「うげぇ。すげぇ人の数」
「……そういえば隼人って待つの嫌いよね?前に迷宮でもハチの唐揚げ買っていたし」
「せわしないよな?本当にこどもみたいな奴っていっていたけど……よくよく考えるとすぐにどこかに行くし、結構わがままなところもあるからな……」
「悪かったな。子供で」
今中立商業都市フューレンの活気があふれている外門で待っているという状況にうんざりしていた
「ウィル。やっぱり魔法を使って検問所とかできないのか?」
「難しいですね。街に何をしに来たのか聞かないと……それに犯罪者ギルドや魔人族が紛れ込む可能性もありますし」
「……少しだけ地球が懐かしくなった。改札機みたいなものがあれば便利なのに」
隼人の言葉にハジメは少しだけ苦笑してしまう。最近はアーティファクトのおかげで便利すぎる生活を送っていたのもあり、少し生活水準が良すぎるのも問題だった
「……つーかシア、いい加減その首輪外せば?もう隠すの面倒臭いし恐らく奴隷って方が今後絡まれるような気がするんだけど」
「えっ?」
「何残念そうにしているんだよ。というよりも奴隷って立場だったら俺が落ちつかねぇ」
「いえこれはこのままがいいなって。一応、隼人さんから初めて頂いたものですし……それに隼人さんのものという証でもありますし……」
もじもじしながら答えるシア。そう答えるシアは可憐な姿で問答無用の無差別攻撃で周辺の男性がノックアウト仕掛けているのに対し少しだけ複雑そうな顔を見せる隼人
それなら少しだけでも可愛らしいものにしてあげるかと決心し、前のデザインを変えようとしてみる
「……はぁ、ハジメほど上手くはできねぇぞ?ハジメ少しだけ装飾用の鉱石もらっていいか?」
「いいが……お前錬成使えるようになったのか?」
「少しだけな。銃みたい精密なものを作るのであればまだ特訓は必要だけどな」
と俺は鉱石を宝物庫から取り出すとシアに上に向かせる
魔力量を抑えながら錬成で形をイメージするけどなかなか錬成がうまくいかないことに少し疑問を覚えそして少しだけ
「……ん?もしかしてこれ神結晶か?」
「そうだが……前に図を見せてもらったときは神結晶が一番合うと思ったんだが」
「……悪い。俺神結晶錬成するのには技術が足りないんだよ。悪いけどハジメ手伝ってくれないか?」
「いいけど。神結晶の部分だけでいいか?」
「悪い。助かる」
そしてもう一度錬成を始める
結果、黒の生地に白と青の装飾が幾何学的に入っており、神結晶の欠片を加工した僅かに淡青色に発光する小さなクロスが取り付けられた地球でも売っていそうなファッション的なチョーカーが出来上がった
「……悪いなちゃんと作ってやりたかったが……実力不足で」
「い、いえ。でも隼人さんでもできないことはあるんですね」
「俺だって人間だぞ。できないことは結構多い方だぞ?」
「いや、何から何までお主がやっているように見えたんじゃが……」
「あ〜俺結構多いんだよなぁ。料理でも教えるのが苦手ですし。料理に限ったら感覚派っていうよりも自然と覚えたって感じがするので。調味料も感覚で入れているので料理に関してはちょっと参考にならないことが多いんですよ。盛り付けも妹の担当だったので正直妹や優花ほど綺麗に盛り付けることはできないので」
完全に料理においてはユエと同じ天才の域に達しているので完全に目指し味付けまでしている隼人。大体これくらい、で美味しい料理を作れるのは凄いことだが、飾り付けになると一般的な料理人と同じくらいになるのだ
「大雑把すぎるのよ。でも狙撃ができるって不思議なのよね」
「こいつサバゲーでスナイパーやっているんだよ」
「あぁ。そういうこと」
所謂得意な分野はとことん自然と覚えていく隼人に苦笑してしまうハジメに少し頭を掻いていたとき
「よぉ、レディ達。よかったら、俺と『何、勝手に触ろうとしてんだ? あぁ?』ヒィ!!」
チャラ男が実に気安い感じで女性陣に向けて声をかけた。それがただ声をかけるだけなら、ハジメに〝威圧〟でもされて気絶コースで済んだだろう。だが、事もあろうに、チャラ男はユエの肩へ触れようとしたのだ
後は死刑を実行するためなのでほっといてもいいだろうと少し距離を取る3人。慣れていない二人は少しジト目を送る
「お主らほっといてもいいのかのう?」
「大丈夫です。病気なんで」
「ユエさんに触る男性は全員ぶん殴って大事なところを消すんですよ。……股間あるといいですね」
「まぁ、関わりたくないっていうのが一番なんですけどね。それにこういうことは女性が対応するべきだと思ってますし、実力行為にならない限りは俺は介入しないんで」
「……お主ら常識外れなのわかっておるかのう」
「流石に俺はそこまで過保護じゃないと思いますけど」
「というより隼人を怒らせないようにしているのよ。……社会的地位が終わるから」
「隼人殿を怒らせない方がいいってことだけは分かるのじゃが」
と少し離れたところで見ていると門番がこちらに近づいている。するとしばらく事情聴取していた門番が隼人の顔に気付くと敬礼し始める
「は、隼人様。おい食神様だぞ。冒険者ギルドに急いでお通ししろ!!」
「えっ」
「おい。ご馳走とこの街一番のいい宿を用意しろ!!英雄様のお通りだぞ!!」
顔が羞恥で真っ赤になっている隼人に優花とシアが少しプルプルと震える。隼人の貴重な場面に笑いがこらえきれなくなったんだろう
そして隼人は心の中でもう勘弁してほしいと降参の合図を出したのであった
現在、隼人達は冒険者ギルドにある応接室に通されていた。
お菓子を食べながらこの街での予定を考えていたのだが少しだけ疲れている隼人
「隼人この世界でなにをしたのよ?」
「いや。食料改革だけだと思うんだけど……早く地球に戻りたい」
隼人の羞恥心がマッハである。食神がこのレベルで広がりかけたらガチで引きこもろうかと考えるほど悶えているのが二人にも珍しかったのか、からかいの的になっていた
待つこと5分
「ウィル! 無事かい!? 怪我はないかい!?」
ようやく依頼人の登場だ。部屋の扉を蹴破らん勢いで開け放ち飛び込んできたのは、ウィル救出の依頼をしたイルワだった
「イルワさん……すみません。私が無理を言ったせいで、色々迷惑を……」
「……何を言うんだ……私の方こそ、危険な依頼を紹介してしまった……本当によく無事で……ウィルに何かあったらグレイルやサリアに合わせる顔がなくなるところだよ……二人も随分心配していた。早く顔を見せて安心させてあげるといい。君の無事は既に連絡してある。数日前からフューレンに来ているんだ」
「父上とママが……わかりました。直ぐに会いに行きます。皆さんもありがとうございました。この恩は必ず」
「あんまり気にするな。これも俺たちの依頼だからな」
少し羞恥心に襲われながらも仕事モードに切り替える隼人に流石だなと感心する5人。
この後また挨拶にくると言われ、そこで別れを告げるとウィルが出て行った後、イルワとハジメが向き合う。イルワは、穏やかな表情で微笑むと、深々とハジメに頭を下げた。
「ハジメ君、今回は本当にありがとう。まさか、本当にウィルを生きて連れ戻してくれるとは思わなかった。感謝してもしきれないよ」
「まぁ、生き残っていたのはウィルの運が良かったからだろ」
「ふふ、そうかな? 確かに、それもあるだろうが……何万もの魔物の群れから守りきってくれたのは事実だろう? 女神の剣様?」
「ん?情報が早すぎないか?」
「そういうアーティファクトがあるんだよ。ギルドの幹部専用だけどね。長距離連絡用のアーティファクトがあるんだ」
「まぁ監視員もついていたから納得していたけどな。警戒心もかなり高かったし」
気づかれていたのかと苦笑するイルワ。隼人は気にしないでいいと言い、そして言葉を続ける
「それで単刀直入に取引の件なのだが」
「あぁ。準備してあるよ。それとそのお嬢さんは?」
「ティオさんステータスプレートは?」
「ないのじゃから妾のも作成してもよいかのう?」
イルワは、職員を呼んで真新しいステータスプレートを三枚持ってこさせる。
ユエ 323歳 女 レベル:75
天職:神子
筋力:120
体力:300
耐性:60
敏捷:120
魔力:13980
魔耐:7120
技能:自動再生[+痛覚操作]・全属性適性・複合魔法・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作][+効率上昇][+魔素吸収]・想像構成[+イメージ補強力上昇][+複数同時構成][+遅延発動]・血力変換[+身体強化][+魔力変換][+体力変換][+魔力強化][+血盟契約]・高速魔力回復・生成魔法・重力魔法
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シア・ハウリア 16歳 女 レベル:40
天職:占術師
筋力:60 [+最大10100]
体力:80 [+最大10120]
耐性:60 [+最大10100]
敏捷:85 [+最大10125]
魔力:5020
魔耐:5180
技能:未来視[+自動発動][+仮定未来]・魔力操作[+身体強化][+部分強化][+変換効率上昇Ⅳ] [+集中強化]・重力魔法
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ティオ・クラルス 563歳 女 レベル:89
天職:守護者
筋力:770 [+竜化状態4620]
体力:1100 [+竜化状態6600]
耐性:1100 [+竜化状態6600]
敏捷:580 [+竜化状態3480]
魔力:4590
魔耐:4220
技能:竜化[+竜鱗硬化][+魔力効率上昇][+身体能力上昇][+咆哮][+風纏][+痛覚変換]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮]・火属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]・風属性適性[+魔力消費減少][+効果上昇][+持続時間上昇]・複合魔法
魔法部分が高いのは完全に隼人のせいなのだが規格外のステータスと種族の常識を完全に無視しているステータスにイルワは絶句している
「いやはや……なにかあるとは思っていましたが、これほどとは……」
冷や汗を流しながら、何時もの微笑みが引き攣っているイルワに、今まで話したことに添付でさらに詳細に話し始める隼人。普通に聞いただけなら、そんな馬鹿なと一笑に付しそうな内容でも、先にステータスプレートで裏付けるような数値や技能を見てしまっているので信じざるを得ないと考えたからだ。イルワは、疲れた表情でソファーに深く座り直した。
「私としては、約束通り可能な限り君達の後ろ盾になろうと思う。ギルド幹部としても、個人としてもね。まぁ、あれだけの力を見せたんだ。当分は、上の方も議論が紛糾して君達に下手なことはしないと思うよ。一応、後ろ盾になりやすいように、君達の冒険者ランクを全員〝金〟にしておく。普通は、〝金〟を付けるには色々面倒な手続きがいるのだけど……事後承諾でも何とかなるよ。キャサリン先生と僕の推薦、それに”食神”〝女神の剣〟という名声があるからね」
と後は簡単な雑談をして、今日はギルド直営の宿のVIPルームで休むことになった
ティオのヒロイン
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隼人
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ハジメ