異世界料理人   作:孤独なバカ

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アンケートは明日の昼までになります。
あと報告ですが私は基本感想欄の感想には返信させてもらいますがメッセージに対応できるほど器用ではありません。
すいませんが感想欄での応答をお願いします


奈落の底の吸血鬼

「「「すみません、間違えました」」」

 そう言ってそっと扉を閉めようとする隼人たち。それを金髪紅眼の女の子が慌てたように引き止める。もっとも、その声はもう何年も出していなかったように掠れて呟きのようだったが……

ただ、必死さは伝わった。

「ま、待って! ……お願い! ……助けて……」

「嫌です」

 

そう言って、やはり扉を閉めようとするハジメ。言ったらなんだけど鬼である。

 

「ど、どうして……なんでもする……だから……」

 

女の子は必死だ。首から上しか動かないが、それでも必死に顔を上げ懇願する。

しかし、ハジメは鬱陶しそうに言い返した。

「あのな、こんな奈落の底の更に底で、明らかに封印されているような奴を解放するわけないだろう? 絶対ヤバイって。見たところ封印以外何もないみたいだし……脱出には役立ちそうもない。」

「まぁ。そうよねぇ。外にガーディアンを出すくらいだし。」

「なんで封印されたのは気になるところだけどな。というわけで。」

 

と扉を閉めようとすると、もう泣きそうな表情で必死に声を張り上げる。

 

「ちがう! ケホッ……私、悪くない! ……待って! 私……」

 

知らんとばかりに扉を閉めていき、もうわずかで完全に閉じるという時、

 

「裏切られただけ!」

もう僅かしか開いていない扉。

しかし、女の子の叫びに、閉じられていく扉は止めてしまう。ほんの僅かな光だけが細く暗い部屋に差し込む。

 

「助けるか。」

 

隼人の言葉に二人黙って聞き始める

 

「敵意があったら殺せばいい。……でも俺たちは檜山によって殺されかけた身だろ。……同じようなことをしているようであのままだったらさすがに罪悪感が……。」

 

あの時の首謀者については話してある。ついでに俺の落下の時の視線から優花も気づいていたらしいが、まぁどうでもいいって様子だった。ハジメも俺の目撃論に一瞬頰が引きつったものの原因であるだろうハジメが昨晩に白崎と会合したことを告げられていた

 

「私も助けたいかな。……困っている人を助けないと多分向こうに戻っても後悔すると思うから。」

「……はぁ。まぁ俺も見過ごせないし理由を聞いてからだな。」

 

すると少し笑ってしまう。ハジメは口調や態度は変わっても本来のハジメは未だに変わっていないんだと

そうやって俺たちは戻ると驚いたような少女の姿がいる

 

 ハジメは頭をカリカリと掻きながら、女の子に歩み寄る。もちろん油断はしない。

 

「裏切られたと言ったな? だがそれは、お前が封印された理由になっていない。その話が本当だとして、裏切った奴はどうしてお前をここに封印したんだ?」

 

ジッと、豊かだが薄汚れた金髪の間から除く紅眼でハジメを見つめる。何も答えない女の子にハジメがイラつき

「おい。聞いてるのか? 話さないなら帰るぞ」と言って踵を返しそうになる。それに、ハッと我を取り戻し、女の子は慌てて封印された理由を語り始めた。

 

「私、先祖返りの吸血鬼……すごい力持ってる……だから国の皆のために頑張った。でも……ある日……家臣の皆……お前はもう必要ないって……おじ様……これからは自分が王だって……私……それでもよかった……でも、私、すごい力あるから危険だって……殺せないから……封印するって……それで、ここに……」

 

枯れた喉で必死にポツリポツリと語る女の子。話を聞きながら隼人は呻いた。なんとまぁ波乱万丈な境遇か。しかし、ところどころ気になるワードがあるので、湧き上がるなんとも言えない複雑な気持ちを抑えながら、ハジメは尋ねた。

 

「お前、どっかの国の王族だったのか?」

「……(コクコク)」

「殺せないってなんだ?」

「……勝手に治る。怪我しても直ぐ治る。首落とされてもその内に治る」

「……そ、そいつは凄まじいな。……すごい力ってそれか?」

「これもだけど……魔力、直接操れる……陣もいらない」

「…それって私たちと同じってこと?」

「そうらしいな。」

 

すると優花と俺の言葉にその少女が驚く

 

「でもこれ。俺と優花じゃ無理そうだぞ。魔力を流しても多分無理。恐らく古代魔法の一つだと思う。」

 

魔法陣を指差し俺が告げるとハジメが苦い顔をする

 

「……つまり俺の錬成じゃないと厳しいってことか?」

「一応出してみるけどな。」

 

俺は近づき魔力を出してみる。すると

 

バチッ。

 

と恐らく雷魔法の一つ反発する

 

「触れた途端こうなるからな。魔力を半分使っての錬成で強制離脱させた方が負担は少ないんじゃないか。それで助からなければまた日を改めればいいだけだし。」

「助けてくれるの?」

「ここまで聞いちまったらさすがに見過ごせるほど墜ちてはいねぇよ。」

「えぇ。えっと私はどうすればいい」

 

すると涙目を向ける少女に俺たちは少し笑う

 

「俺と優花は周囲の警戒だろうな。こいつを助けたら敵が襲ってきたとか結構ベタだし。」

「あ〜確かにお約束だな。」

「……前から思っていたけど、隼人もハジメから結構影響受けているよね。中学の頃はライトノベルとか読まなかったのに。」

 

と少しため息を吐きながら了解と周囲の警戒に入る

 ハジメの魔物を喰ってから変質した赤黒い、いや濃い紅色の魔力が放電するように迸る。

 しかし、イメージ通り変形するはずの立方体は、まるでハジメの魔力に抵抗するように錬成を弾いた。迷宮の上下の岩盤のようだ。だが、全く通じないわけではないらしい。少しずつ少しずつ侵食するようにハジメの魔力が立方体に迫っていく。

 

「ぐっ、抵抗が強い! ……だが、今の俺なら!」

 

ハジメは更に魔力をつぎ込む。普通の王宮魔導師ならば10人がかりで詠唱していたのなら六節は唱える必要がある魔力量だ。そこまでやってようやく魔力が立方体に浸透し始める。既に、周りはハジメの魔力光により濃い紅色に煌々と輝き、部屋全体が染められているようだった。

ハジメは気合を入れながら魔力をつぎ込む。属性魔法なら既に上位呪文級、いや、それではお釣りが来るかもしれない魔力量だ。どんどん輝きを増す紅い光に、女の子は目を見開き、この光景を一瞬も見逃さないとでも言うようにジッと見つめ続けた。

そして丁度半分に達した時女の子の周りの立方体がドロッと融解したように流れ落ちていき、少しずつ彼女の枷を解いていく。

 それなりに膨らんだ胸部が露わになり、次いで腰、両腕、太ももと彼女を包んでいた立方体が流れ出す。一糸纏わぬ彼女の裸体はやせ衰えていたが、それでもどこか神秘性を感じさせるほど美しかった。そのまま、体の全てが解き放たれ、女の子は地面にペタリと女の子座りで座り込んだ。どうやら立ち上がる力がないらしい。

 

ハジメに任せるか

 

俺は気配感知と魔力感知に集中する。深く目を閉じるとすぐに気づく

 

「…優花。上だ!!」

「…っ。」

 

やっぱりいたか。

俺はすぐさま空力を使い上に跳んでいく。

空力は空中に足場を作る固有魔法だ。

 

俺はそうやって少しだけ近づき夜目と遠目を使い正体を当てる

その魔物は体長五メートル程、四本の長い腕に巨大なハサミを持ち、八本の足をわしゃわしゃと動かしている。そして二本の尻尾の先端には鋭い針がついていた。

恐らくハジメはあの吸血鬼の治療で動けないだろう。

なら俺たちが倒せばいいだけ

 

「優花。後ろの尻尾に気をつけろ。空中戦にするぞ。」

「えぇ、いくわよ。」

 

俺は少し離れそして空力で土台を作り背負っているヘカートをセットする

俺が片目になった影響か一つの目の影響も見えない

スコープを使うことで遠くのものを狙う狙撃銃を制作改良し貫通特化のスナイパーライフルを製作してもらったのだ。

レールガンの応用であり、ハジメは電撃で攻撃するのに対し俺は熱でこの技術を使っていき、魔力をつぎ込んでいく。

ただのレールガンの50倍の威力で貫通力に優れている

優花は陽動に優れており、基本的に斥候に近い。

ナイフを使った陽動は近づいてきた敵を一定の距離に保つことができている

 

「ふぅ。」

 

そして優花が引きつけているうちに引き金を絞る。魔力が集中していき、たった一点に魔力のレーザーが照射される。

白い炎のレーダーが直撃し一瞬でサソリの外殻を貫いた

 

「一丁あがりっと。」

 

俺は落下していくサソリを見ながら、ヘカートを担ぎ直した。




武器解説

ヘカート

ハジメが作ったレーザー光線銃で愛用者は隼人。隼人曰く恐らくS○Oのシノンの武具を参考にしているとのこと
射程範囲10kmを誇るがかなり巨大で消費魔力がずば抜けて多いため隼人の専用武具になっている。
魔力をためた量により威力が変わり、巨大ではあるが射程外から放てるレーダーはサソリもどきを一撃で葬れるほど
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