忙しい人のための赤竜亭EXTRA   作:おーり

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あれ、なんでこっちが書けるんだろう


IF アーシアはやっぱり聖母だったようです(確信)

 

「なんなのでしょうねこのこれ見よがしにぶら下がっている二つのこれは。ふくらみとか果実とか、そんな表現じゃ生ぬるい。はっきり言って肉塊です。しかも男子の妄想を具現化したわけですからね、数値に改め直すと細身なのに豊満というわけのわからない女子が誕生するのです。どう見てもバストサイズがギネスに載りそうな女子高生を、デフォルトでぐいぐい出現させるのですか。わけがわかりません。女性の乳房というものをなんだと思っているのでしょうかねこの作家さんは。乳袋というのもあざといとは思いましたが、こういう直接的なビキニもさすがに店頭に並べてはいけないものなのではないですか? というか肉の塊だというのに読者の目線をあざとく引き寄せるのですよ? もはやテロですよ、視覚のテロ。実際に目前にあったら圧倒されてしまいそうですけれど、その豊かさが母性の象徴であった時代は終わりを告げたのでしょうね。視聴者に搾り取られることだけを目標とした欲望を、象徴から造形へと進化させたと謳い、ただぶら下げているだけだというのに存在感だけで、逆に視聴者からお布施という名のマネーを搾り取っているのですよ。まったく肉肉しい。今上手いこと言えましたね」

「・・・・・・アーシアさん、それ何の雑誌?」

「今月号のドラゴンエイジだそうです」

「それアリなの!?」

 

 8月半ば、我が家へと帰宅したアーシアさんは若干分厚い雑誌を抱えて、濁った目で呪詛のような台詞を呟いていた。此処で注意すべきは雑誌を読んでいたのではなく、雑誌の表紙を眺めていたという点である。

 後ろから覗き込めば、なるほど、確かに男子の目線を引き寄せる『マ●ン姫っ!』の爆乳ヒロインのビキニ姿があざとかった。というかこの世界に引き込んで良いものなのだろうか。ちなみに並行世界の俺の置き土産であったりする。

 

 怒涛の展開であったレーティングゲームだが、結果としてはディオドラの反則負け。というよりは『禍の団』と密接に繋がっていたことが判明したために逮捕となったために、今回の俺たちの戦果は公表されないこととなってしまったらしい。

 それは別にいいのですが、あの戦いで一番奮起したアーシアさんが今にもスルメを噛みつつやさぐれそうな雰囲気なのを、誰かどうにかしてください。

 そんなアーシアさんの一騎当千な活躍も、今でも鮮明に脳裏に浮かぶものである。

 

 

     ☆   ★   ☆   ★   ☆

 

 

 光の奔流から出現したのは、先ず第一に『俺』。そして、何故かバニーなコスチュームプレイをしている小猫ちゃんの登場に思わず目が釘付けになり傍らにいた小猫ちゃんにグーパンをもらうっ!?

 ぐあぁぁぁ!? 目がぁ! 目がぁぁぁっ!?

 

「む、此処は何処だ?」

「あー、『また』か?」

「にょ? 知らない悪魔さんたちがいっぱいいるにょ」

 

 口々に聞こえてくる女性の声・・・・・・って最後はミルたんじゃねえの!? 何で此処にいるのさ!?

 

「こ、小猫ちゃんいきなり顔面パンチは止めて・・・・・・」

 

 追撃が無かったことに安堵しつつ目を開くとそこに居たのは、黒いゴスロリ系の拘束服みたいなドレスを着ている女の子に、赤い髪に赤いスーツの爬虫類みたいな瞳孔の女性、そしてやっぱり魔女っ娘コスのミルたんが目に入る。

 しかしそれ以上に言葉に詰まったのは最後の存在だ。

 『それ』は、天井をぶち壊して、部屋の壁も引き破って、堂々と巨躯を外気に晒すそれは、巨大すぎる犬・・・・・・いや狼? の姿をしていた・・・・・・。

 

 ――――――――っていやいやいやいやいやいやいやいや!!!!

 ねーーーーよっ!!!?

 

 なにあれなにあれなんだあれ!? 前に駒王で見たケルベロスなんかよりずっとでかいじゃねーか!?

 修行で強くなれたと思っていたけど、そもそも『赤龍帝の鎧(ブーステッドギアスケイルメイル)』すら得ることが出来ていないのが俺の現状。今まで感じた中でも最上級に恐ろしい威圧感を感じ、俺は見上げたまま固まってしまっていた。

 

「い、イッセーくん! しっかりするんだ!」

「そうだぞ、この程度で身動きが取れなくなっていたら、もっと強いやつに出会ったとき何も出来やしない」

 

 これ以上強そうで恐ろしい奴と対面なんかしたくねえよっ!?

 って、話しかけてきたのは木場と・・・・・・、俺?

 

「何はともあれ、敵はあいつらなのか? ボコればいいんだよな?」

 

 えっ、なんでそんな強気なの。

 

「とりあえず喰らえ、――ドラゴンブレス」

 

 手からなんか出たぁっ!? ブレスじゃねえよ! それ衝撃波だよ!?

 ドラグ・ソボールのビッグバンアタックみたいなのが『とりあえず』でディオドラ眷属の女の子たちを吹っ飛ばしたぁーーーっ!!?

 吹っ飛ばされた女の子たちは悲鳴も上げられなかったし!

 っていうかこの『俺』ほぼ生身じゃん!? 神器(セイクリッドギア)は!? 今何も使った様子無かったよなっ!?

 

「イッセーさん、後ろからのは私が殺ります」

「そか、じゃあ頼む」

 

「一兎八艘・『ナニ見て跳ねる?』」

 

 一瞬で移動したバニーな小猫ちゃんが杵を抱えて背後の女の子たちを薙ぎ払うっ! 「やります」の発音がなんか物騒な意訳になっていたのは気のせいですよねっ!?

 

「ぶるぁああああ! ダブルバイセップスにょおぉぉ!!」

「「「「「ひきゃああああああ!!!???」」」」」

 

 ミルたんのポージングから繰り出される閃光が女の子たちを圧倒するぅぅぅ!? 筋肉すげぇっ!!! でもどうしてあんな効果になるんですかっ!?

 

「」モグ モグ モグ

 

 そして静かだったディオドラが巨大犬に咀嚼されてるぅぅぅっ!?

 今までで一番静かに攻略されてるよ!? 前回のあの盛大なボス系宣言は一体何処へっ!?

 

「今だカイリュー! りゅうせいぐんっ!」

「甘い。まもる」

「なんだと」

 

 そして赤い人と黒い娘は隅っこでゲームしてるぅぅぅ!!! っていうかあんたらも戦えよぉっ!?

 

「いや、私らなんか出番必要なさそうだったし」

「サザンドラ、めざめるパワー」

「こっ、氷属性!? バカなっ!?」

 

 うん、この人たちは放っておこう。

 

 気がつけば蹂躙は数秒で終わっていた。

 咀嚼されていたディオドラも、味の無くなったガムのようにベッと吐き出されてべちゃりと落ちる。

 唾液でべたべたになった彼は、たったの数秒で髪の毛が抜け落ちてつるりとはげ散らかし、直前まで感じていた膨大な魔力を全て食されてしまったように老け込んでしまっていた。ひでぇ。

 

「さて、とりあえず召喚された義務は果たしたけど、呼んだのはアーシアか?」

「イッセーさーん!」

「おっと。はは、久しぶりだなアーシア」

 

 駆け寄っていったアーシアさんが『俺』に抱きつく。

 というか、向こうの『俺』なんかイケメンじゃね?

 

「・・・・・・強さもいい男度も遥か上方修正されている先輩・・・・・・。・・・・・・ポッ」

 

 ・・・・・・小猫ちゃん?

 

「なんか弱そうなイッセーさん・・・・・・? 新しい」

 

 そしてバニーな小猫ちゃんに妙に珍しがられている俺がいる。というかやっぱり俺の評価はそちらの時空ではそれなんですね、とがっくり肩を落としてしまう。

 

 それはそうと、これでゲームを攻略したわけだから宣言があってもいいんじゃないか? 本部で何かあったのか?

 

「イッセーさん!?」

 

 小首を傾げているとアーシアさんの驚愕の声が!? えっ、何があったの!? あのアーシアさんが驚くようなとてつもない事態が起こったの!?

 

「――ああ、さすがに次元の壁を越えるにはアーシアの召喚力じゃ無理があったのか」

 

 見ると『俺』を初めとして、呼び出された奴らが身体を端から花弁のように散らして消えてゆく。

 きっと元の世界に戻ることになるのだろう。

 

 ――良かった。このまま居座られたら、はっきり言って俺の出番が減るからな。

 

「お、そうそうこっちの『俺』、そちらの聖母(アーシア)はきちんと保護しているからな。安心しろ」

 

 消えそうなところで俺の方に声をかけてくる向こうの『俺』。

 ・・・・・・出番を危ぶんでいた少し前の俺が非情に申し訳なくて心苦しいです・・・・・・。

 

 というか、なんか今変な意訳でアーシアのこと呼んでなかったか?

 

「というかそっちのアーシアは可愛いな。思わず守りたくなる」

「わかります」

「・・・・・・イッセーさん?」

「――いっそ交換しないか?」

「それだけはゴメン被ります」

「イッセーさん!?」

 

 アーシアさんが愕然とした表情で向こうの『俺』を見上げた。

 というかこのままだとこっちのアーシアが取られる恐れが大。ヤバす。

 

「冗談だよ、1割くらい」

「それほぼ本気ですよね」

「アーシアは無理をせずに、ゆっくりと帰る手段を探すといい」

「さっきの発言が無ければ是非そうしているのですけど・・・・・・!?」

「何しろこっちのアーシアじゃあ並行世界を渡る際にどんな負担がかかるかわからないからな。こちらとしても手段を検討中だ」

「きちんと、迎えに来てくれますよね・・・・・・?」

 

 アーシアさんの瞳が不安げに揺れている。無理も無いと思う。

 

「絶対に戻ってこれるさ。そっちが手段を見つけるのが先か、こっちが渡れるのかが先かはまだわからないけどな」

「・・・・・・絶対ですよ?」

 

 もう一度、アーシアさんがぎゅっと『俺』に抱きついた。

 なんだかんだでこの二人にもきっちりとした絆があるようだった。

 

「補償といってはなんだけど、これを預けておこう」

「? なんです? ・・・・・・雑誌?」

「今月号のドラゴンエイジだ」

「なんで!?」

 

 ――台無しだった。

 

 

     ☆   ★   ☆   ★   ☆

 

 

 思い返すとアーシアさんじゃなくってほぼ『俺』の独壇場だったな。

 遅れてやってきた部長や朱乃さんはともかく、目の当たりにした木場とゼノヴィアと小猫ちゃんはそれなりに思うところがあったのだろう。

 木場は今日も修行といって剣を振るいに山篭りをし、戦闘中ほぼ空気だったゼノヴィアはそれに付き合っている。小猫ちゃんは何故かバニースーツを購入して唸っていた。

 一人ベクトルが違う方向へ思考が逸れている様子だったが、あの出会いが何かを齎したのは間違いない。

 掻く言う俺としても、もっと強くなりたくて修行を始めた。

 一日一万回を目標、感謝のドラゴン波だ。

 いつか俺も、神器を使わずにあれだけの攻撃が放てるようになって見せる!!!

 

「――あ」

「ん? どーかしたの、アーシアさん?」

「付録に新しいペルソナが付いてました」

 

 ――え、アーシアさんあれ以上強くなるの?

 

 

 




~ドラゴンエイジ
 漫画版ハイスクールD×Dも載っている!
 発売日は毎月9日! 一月号、好評発売中!

~冒涜的な乱数調整!
 召喚されるのは『アーシアの知る中で』の最強です

~並行世界イッセー
 かつての己の肉体を喰らったスピリッドオブファイヤと悪魔の駒の大元となる物質ドリーカドモンにて、三身合体で新生した魔力値が天元突破している半竜イッセー
 彼がぶっぱしたマハラギダインは次元の狭間を延々と燃やす

~並行世界小猫
 悪魔合体にて新生した太乙金仙・玉兎となったバニーな小猫
 手にした杵は合体の際に自身から出た不純物で打ち直してもらった専用武器。銘を『以心伝心・乞仍棒』
 ちなみに72という呪縛からは逃れられなかった模様

~並行世界ミルたん
 イッセーの余計なお世話にて魔法少女に新生したプリティベル★ミルたん
 鍛え抜かれた筋肉から繰り出される衝撃波は全てのものを圧倒する

~並行世界ケルベロスたん
 「咀嚼! 粗食! 咀嚼! 粗食ぅ!」

~赤い人
 あいかわさん、という人物を模して姿を変えたグレートレッドさん
 瞳孔は縦に割れている中二仕様

~黒い娘
 次元の狭間を求めてイッセーに尽力を求めたウロボロス・オーフィス
 狭間を燃焼されてしまって行くところが無くなったグレッドさんと共に諸国漫遊中

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