「愛子様バンザーイ。」
「愛子様バンザーイ。」
「女神様、万歳!」
「女神様バンザーイ。」
「……どうしてこうなった。」
隼人が防壁の上に上がると扇動を頼んだとはいえ明らかに信仰対象を愛子に変えている町の住人に隼人は少し恐怖を覚える。
遠くで、愛子が顔を真っ赤にしてぷるぷると震えている。その瞳は真っ直ぐにハジメに向けられており、小さな口が「ど・う・い・う・こ・と・で・す・か!」と動いているのだが
「……まぁほっとくか。」
「お前も大概だな。どうせお前の仕業だろ?」
「正解。ってか幸利はここにいていいのか?」
「どうせ翌日から旅立つだろうし俺はここで隼人を見ておく。お前が調子に乗る時は大抵大事な人を守る時だからな。」
よく、わかっていると幸利に苦笑してしまう隼人。
隼人の癖は熟知している幸利は知っているはずだ。
そしてしばらく経ったうちに敵の大群が近づいてくる。
目を瞑りそして一瞬の間ができ緊張感が走るがたった一声でその状況は一変した。
「煉獄。」
一瞬のうちに目の前が業火に包まれる。一瞬のうちに焼け野原になっていき魔物は火の渦に巻き込まれる。一瞬蹴落とされたようにしていたが次に現れたのは氷でできた数百もの鳥の姿だったであった。
優花思案の魔法氷鳥
当たった瞬間炎ごと凍らせてしまう冷気に今度はユエと隼人が合わせる。
ユエの詠唱と同時に迫る魔物の頭上に、渦巻く闇色の球体が出現する。薄く薄く引き伸ばされていく球体は魔物達の頭上で四方五百メートルの正四角形を形作る。そして、太陽の光を遮る闇色の天井は、一瞬の間のあと眼下の魔物達目掛けて一気に落下した。
それと同時に発射されたのは隼人のレーザーと呼べるくらいに輝く熱線である。
ほんの数センチ一直線に飛んだと思うと白色の炎が全てを火に包み込む。
消費魔力を抑えながら戦うティオは特に隼人の魔法に驚きを隠せなかった。
500年以上生きていたが魔法構築に限っては吸血姫や妾よりもうまいじゃと?
魔法の操作にほとんど無駄がなく2000体以上巻き込んで殺しているユエの魔法よりも消費魔力が少ないにもかかわらず一度に損害を与えているのはおよそ4000体に及ぶ。優花と呼ばれた少女が足を止め、そして攻撃魔法が得意の隼人とユエがとどめをさす。迷宮内でも同じように戦ってきたのだ。
魔法構築時間が明らかに短い。それも無詠唱で明らかに破壊力が他よりも桁違いに高い。
「へぇ〜ティオさんもやるじゃん。」
「お主一体なにものじゃ?」
ティオの言葉に少し焦りが含まれているのだがそれに少し笑みを浮かべる隼人。
「俺は須藤隼人だって。何者かはお前が決めてくれ。」
隼人がそう言った途端
白い花がと淡い光が隼人の周りに浮かび出す
色は桃色ではないがサクラであることには幸利は分かっていた
それは隼人が一番好きな花であり一番妹の美帆と車椅子を押しながら二人で見に行く花だったからだ
「
花びらがちり幻想的な光と共に敵に襲いかかる
一つ一つが緩やかな風に流され桜吹雪のように舞っている
これは隼人の水魔法で作った桜の細工である
当然それがただの景気でないことは分かっているが攻撃をしていた優花たちも相手も言葉を失ってしまう。
夜が近く灯が夜桜のように舞い光と共に幻想的な風景が広がっていたからである。
ただそこからが魔法の戦略の恐ろしさだ。
光や敵に触れた瞬間魔物が倒れていく。
魔人族の一人がその異常さに気づき声を出そうとするが既に遅かった。
目眩となぜか体が重くなっているのが感じている
下には煙が舞っていてさらにその煙に触れていたところは石化していたのだ。
するとその魔人族は気づいてしまう
この光景は石化魔法のため囮であると
事実このサクラの絵柄はただ魔法で作った風景でしかなく無害な魔法である
光に触れた瞬間何か急激に体から何かが抜けていくように感じる回復魔法応用魔法 生命吸収
生命力を吸い取り隼人の魔力に変換されていく
吸収する魔力よりも発動するための魔力の方が多いためあまり使いたがらないが威力は十分なので今回差を広げるためになった。
そして魔物や魔人族がまた一人また一人と倒れていき
一時間もかからずにそれも余力を残して全ての敵を蹴散らす結果になった。
「……ほい。おっしまいっと。」
「あっけないな。」
「相性の問題でしょ?私たちは元々広範囲攻撃で押し切る魔法型が多いしこういう少数対多は慣れているのよ。」
「幾ら何でも迷宮の魔物よりは格段に弱いからな。」
「……それを簡単に言える隼人たちの感覚が狂っているんだろ?」
まじかに見た幸利はわかってしまう。
もはや隼人たちは、別格だと。
天之河が何人いようが勝てることはない。
特に隼人が言うにはハジメの武器は個人戦に優れているものが多いと聞いている
即ち弱点が見つかることは少ないだろうな
「……無茶苦茶じゃのう。」
「伊達に迷宮攻略者名乗ってないさ。まぁ終わったことだし後は残党探しか。シア、ハジメ。残り全員殺しといて。」
「はい。分かりました!!」
「あぁ。了解。」
「それと優花。」
優花が隼人の方を向こうとした時隼人はギュッと優花に抱きしめる
「ちょ、は、隼人?」
「……怖かったか?」
すると優花は隼人の方をみる
どこか優しく、そして柔らかい表情を浮かべている
優花は少し文句を言いたかったが、それでもこういう時にすぐに気づく隼人に苦笑してしまう
「本当によく見ているね。」
「そりゃ彼氏だしな。つーか誰よりも優花のことを見ているから。」
「……はぁ。あんたも無茶しているんだから私も頑張るしかないでしょ。」
「サンキュー。助かった。」
すると優花はやっぱりと少し息を吐く。
精神的なプレッシャーはやはりあるのだ。
隼人の強さには支えが必要であることも。そしてその支えに優花に甘えていることも
「……久しぶりにオムライス作ってあげるわよ。」
「ん。楽しみにしている。」
すると少し笑顔を見せる隼人。優花も自分を頼ってくれるようになってきたので機嫌は良かった。
本当にオムライス好きだよなっと幸利がいうと全員が笑う。
そういえば全員に見られていることが分かって顔を真っ赤にしている優花とケロリとしている隼人。
結果的に人類側の大勝利という結末でウル攻防戦は決着したのであった
「あの、もう少しウルの街に残りませんか?」
翌日早朝に隼人たちは城門の前に集合していた。もちろんの出立の合図である。
「そうしたいのは山々だけど、一応依頼ついでだしな。ウィルの親御さんも心配しているし、今街中は静かだからな。このうちに出発しないとまた大騒ぎになるだろ?」
「そっか。でも結局優花のオムライス食べた以外は、ずっと料理作りっきりでしょ?大丈夫なの?」
「大丈夫かな。ってか俺一応料理人だぞ?あれだけ昼間休みもらっていたしな。」
夜中は街ぐるみで大きな宴会を行った
街の安全を確かめハジメとシアの監視の元魔人族を皆殺しにし夜中丸一日をかけて歌えや踊れやの大宴会になったのだ。
当然作るのは隼人であり街中の米を使った日本食を作り大騒ぎ。
ハジメや優花でさえ美味しい料理に舌鼓をうち、役数万人の料理を作り続けた隼人はその隙に女神の料理人と勝手に布教をしたのだ。
すなわち愛子に全部押し付けたのである。
まぁそれでも恥ずかしいことには違いないのだがそれでもだいぶマシである。
「それでもあの量はちょっと。」
「基本的に大丈夫だろ?こいつ少し魔法使っていたしな。恐らく自動調理か?」
「およ。ハジメ正解。店をやっていると偶然手に入れたからな。どうやら記憶を頼りにレシピの魔法陣を生成、そしてあとは自動で作ってくれたな。味にも問題はないと思う。お代わりしたシアとユエ全く気づいてなかったし。」
「えっ?あれって自動調理で作ったものなんですか?」
すると驚いたようにするシアとユエ。
隼人の料理だと気づかれないくらいの料理の技能があったからだ。
「まぁ色々覚えられたし十分だろう。技能の派生もどんどん増えていっているしな。」
恐らく技能の研究といい長時間訓練しているのは隼人だ。特に魔法関連と料理関連はこの世界に入ってからはかなりの実験と錯誤を続けている
「まぁ、とりあえずもう行くよ。んじゃ多分またすぐ会うことになるとは思うけど元気でな。それと一応これ日本食の調理方法のレシピをまとめたもの。水妖精の宿のオーナーのフォスさんに渡しておいてくれないか?」
「は、はい。」
「相変わらずだなお前。」
と普通にのんびりと別れの時を惜しむ
「それじゃあ。幸利。後は任せた。」
「あぁ。王都に戻ったら中村たちと連携すればいいんだろ?」
「あぁ。ついでにちょっくらオルクスの大迷宮に寄ってくるからな。その時に伝えておく。」
隼人はそう幸利に頼み軽くグータッチをする。
相変わらず変わりはないらしく信頼関係は崩れていない。
そして優花も友達である奈々と静かに別れの挨拶を済ませブリーゼに乗り込む
さて、旅の続きだ。
桜風生夢
隼人のオリジナル魔法であるがCLANNADの光の街を参考に作った魔法である
サクラの花と光の舞に集中させそのうちに足を石化させる魔法
花は装飾であるが光は回復魔法の応用で生命力と魔力の吸収機能を持っている。
光は数万個にも及び風の影響も受けやすいが隼人の使える魔法中でトップ10に入る殲滅力を持つ魔法でありながら自身の回復もできる応用力が高い魔法だが魔力の吸収が少なく要改良と言われている
ティオのヒロイン
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隼人
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ハジメ