異世界料理人   作:孤独なバカ

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結構ストックに余裕があるのでクリスマスプレゼントがわりにあと一話投稿しま〜す。
おそらく10時頃あげる予定です


新たな旅へ

「あぁ〜生き返る。」

 

風呂にゆっくり浸かると俺は明日からまた来た道を引き返し、地下を目指すことになる。

ハジメは少し俺の料理を食べれないことにショックをうけていたのだがマッピングをしていたこともあり、恐らく二週間近くあれば戻れるだろう。

 

だからせっかくのお風呂なので今日くらい一人で入れるように頼んだのだった。

 

月に変わり淡い光を放つ様を、俺は風呂に浸かりながら全身を弛緩させてぼんやりと眺めていた。奈落に落ちてから、ここまで緩んだのは初めてである。

 

全身をだらんとさせたままボーとしていると、突如、ヒタヒタと足音が聞こえ始めた。

 

「ん〜ハジメか?」

 

だら〜とブラブラとしている。ユエにでも襲われたから逃げてきたのかなと思いつつも、せっかく一人で入れると思ったのにと愚痴を言おうとしたところで

 

俺は絶句して体が硬直した。

 

「……失礼します。」

「……」

 

声が出なかった。隼人が見た先では恥ずかしげに顔を茹蛸のように真っ赤にして優花が湯船に浸かろうとしていた。

体型が整っており、大きいとは言えないがしっかりと膨らんでいる胸は少し大きめのバスタオルで隠されているがそれが余計に大人っぽさを強調する。それに恥ずかしげにしているのがさらに理性を削るのだがなによりもその可愛さに隼人は優花に見とれてしまった。

 

「隼人。さすがに見られると恥ずかしいだけど。」

「…えっ、あっ、わ、悪い。」

 

俺は顔を背けてしまう、なんで風呂に入って来ているのかとか使用中の看板を立ててなかったのかという思考はどこへやら、ただ恥ずかしさが隼人に押し寄せる、元々優花のことを好きだと断言している隼人だが恋愛経験はゼロである、なのでこんな時はかなりテンパりやすくなるのだ。

それは優花も同じだった。ユエから進言されてお風呂場に突入したのはあの時のお礼と、あの時の言葉に答えるのが目的だったのだが、お互いに照れてしまい話せないでいる。

ちゃぽんと水温が聞こえる。

でも、隼人はその雰囲気で冷静さを呼び戻し、

 

「優花。」

「ひゃ!?」

「…いや、体洗いたいから少し向こう向いておいてって。」

「えっ。あっうん。いいわよ。」

 

明らかに動揺している優花に隼人は苦笑してしまう。

隼人も大体は優花が何をしにきたのかわかっていたのでただ待つことにしたのだが、

すると顔を真っ赤にしながらじっと見つめている優花がいた。

 

「あの、そんなに見ないで。さすがに俺も恥ずかしいから。」

「えっ?あっうん。ご、ごめん。」

 

どこかでしたようなやりとりになんとなくいたたまれなくなるが、優花が少し決心したように、恥ずかしげに小さな声で呟いた。

 

「……ありがとね。」

 

小さい声だったが確かに聞こえた声に俺はつい聞き返してしまう。

 

「ん?」

「ほら。あの時。隼人は覚えてないかもしれないけど。」

「……あぁ。もしかしてベヒモスの時のことか?」

「……」

 

無言の肯定だろうか。少しだけ魔法で体を流している水音しか聞こえない。

あの時のことは俺も覚えている。

 

「……ねぇ、あの時のこと本当?」

「本当だよ。体が勝手に動いていてもたってもいられなくて」

「そ、そう。」

 

と言ったきり少しだけ黙りこんでしまう。そして、風呂に入った時に

 

「私も隼人が……好き……だよ。」

「……」

 

優花から聞こえる声に少し分かっていたことだったが胸が熱くなる。

……正直風呂場でいうことではないと思うのだが四人暮らしをしていると中々二人っきりになる機会がないので苦渋の策だったのだろう。

 

「…あ〜……ん、俺も優花のことが好きだよ。……ずっと好きだった。」

「う、うん。」

「俺と付き合ってください。」

 

すると涙を流しながら頷く優花。

いい雰囲気ではあるのだがお風呂でやることではないと後々隼人も優花も思い直し悶絶し黒歴史になったことは言うまでもないことだが、これをきっかけに隼人はある誓いをたてるのだがそれはまた別の話。

 

 

あれから一ヶ月後が経ち

 

「お〜い。準備できたか!!」

「こっちはできてるぞ。」

「ん!!」

「えぇ。こっちもできてるわ。」

 

俺たちは魔法陣の前に集まっていた。

トータスにきてから3ヶ月が経った今日、俺たちはついに地上に向かうことにしたのだ。

 

とりあえず今のステータスはというと

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:???

天職:錬成師

筋力:20950

体力:20190

耐性:20670

敏捷:20450

魔力:20780

魔耐:20780

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成][+圧縮錬成]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚][+瞬光]・風爪・夜目・遠見・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・恐慌耐性・全属性耐性・先読・金剛・豪腕・威圧・念話・追跡・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・限界突破・生成魔法・言語理解

 

須藤隼人 17歳 男 レベル:???

天職:料理人

筋力:20030

体力:20200

耐性:20400

敏捷:14500

魔力:55109

魔耐:16210

技能:料理[+食物鑑定][+レシピ作成][+料理][+肉質変化][+体型管理][+成分表示][+研究][+体調管理][+無毒化][+万能料理][+神舌]・解体 [+血抜き][+良質素材][+速度上昇][+自動化]・包丁術・神眼・狙撃・投擲術[+必中]・胃酸強化・痛覚耐性・天歩[+空力][+縮地][+豪脚][+瞬光]・風爪・状態異常耐性・全属性耐性・気配遮断・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作][身体強化][+部分強化][+変換効率上昇II][+集中強化][+効率上昇][+同時展開]・火属性魔法[+消費魔力減少] [+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動]・水属性魔法[+氷属性魔法][+消費魔力減少] [+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動][+付加発動]・風属性魔法[+消費魔力減少] [+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動]・土属性魔法[+消費魔力減少] [+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動・]回復魔法[+効果上昇][+回復速度上昇][+イメージ補強力上昇][+浸透看破][+範囲効果上昇][+遠隔回復効果上昇][+状態異常回復効果上昇][+消費魔力減少][+魔力効率上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動][+付加発動]・高速魔力回復[+瞑想]・複合魔法・纏火・先読・金剛・豪腕・威圧・念話・追跡・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・限界突破・生成魔法・言語理解

 

神眼;探知系+鑑定+見切り+先読を極めたもの。全ての効果範囲を倍増。隠蔽、気配遮断が無効化される

 

園部優花 17歳 女 レベル???

天職 投術師

筋力:20000

体力:23500

耐性:22500

敏捷:20200

魔力:23900

魔耐:22100

技能:投擲術[+必中][+飛距離上昇][+威力上昇]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]火属性適正[+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動]・水属性魔法[+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+連続発動][+複数同時発動][+遅延発動]・天歩[+空力][+縮地][+豪脚][+瞬光]・風爪・夜目・遠見・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・恐慌耐性・全属性耐性・先読・金剛・豪腕・威圧・念話・追跡・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・氷結・限界突破・生成魔法・言語理解

 

となっている。なんで全員が2万台で成長が止まっているのかというと、まだ成長できるのだが俺がステータスを伸ばしすぎると生活に支障が出る可能性があるんじゃないかと伝えたところ、2万あたりでステータスを伸ばさないように、俺たちは全員毒抜きの魔物肉を食べることになった。俺の魔力が5万を過ぎているのはライセン大峡谷では魔力の分解能力が働く事が関係あるからだ。その話をした時ユエがほぼ使い物にならない可能性が高いとハジメが無神経な発言をしたことにより、一週間の間口を利いてくれなくなったことは言うまでもなかった。

そのユエとハジメは一週間前結ばれた。一時期は白崎のことを気にしていたわけだが、優花が

 

「それなら二人とも付き合えばいいじゃない。」

 

という言葉に隼人たちは絶句してしまった。というのも優花はハジメは白崎とユエ同時に好きになっているんじゃないかと話していた。まぁ、隼人もハジメが白崎を想っている気持ちは本物だと思うけど、ユエを想う気持ちも本物だと俺たちは感じていたのだ。

後々優花に聞いたところ、隼人への布石でもあったらしい。クラスの中でも隼人を想っている人が多いことと天然たらしの性格は絶対に女性を引っ掛けると。

実際その通りになるのだから女性の勘とは怖いものだ。

優花と隼人は付き合い始めたばっかりのような甘い日常を送っていた。

手をつないでもいいのか悩んだり、優花がもっとキスをしたいと思っていたが言い出せなかったり。

ハジメがクソ甘そうに俺たちを見ていたり、

優花の相談役のユエがじれったくて一度一日中俺に説教をしたほどだった。

まぁ優花はなぜか夜に関することだけ積極的だったのだが。これも独占できる時期が少ないと気づいていたからだろうか?

その優花は神水を取りに行った後の一ヶ月はほとんど書斎に篭っていた。

というのも神と戦うことが決まっている以上、僅かな情報でも欲しいということだった。

 

 隼人は適正のある土と風の魔法を覚え、それを伸ばしつつ鑑定系や見切りなども伸ばした。神眼を手にいれた時は情報量の大きさから半日くらいぶっ倒れて目が覚めた時は号泣され心配をかけてしまった。

 また神眼を手にいれてからは隼人は眼帯をしていた方の目を義眼に変えている。

と言うのも片目では情報量が多すぎて処理が追いつかず眼の痛みが続いたのが問題だった。多くの情報を捉えるのは人間族の目ではいくらチートスペックがあっても管理しきれなかったのである。そもそも生成魔法では、生身の〝眼球〟を創る事はできなかった。しかし、生成魔法を使い神結晶に〝魔力感知〟〝先読〟を付与することで通常とは異なる特殊な視界を得ることができる魔眼を創ることに成功した。

 これにハジメが失った手を補うための義手に使われていた擬似神経の仕組みを取り込むことで、魔眼が捉えた映像を脳に送ることができるようになったのだ。魔眼では、通常の視界を得ることはできない、その代わりに魔力の流れや強弱、属性を色で認識できるようになった上、発動した魔法の核が見えるようにもなった。

情報量の多くが片目に集まっているためにかなり重要だった。

 

 魔法の核とは、魔法の発動を維持・操作するためのもの……のようだ。発動した後の魔法の操作は魔法陣の式によるということは知っていた、ではその式は遠隔の魔法とどうやってリンクしているのかは考えたこともなかった。実際、ハジメが利用した書物や教官の教えに、その辺りの話しは一切出てきていない。おそらく、新発見なのではないだろうか、魔法のエキスパートたるユエも知らなかったことからその可能性が高い。

 通常の〝魔力感知〟では〝気配感知〟などと同じく、漠然とどれくらいの位置に何体いるかという事しかわからなかった。気配を隠せる魔物に有効といった程度のものだ。しかし、この魔眼により、相手がどんな魔法をどれくらいの威力で放つのかを事前に知ることができる上、発動されても核を撃ち抜くことで魔法を破壊することができるようになった。ただし、核を狙い撃つのは針の穴を通すような精密射撃が必要ではあるが。5km以上にもなる俺の狙撃は義眼にしたことによりさらに精度が上がっていたりする。

 神結晶を使用したのは、複数付与が神結晶以外の鉱物では出来なかったからだ。莫大な魔力を内包できるという性質が原因だとハジメは推測している。未だ生成魔法の扱いは未熟の域を出ないので、三つ以上の同時付与は出来なかったが、習熟すれば、神結晶のポテンシャルならもっと多くの同時付与が可能となるかもしれない。

 ちなみにこの魔眼、神結晶を使用しているだけあって常に薄ぼんやりとではあるが青白い光を放っている。隼人の右目は常に光るのである。こればっかりはどうしようもなかったので、眼帯を常用している。……厨二くさかったので速攻で髪を黒く染めたのは言うまでもないが。

 

 そして俺にとって何よりなのは自分の宝物庫を持てるようになったことだった。

二つの宝物庫があり、本当は優花に持たせようと思っていたんだが、冷蔵庫とオーブンを制作したことにより大きく予定が変わったのだ。ガンランスの他にスナイパーライフルへカート、イーグレットは流石に大きいし、食材の買い集めや料理器具は基本俺が持つことになる。

 まぁその分弾丸なども大量に入れざるを得なかったのだが

 ついでに神水が試験管100本、神結晶の装備が入っていたりする。

 隼人と優花がもう一度最初の場所に戻った時とある蹴りうさぎが神水を占拠していた。

 元々奪おうとしたのだが、鑑定で調べると明らかにその蹴りうさぎは強く、倒すのはちょっとリソースを減らしてしまう可能性があったので諦めようと思ったのだが20層くらいで魔物と戦った時、魔力量が高過ぎたせいで壁を壊してしまったのだ。その時に運がよく神結晶が一層ほどではないがあったのが幸いし、尽きるまで試験管に入れ続けたという経緯がある。

 そこで、ハジメは、神結晶の膨大な魔力を内包するという特性を利用し、一部を錬成でネックレスやイヤリング、指輪などのアクセサリーに加工した。そして、それを俺とユエに贈ったのだ。ユエは強力な魔法を行使できるが、最上級魔法等は魔力消費が激しく、一発で魔力枯渇に追い込まれる。しかし、電池のように外部に魔力をストックしておけば、最上級魔法でも連発出来るし、魔力枯渇で動けなくなるということもなくなる。

なおそれをユエに〝魔晶石シリーズ〟と名付けたアクセサリー一式を贈った時


 

「……プロポーズ?」

「なんでやねん」

 

 ユエのぶっ飛んだ第一声に思わず関西弁で突っ込むハジメ。

 

「それで魔力枯渇を防げるだろ? 今度はきっとユエを守ってくれるだろうと思ってな」

「……やっぱりプロポーズ」

「いや、違ぇから。ただの新装備だから」

「……ハジメ、照れ屋」

「……最近、お前人の話聞かないよな?」

「……ベッドの上でも照れ屋」

「止めてくれます!? そういうのマジで!」

「ハジメ……」

「はぁ~、何だよ?」

「ありがとう……大好き」

「……おう」

 

と、いちゃつき始め隼人と優花が空気を読み離脱した後にコーヒーに似たマイルセッカを飲むことになったのは言うまでもないが。

というわけで隼人たちはなんやかんや、いちゃつきながらオルクス大迷宮で過ごした一ヶ月半であったのだ。

 

「ん〜とりあえずおさらい。俺の武器や俺達の力は、地上では異端だ。聖教教会や各国が黙っているということはないだろう」

「兵器類やアーティファクトを要求されたり、戦争参加を強制される可能性も極めて大きい」

「教会や国はまだしも、バックの神を自称する狂人達も敵対するかもしれないしね」

「……世界を敵に回すかも。」

 

分かっているじゃん。するとハジメが笑って獰猛な笑みで続いた

 

「だけど俺たちは全員で故郷に帰る。大切なものは全部手に入れる。力で。知識で。全てを手に入れる。わがままだってどんどん言え。そして俺が、お前らがみんなを守る。逆らう奴は敵だ。それで俺達は最強だ。全部なぎ倒して、世界を越えよう」

「了解。」

「えぇ。もちろん。」

「ん!」

 

誰もが夢見る故郷への帰還。新しい旅が始まろうとしていた

 魔法陣の光に満たされた視界、何も見えなくとも空気が変わったことは実感した。奈落の底の澱んだ空気とは明らかに異なる、どこか新鮮さを感じる空気に頬が緩む。


やがて光が収まり目を開けたハジメの視界に入ったものは……

 

 洞窟だった。

 

「なんでやねん」

 

魔法陣の向こうは地上だと無条件に信じていたハジメは、代わり映えしない光景に思わず半眼になってツッコミを入れてしまった。正直、めちゃくちゃガッカリだったらしい。

 

「……秘密の通路……隠すのが普通」

「そうね。いきなり地上にでたらさすがにみんな驚くわよ。」

「ライセン大峡谷に人がいるとは思えないけどな」

「あ、ああ、そうか。確かにな。反逆者の住処への直通の道が隠されていないわけないか」

 

としまらない形で俺たちは洞窟を走っていった。




原作との変更点

ユエとハジメの恋人になる時期
香織も受け入れていること
ハジメの義眼を隼人に変更
宝物庫を二つに変更
神水と神結晶の増加
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