせてもらうわ!」
そう言うと女傭兵は
<ワープ>でも<レスキュー>でもなかったな今のは⋯そもそも魔法使いには見えなかったが⋯
命の危険を感じたらあっさり退いてしまうところは傭兵として正解なんだろうけど⋯せっかく盛り上がるシーンになったんだし、もうちょっと付き合ってくれても良かったんじゃないか?
「悪いリシテア、手間取ってしまった⋯戦況は?」
「いえ、手強い相手だったんでしょう。戦況は有利ですよ、先生とクロードたちが敵を追い詰めはじめています」
俺が強敵相手に時間を取られている間に戦況はだいぶ有利に進んでいるらしい。
既に魔獣は二体とも倒し、紋章石を狙ってきているような賊はほとんど撃破して残すは炎帝と正規兵のような連中ばかりだ。
賊の指揮官らしき<アサシン>は先生に負けて命乞いをしている。
「や、やめろ⋯やめてくれ⋯! 俺はあいつの命令に従っただけだ!」
「⋯と言ってるけど」
<アサシン>の命乞いを聞いた先生が炎帝に問いかける。
出入口は敵に押さえられているとはいえ、既に兵力差でもこちらが有利な状況だ。
なんとかしてここで炎帝を捕えたいものだが⋯流石に敵の幹部だけあって防御が堅い。
金鹿の魔道士が<スライム>で数回攻撃を試みたが、周囲を守る神官の<Mシールド>や<サイレス>に阻まれている。
まあ、ここで炎帝に勝ってもまた<レスキュー>のような転移魔法で逃げられる可能性は高い。
少し前から敵の転移魔法への対策や妨害方法などを考えてはいたが、研究はあまり進んでいないんだよなあ。
「所詮は賊か⋯少しでも紋章石を回収できればと思ったが⋯まあよい」
「<リザイア>! そいつは捕えておけ⋯何か情報を知ってるかもしれない」
「げはっ! ⋯く⋯そ⋯」
<アサシン>の男に闇魔法を当てて気絶させる。
見た感じただのごろつきだけど“闇に蠢くもの”の情報を少しでも持っていたら儲けものだ。
残りは炎帝とその周りにいる帝国の正規軍のような連中だけ⋯今回は死神騎士の姿はない。
少し膠着状態となり、クロードが炎帝と会話をはじめた。
「さて、炎帝さんよ。⋯どうする、あんたの軍はもうそれだけだが?」
「知れたこと、退かせてもらう」
「⋯なあ、教えてくれ。紋章石を使って何をするつもりなんだ? フレンの血を使って何をした? クロニエやソロンってのは何者だったんだ?」
「⋯黙れ。貴様が知る必要はない」
敵の形勢は不利なので炎帝たちは撤退しそうだ⋯紋章石を奪うために来たのはわかるが、戦力が足りなかったな。
成功すると思ってきたのか疑問が残る。
クロードと炎帝は会話を続けた。
「つれないねぇ⋯無愛想なのは仮面のせいか? 逃げる前にその仮面の下を見せてくれないかね」
「我が見せると思っているのか?」
「ならその仮面の下の素顔⋯当ててやろうか? ⋯エーデルガルト、お前なんだろ?」
「⋯⋯⋯⋯」
炎帝が⋯エーデルガルト? ⋯クロードは何を言っているんだ?
いや、そんなはずはない⋯冗談に違いない⋯
「最初の課外授業で俺たち級長が襲われた時から⋯いや、それよりずっと前から教団を倒すために活動してたわけだ。⋯お前にとっての誤算は先生とオーディンたちの存在か」
「見事ね、クロード。⋯正体を見破られるとは思っていなかったわ」
炎帝がそっと仮面を外す⋯その素顔は、クロードの言った通りエーデルガルトだった。
一瞬、エーデルガルトと目があったがすぐに逸らされた。
⋯そんな⋯炎帝がエーデルガルトだったなんて⋯全く気づかなかった⋯
「誤算は貴方の存在もそうよ、クロード。
「お褒めに預かり光栄だな」
「エーデルガルト、貴女の目的は何?」
「先生⋯貴女にそれを話したら、私の味方になってくれる?」
「⋯おそらく、ならないね」
「⋯そう。貴女ならそう言うと思っていたわ」
エーデルガルトとクロードに先生も加わり会話を続けているが⋯ダメだ頭に入ってこねえ⋯
炎帝がエーデルガルトだったのなら、ロナート卿に反乱を仄めかしたのも、聖廳で棺の中を奪おうとしたのも⋯フレンを誘拐の黒幕も全てエーデルガルトか。
俺たち三人の正体と使命をエーデルガルトに明かしてしまったのは、間違いだったのかもしれない。
後方にいたレア様が現れる⋯その表情は今まで見たことがないくらい怒りに満ちていた。
「残念です、エーデルガルト。フレスベルグの裔たるあなたが聖教会を裏切ることになろうとは⋯」
「裏切ったつもりはないわ。始めから⋯信じる道などなかった!」
「⋯ベレス。エーデルガルトを斬りなさい。今、すぐに。この者はフォドラの災厄。主は、この叛徒が生き続けることを決して許しはしません」
レア様が先生に命令する。
先生が構え、敵兵を囲んでいた味方の弓兵や魔法兵が攻撃を準備する。
エーデルガルトを殺さなければいけないのか?
「⋯ヒューベルト!」
エーデルガルトのそばにヒューベルトが転移魔法で現れ、また即座に転移魔法で消えた。
同時に弓矢と魔法が放たれるが、次々と撤退していく敵兵の一部を倒したようだがほとんどの者に逃げられたようだ。
エーデルガルトが逃げてくれたこと⋯殺さなくても済んだことに少し安心した。
「どこへ逃げようとも、セイロス聖教会が総力を挙げて、必ずあなたを捕えます! あなたはこの聖墓を穢し、主を貶め、同胞たちを辱めたのです。その罪はたとえ煉獄の炎で焼かれようと、すべての血を流そうと、消えません」
レア様は怒りを抑えられずに、エーデルガルトが消えた後も話している。
⋯いや、これは周囲の教団兵に向けた演説か⋯
棺の中に紋章石があったことと、
「ベレス、儀式は中止します。上に戻り、今後の方針を立てましょう」
レア様はそう言うと立ち去っていった。
周囲の生徒たちも戦いの緊張感から解放されたことと、エーデルガルトが敵だったことへの動揺で一気にざわざわしはじめた。
口々にエーデルガルトが炎帝だったことに対する驚きや困惑の声をあげている。
クロードが話しかけてきた。
「オーディン、大変なことになっちまったな」
「大変どころの騒ぎじゃないぞ⋯これからどうなるんだ」
「予感がするよ、オーディン。歴史が動く⋯動乱の時代が訪れるぞ」
こうなってしまってはセイロス教団とアドラステア帝国の対立は免れることはないだろう。
⋯戦争が起きるのか。
オーディンが二刀流を使えるのはサイファのウード絵からです。