-土曜日- 朝
うぅ、頭が痛い。昨日は確か……あれ、バーでアクィラのカクテルを飲んでから記憶が無い。
自室の布団に入っている以上、帰ってきたのは確実なんだがどうやって帰ってきたんだっけ。
「あら、起きたのね」
扉の方からビスマルクの声がしてそっちをむくとマグカップを持って部屋に入ってきた。
体を起こして差し出されたマグカップを受け取る。コーヒーの芳醇な香りが頭痛を少し抑えてくれたきがする。
「ありがとう。ビスマルク、昨日私はどうやって帰ってきたんだ?」
「はぁ、やっぱり何も覚えてないのね。昨日はアクィラから電話が来て私が迎えに行ったのよ。まあ、覚えてない方がいいと思うけど」
ビスマルクが最後の方に呟いたが、コーヒーを飲んでいてよく聞き取れなかった。なんて言ったのか聞いてもはぐらかされた。
「まあ、それはいいとして。私はこのあとすぐから明日の昼まで仕事でいないし、プリンツは泊まりで講習を受けに行ったから帰ってくるのは明日の夜。レーベとマックス、ゆーも同じよ」
「わかっている。……多分帰ってこないと思うから戸締りはしっかりやっておくよ」
返答に満足そうに頷く。
「それとさっきザラから電話が来てアクィラが1030に店に来てって言っていたらしいわよ」
「1030……っ、今何時だ!」
「落ち着きなさい。まだ0800よ。シャワーも浴びていないんだからしっかり身だしなみを整えてから行きなさい」
よかった……寝坊なんてしたら目も当てられない。
コーヒーを飲み干して一息つくとスマホを弄っていたビスマルクが顔をあげた。
「それじゃあ、私はもう行くから。しっかり楽しんできなさい」
「ふ、嫌になるほど楽しんでくるよ。いってらっしゃい」
ビスマルクがやけにニヤついていた気がするが……気の所為だろう。多分。さて、シャワーを浴びて、準備をしないとな。二日酔いもそんなに酷くないし、コーヒーをもう一杯飲めば大丈夫だろう。ベットから降りて体を伸ばす。コキコキと乾いた音が何度かなって心地いい。
ナイトテーブルに置いてあるアクィラの写真を見ているとニヤけるのが自分でもわかった。
「あと二時間半か、とにかく待ち遠しいな」
早くアクィラに会いたくて堪らない。
-土曜日- 昼
1025。よし、五分前には到着できたな。目の前にある扉をもうノックしていい気もするが……五分ぐらい大人しく待とう。アクィラのことだしまだ準備が終わっていないかもしれない。
しかし、昨日はそんなに飲んだのか? コーヒーを飲んでからマシにはなったがまだ若干二日酔いになっている。別に支障がある程ではないのが救いだが……。まあ、いい。
「それにしても……なんで三十分早くここに来るようにしたんだろうか」
考えられる理由はあるにはあるが……どれもしっくりこない。
あれこれと考えているうちに目の前の扉が開いて……。
「あれ、グラーフ来てたんですか? さあ入って入って」
……心臓が止まるかと思った。当然だとはいえ、いつも着ているバーテンダーの服装ではなく私服を着ている。白いシャツにベージュ色のジャケット纏い、ロングスカートを履いているが、それが凄い可愛い。
「グラーフ?」
「あ、ああ。なんでもない。その……可愛らしい格好だなって、思っていただけだ」
「っ……。えっと、ありがとう。さ、さあ中に入って下さい」
「わかった」
アクィラの動きがなんだかぎこちない気がする。案内されるままに中に入ってカウンターのいつもの場所に座る。手袋とコートを脱いで脇に置いた。
「それで、なんで急にここに来るよう伝えてきたんだ?」
「グラーフが昨日結構酔っていたんで二日酔いに効くノンアルのカクテルを出そうと考えたんです」
「なるほど、それじゃあ一杯お願いしよう」
「それと」
言いにくそうに口をもごもごさせている。胸の前にある手が忙しなく動いて視線が私の顔とそれ以外の場所に行ったり来たりしている。
「それと?」
「……やっぱりなんでもないです。ところで昨日の記憶はどこまであるんですか?」
「急に話題を変えてきたな。昨日は……リキュールのカクテルを数口飲んでから記憶が全く無い。もしかして何かやってしまったか?」
何かやらかしてしまっていたら……もしかしたら償って貰うためにここに呼び出されたのか?
「いえいえ、そんなことは無いですよ」
「良かった、何かやってしまったのかとばっかり……」
「そんな顔しないでくだいさい。ただ……面白いことがあったから覚えていたら良かったなって」
「面白いこと?」
アクィラ口調に反してが悲しげな表情をした気がする。だが、あまりに短い間しかその表情をしていなかったため本当に浮かべたかどうかは自信が無い。
「まあ、秘密です。多分、そのうち誰かが教えてくれますよ。カクテルの準備してきますねー」
「おい、ちょっと……。行ってしまったか。別に教えてくれてもいいと思うんだがなあ。そんなに面白いことがあったのか?」
それとも何か恥ずかしいことでも起こったのか? ビスマルクかザラに聞けばわかるかもしれないが、今ここで聞くのはなあ。後でこっそり聞こう。気になって仕方ない。
「出来ましたー。プレーリー・オイスターです。二日酔いに効きますよ」
「これはカクテル……なのか?」
ロックグラスの底の方にある若干黒っぽい液体の中に卵黄が浮かんでいる。なんだこれは……。胡椒やワインビネガーの香りがする。
「卵を使ったノンアルカクテルです。卵黄を崩さず一気に飲むといいですよ」
「ふぅむ。わかった、一気にいこう」
グラスを持って一気に喉に流し込んだ。ソースの風味に胡椒と何かの辛味がピリッと来てさらに卵黄が混ざって……ビネガーがちょっと中和してくれたがかなり濃厚な味わいだ。
「んん。なんというか……カクテルなのかと疑いたくなるような味だな」
「アメリカ出身の友人から教えて貰ったんですけどこれが結構効くんですよ。色々入っているから栄養もたくさん含んでいて重宝しています。未成年にも出せますし」
「そうなのか。確かにこれは……くるな」
栄養云々よりショック療法なのかもしれない。まあ、栄養価は高そうだし二日酔い以外にも効きそうだ。
「私もよくお世話になっていますし、二日酔いで苦しむ客にも出すんですよねえ」
「ここが空いているのは夜だよな? それなのに二日酔い?」
「偶に夜飲んで昼も飲んで寝て夜飲むっていう人がいるんですよ……身内に《xsmall》」
「なるほど。機会があればまた飲みたいな。ありがとう」
さて、財布を取り出さないと。手を前掛けカバンに手を伸ばすとその手を掴まれた。
「お代は、今日私と一緒に買い物に行ってくれることでいいですよ」
ゆっくりと彼女の指が私の手の上をなぞって手を握ってくる。私よりも細く明るい肌を持つ手を使って包み込むように両手で握られた。私よりも暖かく、柔らかい手だ。
「……ああ、わかった。それじゃあ行こう」
「グラス洗ってからでもいいですか?」
「ああ、待っているよ」
アクィラは空になったロックグラスを持って背を向け、そこにある流しでカップを洗い始める。いつもはそこまで意識していないのに、彼女のうなじが気になってしまう。ポニテが揺れ、肩が上下して、洗い物をするために袖が捲られて顕になった二の腕が震える。
何故か、彼女がする行動の一つ一つが色っぽい見えた。私を誘っているような気がする。
当然のことだが、アクィラにそんな気は無くグラスを洗い終えると腰に手をつけてこっちを見てきた。
「それじゃあ行きましょう!」
「行くってどこに行くんだ。行き当たりばったりに店に行くとしか聞いてないぞ」
「んー。どこに行きたいですか?」
「本当に何も決まってないんだな……食料品よりも小物を先に買いに行った方がいいんじゃないか?」
「アクィラも同じことを考えていました。そうしましょう!」
何も考えていなかったのによく言えるもんだ。
ため息をついているとカウンターから出てきたアクィラが急かすように肩を叩いてくる。
「グラーフ、早く行きましょう!」
「わかった。わかったから肩を叩くのをやめろ。普通に痛い」
叩いてくる手を掴み止めさせる。今度は早く出ないと鍵を閉めて閉じ込めると言ってきて慌てて立ち上がる。
ここに来た時よりも体が軽い気がした。やっぱりアクィラの作るカクテルは凄いな。どれも私にぴったりと合ってくれる。
店の外に出ると冷たい風が一気に吹き込んで来る。それなりに厚着した格好とはいえ暖かい室内から外に出た以上、寒い。
「ううう。グラーフあっためて下さい」
「くっつくな。歩きにくい」
扉の鍵を閉めたアクィラが私の右腕の中に入り込んでくる。私の腕をマフラーのように巻き付けて体を密着させてきた。
「私の方が体温は低いはずなんだが」
「気分の問題です。暖かいと思えば暖かいんです」
「ホッカイロあるが、欲しいか?」
「……下さい。思ったより寒いで、へくょん!」
あの格好にコートを羽織っただけだと寒いだろうな。特に手先とか。はぁ、仕方ない。
「これもつけろ」
「ん、グラーフの手袋ですか? 大丈夫ですよ。アクィラは体温高いですし」
「問題ない。手を握れば暖かくなるだろう」
アクィラの肩にかけていた腕を下ろして彼女の左手を取る。暖かい。アクィラは私が差し出した手袋を受け取ると器用に右手だけで手袋を嵌めた。
「グラーフの手、冷たいんですけど」
「まあ、何もしないよりはマシだろう」
「アクィラの手を握りたいなら素直に言ってくれればいいのに」
「うっ……ほら早く行くぞ。昼食を食べる予定の店は混むからな。早めに小物を買って行った方がいい」
アクィラの手を引っ張り前を歩く。恥ずかしくて彼女の顔を見れない。だが、右手から伝わってくる彼女の温かさが心地よかった。
夜
ふと空を見上げると欠けた月が空に出ていた。
前を歩く彼女は怠そうに歩き、時折私の方を見てくる。店の前についても疲れたと駄々をこねるアクィラの背中を押して扉の前に立たせた。
「ちょっと酷くないですか?」
「早く開けてくれ。私だって疲れた」
それにアクィラの方が荷物が少ないからな。私は両手どころか肩にも荷物を掛けている。アクィラは左手に持った一袋だけ。私の方が体力があるから荷物持ちになるのは理解できなくもないが……言いたいことはごまんとある。それを飲み込んでアクィラが開けた扉の中に入った。
バーの中は暗く、寒かった。誰もいないから当然か。アクィラが入ってきて直ぐに照明と暖房のスイッチを押した。
買ってきたものを食料品や酒はカウンターの上に、それ以外はほとんど使われない丸テーブルの上に置く。邪魔になるコートを脱ぎ畳んで同じテーブルにおいていつもの場所に座り、机に突っ伏した。
いい感じに冷たい。大荷物を抱えて火照った顔を冷やすのにはちょうどいいがこのままでは風邪を引きそうだ。
「アクィラ、何か温かいものを一杯くれないか?」
「待ってください。今冷蔵庫に入れるので」
顔を上げてカウンターの中にいる彼女の方を見ると買ってきた摘みや冷やした方が美味しい酒を冷蔵庫に入れていた。確か丸テーブルの上にも冷蔵庫に入れた方がいいものがあったな。
立ち上がって食料品が入った袋を手に取りカウンターの中に入る。
「ほら、これも入れるだろう?」
「あ、ありがとうございます〜」
夕食も外で食べてきたにもかかわらず、アクィラはそこそこの量の摘みをさっきスーパーで買っている。飲み明かすつもりなのか?
「なあアクィラ。さっきから気になっていたんだが、こんなに摘みを買ってきたということは今日は飲み明かすつもりなのか?」
「え? 昨日グラーフが今日は飲み明かすって……ああ、覚えてないんですね」
「私はそんなことを言っていたのか。……朝まで飲み明かす自身はいが」
「大丈夫ですよ、落ちてもグラーフがそばに居てくれればいいです」
っ、嬉しいが恥ずかしい。笑顔のアクィラの顔を見てられず、袋を渡して直ぐにカウンターに戻る。若干受け取り損ねたようだが、気にする余裕なんてない。もし何かあったら、この気持ちを声に出してしまうかもしれないから。
再度カウンターの定位置に座ってアクィラを待っていると冷蔵庫にものを入れ終え、立ち上がってきた。
「これで、よし。それでグラーフ、温かいものですよね?」
「ああ、アクィラがおすすめするのを一杯欲しい」
「わかりました。お湯を沸かしたりするのでちょっと時間がかかりますがいいですか?」
「それぐらいなら待っているよ。いや、それなら水を一杯欲しい」
はいはーいと言う調子のいい返事とともに適当なグラスに水を注いで私の前に置いて奥へと消えていった。私は置かれたそれを一気に飲み干す。酒を飲む前には水を飲んでおいた方がいいというのをやったつもりだったが、部屋がまだ温まっていないことを忘れていた。火照っていた体が一気に冷えて寒さが身にしみてくる。面倒だと思いながらもまた丸テーブルに向かい私のコートをとって袖に腕を通す。コート内ポケットに入れていた使い捨て懐炉を取り出し握りしめる。温かい。
適当に懐炉を首に当てたり、握ったりを繰り返しているとアクィラがグラスを二つ持って戻ってきた。そのうちの一つが目の前に置かれた。
「はい、アイリッシュコーヒーです。いい感じに温かいですよ」
「ありがとう。そっちは賄いか?」
アクィラの手の中にあるワイングラスを指さすと彼女は頷いた。グリューワインか?
「結構寒かったので今日買ってきたワインをひとつ開けて作っちゃいました」
「私も後でそれを」
「出してもいいですけど、体が冷えている時の一杯目として飲んだ方が美味しいですよ」
「む、なら今度でいい」
もう一杯目は貰ってるしな。
目の前のグラスを手に取ってアクィラと目を合わせる。どうやら考えていることは一緒らしい。
「乾杯」
「乾杯」
グラスがぶつかる音が響いた。アクィラは微笑むと直ぐにグリューワインを飲み始めた。
私は少々気になってアイリッシュコーヒーを観察する。
名前から察するにホットコーヒーにアイリッシュ・ウイスキーを加えているのか。生クリームがフロートされていて美味しそうだ。
コーヒーの香ばしい香りとアイリッシュウイスキーの芳醇な香りを味わったあと、一口飲む。
ふむ、コーヒーのほろ苦さと生クリームの甘さ、そこにアイリッシュウイスキーの風味が合わさって予想通り、いやそれ以上に美味しい。
「アクィラ、飲んでから気になったんだけが生クリームは混ぜた方がいいのか?」
「いえ、そのままにしてコーヒーと一緒に飲むのが正しいそうです」
アクィラはグリューワインを美味しいそうに飲んでいる。こういうラフな格好でワイングラスを片手に瞼を閉じてワインを味わっているだけでも絵になるように思いえた。
視線を向けすぎたのかアクィラの瞼がゆっくりをと開き目が合う。彼女は僅かに微笑むと魅惑的な口を開く。
「欲しいんですか?」
「え、いや、そういう訳では……」
「もう、欲しいなら言ってくださいよ。ちょっとぐらいならいいです。アクィラもアイリッシュコーヒー飲みたいです。使ったアイリッシュウイスキー、アクィラはまだちゃんと試飲してないんで飲んでみたいんですよねえ」
「だから……はぁ、わかった。交換しよう」
雰囲気から何を言っても聞きそうになかったため諦める。アクィラのグラスを受け取り私のグラスを受け取った。アクィラは躊躇わず半分ほど減ったグラスに口をつけて味わった。
そこまで意識しなくていい。アクィラが口を着けた側ではなく反対の方から飲めばいいはずだ。問題ない。
意を決して口をつけたが、味を感じる余裕なんてなかった。胸が早鐘を打ち、思考が定まらない。
「んー、やっぱり美味しいですね。エスプレッソマシンを活用したらアルコールがあんまり飛んでなくていい感じに……グラーフ? どうしました?」
「あ、ああ。グリューワインも美味しいな。だが確かにこれは一杯目に飲んだ方がいいな」
「やっぱりそう思います?」
アクィラが私のグラスを差し出てきたので、受取り流れで彼女のグラスを返す。やっとこれで安心して飲める……待てよ。これもアクィラが口をつけたからどのみち変わらないのでは?
「んー、やっぱりこの買ってきたワインはいいワインですね。ちょっと奮発した甲斐がありました。シナモンもグラーフが進めてくれたのがいい感じに……あれ、飲まないんですか?」
「なんでもない。ちょっと考え事をしてただけだ」
不味い、怪しまれている。アクィラが間接キスを躊躇っていない以上私が躊躇ってどうする。
グラスをつかみ直して飲むが味があんまり感じられず辛い。機械的に何度か飲み、グラスに口をつける度に鼓動が高鳴る。
そんな私の状況に気付かずアクィラはグリューワインを味わっている。そんなにそのワインが美味しいのか。昼過ぎによった専門店で数十分悩んだ末にアクィラが選んだ一本で私はそこまで違いがわからないが飲んでみたくなる。
その前にアイリッシュコーヒーを全部飲まないと行けないが……機械的にちびちび飲んでしまったためにそんなに減っていない。一応、一口で飲み切れる量ではある。それでもアクィラが口をつけたものだと考えると頭を抱えたくなる。
いや、ここは一気に飲み干すべきだ。その方が口をつける回数が減る。覚悟を決めて残っている中身を全て喉へ流し込んだ。どうせ味なんて感じられないから違いはない。ちょっと強引な気もするが、まあ、問題ないだろう。
「ふう。アクィラ、そのワインを私にもくれないか? どういうものか気になる」
「そのままがいいですか? それともカクテルにします?」
「そのままで……いや、少しだけでワイングラスに注いで残りをカクテルにして欲しい。カクテルはアクィラのおすすめで構わない」
「わかりました。んー、アルコールが高めと低めどっちがいいですか?」
「そうだな……まだまだ飲みたいから低めで頼む」
アクィラは頷くと空になったグラスを下げて新しいグラスを二つ取り出しして一度奥に下がる。
少し暑くなってきた……。部屋自体が温まってきたのもあると思うが、それよりもカクテルの暖かさとアクィラが口を付けたカクテルを飲んだことで温まった。コートを脱いで適当に隣の椅子に置く。
アクィラが買ってきたワインとリキュール、ジンジャーエールのボトルを手にして戻ってきた。
二つを置いてワインのボトルだけを持ち、片方のグラスに注いでいく。赤黒い綺麗なワインからいい香りがする。確か……何年ものかはわからないがイタリアワインの『キャンティ』を選んだっけか。
「先にこれを」
ワイングラスに四分の一ほど注がれたのを差し出してくる。それを受け取って香りを楽しむ。たまに飲むワインとは若干香りが違う。ベリーやスパイスの香りを感じられる。充分に香りを堪能した後、口に含む。
酸味や果実味を良く感じられてそれでいて渋みがそこまで強くない丸みのあるワインだ。
「ふむ、いいワインだ。やっぱりアクィラの舌は確かだな」
「褒めてもカクテルしか出ませんよー」
アクィラがグラスに適度に砕いた氷を入れながら答えた。そこに持ってきたリキュールを加える。
カクテルが出来る前にこれを飲んでしまおう。その前にグラスを揺らしてワインの暗い赤色を楽しむ。波打ったワインが落ち着いて穏やかになった水面に覗き込む私の顔が映る。
グラスを口に近づけて一口、二口と味わいながら飲むと元々量の少なかったワインは空になった。
それを待っていたかのようなタイミングでアクィラからカクテルが出される。
「はい、ローザロッサです。赤ワインにディサローノ・アマレット、ジンジャーエールを加えてビルドしたものです。あ、そのグラスは貰います」
空のワイングラスを返して透き通った赤色をしたカクテルを受け取る。
「ローザロッサ……イタリア語で赤い薔薇か。確かに赤薔薇のように綺麗な赤色をしている。ディサローノ・アマレットはどういうリキュールなんだ?」
「ビターアーモンドとバニラエッセンスを使ったイタリアのリキュールでアーモンドのような甘さとフルーティーな香りが特徴です。杏仁豆腐のような味がするとされるぐらいには甘いリキュールです」
ちょっとだけ色を薄くして透明度を上げたイチゴジャムのようなリキュールが入った瓶を掲げてくる。ふむ、美味しそうだ。香りを嗅いでみる。
「確かに、いい香りがする。む、アクィラも同じなのか?」
いつの間にかにアクィラの手の中にも全く同じカクテルが入ったグラスが握られている。彼女は少し恥ずかしそうにはにかむ。
「だってグラーフはアクィラが貴女のとは違うのを飲むとそれも飲みたいって言うじゃないですか。それなら一緒のを飲もうかなって」
「なんて言うか、その、すまない」
「謝らなくていいですよ。アクィラだってこれを飲みたいと思いましたし。そして何よりも」
アクィラが私の手の中からグラス取っていく。
「シャッフルしたらどっちがどっちかわからなくなりますから」
「なっ。……わかっていたのか?」
「ええ。だってグラーフが見るからに慌ててて、それが面白くて。あ、飲みたかったのは本当のことですけどね」
「私にとっては死活問題のようなものなんだぞ……私のやつを返してくれないか」
「どっちもまだ口つけてないから変わりませんよ」
アクィラは二つのグラスをカウンターの私からは見えない位置に持っていくとシャッフルしたような動きをする。そして二つのグラスを私の目の前に置いた。肘をカウンターについて頬杖を付き、琥珀色の瞳が私の目を覗き込んでくる。
アクィラからグリューワイン一杯を飲んだだけにしては強いアルコールの匂いがしてくる。
「アクィラ、もしかして酔ってるのか?」
「大丈夫です。そこまで酔っていません……ただ」
「ただ?」
「やっぱりなんでもないです。右がグラーフのですよ」
「……わかった」
どうもアクィラが何をしたいのかよくわからない。私が思ったよりは酔っていないようだが、どこか挙動不審だ。彼女は顔を逸らして立ち上がるとローザロッサに口を付けた。
色々と追求したいことはあるが、聞いてもはぐらかされると判断して私もローザロッサを飲んでみる。
ワインの程よい渋さとアマレットの甘さが合わさったところにジンジャーエールの風味が加わって美味しい。アルコールもそんなに感じられず口当たりの良い何杯も飲めそうなカクテルだ。
「アルコール度数は低い方がいいって聞いたんでジンジャーエールを多めにしたんですけど、どうです?」
「飲みやすくてちょうどいい。何杯でも飲めそうだよ」
「口に合って嬉しいです。おつまみ置いときます」
アクィラが摘みに生ハムを出てきた。甘めのカクテルに生ハムの若干しょっぱさがいい感じにあわさる。
黙々と飲み進めていると、なにか思い出しかのようにアクィラが口を開いた。
「そういえばランチに行ったお店のことなんですけど、グラーフがサラとイントレピッドの二人と知り合いとは以外でした」
「私だってアクィラが二人と知り合いだったのに驚くんだが」
「あの二人はたまにここに来るんですよ。二人揃って酒豪だから深夜まで飲んでいたってことがよくあります。グラーフはどこで知り合ったんたんですか?」
「サラトガは仕事の関係で。イントレピッドは……同じ航空機が好きな人間として偶然であった」
ある基地の航空祭に行ったら偶然であっただけだ。例えそれがインターネット上で話し合った結果だとしても偶然である。
「ふーん。そうですか。グラーフもイントレピッドも航空機オタクですからねえ」
「いや待て、私は彼女ほどでは無い」
「よく言いますよ。少し前に航空機についての話を一時間以上してきたくせに」
「あれは……若干酔っていた時だから仕方ない」
私の言葉にアクィラは不満げに頬を膨らませる。
「別にグラーフと話すのは楽しいからいいんですよ。でも全く知りもしない航空機に関して一時間も細かく語られるのは流石にきつかったです」
「そんなこともあったなあ。次に来た時に怒られた記憶がある」
「懐かしいですねぇ、半年ぐらい前のことなのに何年も前の事のように思えます」
「ああ……」
アクィラは頬杖を付いてどこか遠くを見るような顔をしている。
「《xsmall》綺麗だ……」
「ん? なて言いました?」
「……っ、なんでもない。気にしないでくれ」
思わず口に出してしまった。恥ずかしさを隠すためローザロッサを一口飲む。グラスの中身は飲みやすいからかいつの間にかに半減していた。アルコール度数は低めにしたとアクィラが言っていたが、ベースがワインだからいつも飲むカクテルよりはアルコールが強くて酔いが結構回ってきた感覚がある。
トンと目の前に空になったグラスが置かれる。顔をあげるとアクィラが真剣な顔で私をじっと見ていた。
「急にどうしたんだ?」
俯く彼女から返事はない。違う、返事をしようと口を動かしているが声が出てこない。私は椅子から少し立ち上がって顔を覗き込む。
「大丈夫か? 何かあるなら──」
驚いた表情をしたアクィラが私の肩を押して椅子に戻された。そこまでされるとは思わず、予想外のことに頭が真っ白になる。
「その、流石に恥ずかしいです……」
アクィラの顔は酔ったとか血行がいい時の比じゃないほどに真っ赤だった。
「……すまない。その、なんて言うか」
「悪気がないのはわかっています。はぁ……なにか作ってきます。希望はありますか?」
「なんでもいいいい。アクィラのも作ってきたらどうだ?」
「そうします……」
若干ふらつきながらアクィラは裏に消えていった。
私はもっと酔いたくなってローザロッサを飲み干す。体を背もたれに預けて脚を組んで上を見上げた。
思ったより酔っていたせいか、幾つもの考えが浮かんでは消えまた浮かんでくる。中にはありえないものも沢山あるが、そのうちの一つがずっと頭の中にある。
「アクィラが私を好きだなんて……流石に無いに決まっている」
もっと過激なものや色っぽい考えも浮かんでは消えていく。
大半がアクィラが私にしてくるものだったが、ありえないと自分に言い聞かせる。
アクィラにアルコールが強いカクテルを頼むべきだった。今はものすごく酔いたい気分だ。
「結局言えなかったし、グラーフに勘づかれた気がする……」
裏に入ってすぐ、閉めた扉に寄りかかってため息をつく。普段私が身長差の関係で覗き込んでいるのに彼女に覗き込まれるのは耐えきれない。酔いつぶれるためにここの冷蔵庫置いてあるグラッパを飲みたくなる。
いや、グラーフは私のも作ってきたらと言ってたからきっと私と飲みたいんだと思う。
「大人しく適当なのを作りますか」
グラーフをもっと酔わせてみるのも……いや、そうすると私の告白を覚えてもらえないかも。そこら辺をちゃんと聞いてくれば良かったかもしれない。
「とりあえずアクィラの分を先に決めましょう」
ウォッカベースのきっついやつを。ボトルの保管庫からあまり使わないウォッカを一つ、取り出して持つ。ベースはこれでいいとして……賄いはスクリュードライバーでいっか。オレンジジュースならカウンターの裏にいくつかストックがあるし。グラーフの分は……このウォッカで一緒に作った方がいいかもしれない。とりあえずこれだけ持っていきましょう。
グラーフの元へ行く前に、適当なグラスを選んで一口だけウォッカを口に含む。じりじりと喉が焼かれ、胃が熱くなる。
グラスを置いて気持ち軽くなった脚を動かして扉の前に行って、へこたれそうになる。
これでは良くないと空いている左手で頬を軽く叩く。
「よしよし、アクィラ。貴女なら出来る」
ここで言わないでどうする。言うなら今しかない。扉を開けて中に入ると、グラーフが椅子に寄りかかって天井を仰いでいた。
「あれ、どうしました?」
「ん、ああ。なんでもない。もう作ってきたのか?」
「いえ、どうしようか迷ってこれだけ持ってきました」
グラーフは私が掲げたウォッカのボトルを見て目を細める。
「丁度いい。今、強いカクテルが飲みたいと思ってたんだ。飲みやすいのをお願いできるか?」
「はい、わかりました」
グラーフから強いカクテルを求められるなんて……これは既成事実を作れるかもしれない。でも、素のグラーフなら確実にそんなことはして欲しくないと言うと思う。うぅ、やっぱりちゃんと言わないと。
なんて言おうか考えながら、タンブラーとロックグラスを取り出して両方に氷を入れてウォッカを両方に適量注いでいく。タンブラーにはオレンジジュースを、ロックグラスにはグラーフが好きなカルーアと生クリームを加える。
これでよしっと。手元に集中していた目線をグラーフに向けると彼女はまた椅子に寄りかかって天井を仰いでいた。
「グラーフ、出来ましたよ」
「ん、ああ。ありがとう。これはどういうカクテルだ?」
「ホワイト・ルシアンです。ウォッカにカルーアと生クリームを加えた飲みやすいカクテルで、個人的には混ぜて飲む方が美味しいと思います」
「ふむ、そうか。アクィラのはどういうカクテルなんだ?」
「スクリュードライバーというウォッカにオレンジジュースを加えたカクテルです。これもまた飲みやすいカクテルです」
ふーんと、聞いてきた割には興味無さげな返事が帰ってきた。
「ウォッカベースということはかなり強いカクテルなんだな?」
「そうですけど、それがどうかしました?」
「なんでもない。早速頂こう」
「ちょっと待ってください!」
グラーフがグラスに伸ばした手を思わず掴んでしまう。今彼女にこれ以上酔われるのは良くない。だけどなんて切り出せばいいか……。
「急にどうしたんだ?」
「えっと、その……」
気まずい沈黙が流れる。グラーフが私の方をじっと見ているから彼女の方を見れず、掴んでいる腕に目を向けた。彼女の右手はそわそわと握ったり開いたりを繰り返している。
ここで切り出さなかったらもう後がない……言わないといけない……。
「その、グラーフ。アクィラは……」
顔を上げると目が合った。グラーフは呆然とした顔で頬を染め上げている。
う、ここに来て声が詰まる。言わなきゃ、言わなきゃ。
「アクィラは貴女のことが……」
急に軽快な着信音が鳴り響いた。驚いて音源を探すとグラーフのスマホに着信が入っていることに気づく。
「はっ、すまない。ちょっと行ってくる」
少し遅れて気がついたグラーフが弾かれたようにスマホを持って店の外に駆け出して行った。
思考が追いついていなかったが、玄関扉が勢いよく閉まる音を聞いて現実感が湧いてくる。
「……はぁ。こんな事が本当に起こるだなんて。もっと早く言えば良かった」
これはグラーフも、グラーフに電話してきた相手も悪くない。私がさっさと覚悟を決めて言わなかったのが悪いんだ。胸の中に次々と生まれる自己嫌悪に嫌気がさして作ったスクリュードライバーを一気に飲む。ワインよりもずっと強いウォッカのアルコールがオレンジジュースに紛れてストンと胃の中に入ってくる。
「これを飲んでもう一回言えるだけの勇気をっと思いましたけど、無理そうですね」
もう今日はあれほどの勇気を絞り出せる気がしない。本当に早く言えば良かった……。
カウンターに頭を乗せて半分減ったスクリュードライバーを眺める。見た目は殆ど氷を入れたオレンジジュースで飲みやすいけど、ウォッカベースだから簡単に酔いつぶれる。
「それを言ったらホワイトルシアンも一緒ね」
あれも飲みやすくて潰れやすい。グラーフから注文があったから出したとはいえ、あわよくばとも思って作った。
いや、あわよくばをしたくて作った。昨日の彼女の温もりが忘れられない。からかったり、手を繋いだりして誤魔化していた寒さが今になって襲いかかってきた。ああ、グラーフ。早く戻ってきて欲しい。
玄関扉の鈴がなった。急いで頭を上げて表情を取り繕った。
「すまない。同僚からの電話だった。何かあったらしいが、私より今日の宿直に頼れと言っておいたから今日はもう掛けて来ないだろう」
「そうですか」
「それで……さっきは、その……」
どうしよう。グラーフから聞かれるとは思ってなくて対処法を考えていなかった。でも、もう言い出せない。
「ふふ、とりあえずホワイトルシアンをどうぞ。グラーフの口に合うようにビルドしたので飲んでみて下さい」
「……わかった」
よかった、微妙に口を尖らせながらもグラーフはホワイトルシアンの方に意識を向けてくれた。カクテルを眺めながらチビチビと飲み始め時折口を開く。
「アルコールが強い気もするが、飲みやすい。直ぐに酔ってしまいそうだ」
「ウォッカベースですからねー。兎に角酔いたいっていう人にはよく出します」
私もスクリュードライバーをチビチビと飲む。まだ、キャパオーバーはしていないけどこれをまるまる全部飲んだら超えそうな気がする。グラーフもそろそろ限界だと思うし、グラーフが落ちるのを待ってから飲んでも遅くはないでしょう。
そう考えているとチビチビと飲んでいたグラーフがグラスを置いてなにか呟いたかと思うと、突然半分近く残っていたホワイトルシアンを一気に飲み干した。
「ちょ、グラーフ。大丈夫ですか?」
ビール程度ならともかく、アルコール度数が強いホワイトルシアンをそんな一気飲みしたらグラーフが倒れると思う。
私の予想に反してグラーフは空になったグラスを勢いよくカウンターに叩きつけると据わった目でこっちを見てくる。
「グラーフ?」
これは、なにかデジャブを感じる。似たようなことが昨日──。
彼女の手が頭の後ろに回されて後頭部を抑えられる。驚きの声をあげる暇もなく、今度はグラーフの顔が目の前に来て──唇に柔らかい感触が広がった。しっとりと濡れていて、アルコールとコーヒーの香りが漂ってくる唇。
グラーフとキスをしている? え。
「え!?」
飛び上がって、後ずさりする。グラーフはいたずらっ子のようにしてやったりという表情をして嬉しそうにしている。
顔が真っ赤になっているのが自分でもわかる。口に掌を当てて唇を触る。あの柔らかな感覚が忘れられない。驚いたからって後ずさりしないでもっと感じていた方がよかった。いや、そうじゃなくてちゃんと告白して私から行った方が……。
「あー、もう!」
まともに整理出来ない積み重なったものが爆発する前にまだ半分以上残っているスクリュードライバーのグラスを持って、グラーフと同じように一気に飲み干した。オレンジジュースがそれなりに入っているだけあってジュースのようにゴクゴクと飲めるが、グラスの底が見えた時に少しふらついた。グラスが手から抜け落ちそうになり慌ててカウンターに置いて、そのままカウンターに体を預けた。
一気に飲んだからか、それとも比較的楽な姿勢になったからかはわからないが、告白できなかったという自己嫌悪よりグラーフが自分からキスをしてくれたという事実が脳裏を占めるようになってくる。素でやったのかよっているからやったのかはどうでもよかった。
あの奥手で小学生のように恋や性に関して純粋なグラーフから手を出てきた。キスを手を出したに含めていいかはともかく彼女からやってきたんだ。前々から感づいていたけどグラーフは私のことを……。
私を混乱の渦に叩き込んだ当の本人は完全に出来上がったのかカウンターに倒れ込んで嬉しそうにしている。目はトロンとしていて、やや音程のズレた鼻歌が聞こえてくる。
私がこんなに悩んでいるのに嬉しそうにして。……そうだ。
「グラーフから来たらなら少しくらいアクィラから行っても問題ないですよね」
少しぐらい、少しぐらいなら全然問題ない。
そう考えてグラーフと目線を合わせる。
「ねえ、グラーフ」
私が呼ぶと顔を上げて虚ろな目でこちらを向けてくる。恍惚とした表情をしていて何処と無く……加虐心が刺激される。
「アクィラからも、やっていいですよね」
グラーフの両頬に手を当てて引き寄せた。私も顔を近づけて、お互いの吐く息が掛かるほどの距離で見つめ合う。今頃恥ずかしくなってきたのかグラーフが目を逸らしてくる。尚更虐めたくなってしまう。
両手に少し力を込めてグラーフが逃げられないようにした上で一気に唇を重ねる。虜になりそうな柔らかい感覚。それにさっきより薄く感じるアルコールとコーヒーの香り。このふたつが全ての悩みを消し去って麻薬のように脳内を麻痺させていく。
薄目でグラーフの顔を見ると嬉しそうにしている。ならば……。
彼女の中に舌を潜り込ませる。グラーフは驚いて唇を離そうとするけど、もう遅い。両手でがっちりと彼女の顔を抑えてある。
グラーフの口の中を私の舌で蹂躙し、制圧していく。逃げられないとわかって舌で舌を押し出そうとしてきたけど、直ぐに勢いが衰えてされるがままになる。彼女の表情はもう蕩け切っている。
歯茎の内側を撫で、上顎のところを摩って、舌を絡める。私の唾液を送り込みながら、グラーフの甘い唾液を味わう。次第に息苦しさを感じ始めたが、まだ続ける。彼女を、グラーフを貪り尽くすまで。
ある程度たった後、グラーフの目が焦点を失い始めてくる。そろそろ限界か。最後にもう一度口の中を舐めまわしてから唇を離すとグラーフは咳き込むように息をした。私も酸欠でふらつくのを直そうと頭を振って、大きく息を吸い込む。
もう我慢できない。
口から唾液を垂らしたままのグラーフと額を合わせて見つめ合う。その息はまだ荒く、苦しそうだ。
「ベットに行きましょう?」
アクグラはいいぞ
もっとイチャイチャして。というかなんでこの世界線のアクグラ付き合ってないの、早くくっついて
次回は日曜朝です