はぐれ悪魔と二匹の旅絵巻 作:エイセイゼア-
「凶れ」
追ってきた悪魔をアイツらが俺に付けた目玉の力を使って周りの地面ごと抉ることで一網打尽にする。
「……クソが」
抉られた地面を一瞥し俺の目的を思い出す。
※※※
むさくるしい夏の日。
俺は叔父の家で腐れ縁の幼馴染二人と縁側で涼んでいた。
「やっぱ三河のおじさん家って夏休み過ごすのにうってつけだよな〜」
「うっせ、おじさんが許可とってくれたから泊まりに来てるだけで絶対に迷惑かけんなよ?」
「それはもちろん。アキちゃんの迷惑にはならないつもりでいるよ」
「へーへー」
そこにおじさんが4人分に切り分けられたスイカを持ってきた。
「お待ちどうさま。
「そうは言っても……」
「夏寿さんの言う通りだー、そんなに気負うなー」
「そーだそーだ」
「子どもは子どもらしくしろー」
「おじさんも一緒になって遊ぶのやめない!?」
「ははっ、ごめんごめん。じゃあスイカを食べようか。お塩いるかい?」
毎年、俺は
「私は大丈夫ですー」
ホワホワしてるのは腐れ縁Aの
「俺は頼みます」
そしてこっちが話が通じない方の腐れ縁。
「秋杜くんはどうする?」
「んー……ならなしで」
「うん。わかった」
さてと……スイカを食べたあとは夏休みの宿題でも……
俺は呑気にそう思った。そんな時だった。
おじさんのお腹に大きな穴が空いたのは……
「……え?」
おじさんは俺の方に倒れるふし穴から血をドバドバと出している。
「素養のない人間は要らねぇーなぁ。ただ、そこのガキンチョ3人は確保だ。主は強大な力を持つやつを眷属に欲している。それがまだ自分意識が浸透してない子どもなら尚更だぁ……」
すぅと突然現れたそれは大きな筒をポンポンと叩きながらそういった。
「というわけだ。主のための奴隷になってくれや」
「……いや」
雪羽が俺の手を握る。白梅はそいつはギリッと睨んでいた。
「……あい……にく、怪しい大人にはついて行くなって散々言われてるからな。断る」
俺は何とか言葉を絞り出す。
「そ、そうだ!それに人殺しておいてこのまま無事で済むと思うなよ!」
「無事ですんじまうんだわ、それが」
それは背中からコウモリのような黒い羽を出現させた。
「俺は悪魔様だからなぁ?人間のケーサツなんかじゃ俺一人捕まえることなんざ出来ねぇ。それにお前たちも呆気なく俺に攫われてお終いだ」
ジリジリと近寄ってくる。
近寄っちゃいけないと何故か考えてしまう。だけど体は思うように動かない。
それは隣にいる雪羽も同じだった。
だが
白梅は違った。
「近寄るな犯罪者!」
白梅はあろう事か悪魔に体当たりをした。まだまだ子どもの俺たちの体当たり程度では微塵も悪魔の体は動かなかった。
だけど、その行動で俺たちの体は意識を取り戻したかのように動けるようになった。
「あぁん?」
「俺がこいつを食止める!三河と安堂は逃げろ!」
「邪魔すんなよジャリガキ!」
悪魔は白梅の頭をつかみ無造作に投げた。
「見るな!」
俺は咄嗟に雪羽の視界を覆った。次の瞬間。
白梅は庭に猛烈な勢いで飛んでいき、赤いラインを地面に引きながら壁に激突した。
「あーあー。やっちまった。死んだなありゃ。あの様子だと粗挽きミンチってところか?
まるで宿題の問題を間違えたような軽さで悪魔はそういった。
「お前……なんなんだよ……何がしたいんだよ!」
「あーはいはい。俺はお前らを誘拐したいでちゅよ」
悪魔がそう言うと視界が暗転した。
そして視界に色がすぐ様戻る。するとそこには宙に浮かぶチェスの駒と無数の宝石。それと銀のトレイの上には
俺の眼球が置かれていた。