『――起きなさい……起きないと、キス、するwがkyひゃはいいkぴrぎりあh――――ッ!』
なんか変な断末魔が聞こえたと思ったら目覚まし時計を握り潰していた。目が覚めましたイッセーです。というかこんな目覚ましを設定した覚えもないのだけど、由美子さん辺りのいたずらだろうか?
はっきり言って夢見は悪い。なんか全裸の美女に神様転生を促される夢を見た。幻想は幻想、現実は現実。己の夢をそげぶして一日が始まった、と割り切って伸びをする。
「うぅ~ん……、うるさいわね……なんなの……?」
………………なんか真横に裸の美女が寝ていた。ていうかグレモリー先輩だった。何してるんですかアナタ。また忍び込んだの?
思わずリアクションが取れなかったところへ母が強襲。てんやわんやの大騒ぎが巻き起こり、朝食をとり、グレモリー先輩が初対面のような振る舞いで両親に挨拶をして、悪魔お得意のサイミン=ジツで籠絡している。そんな様を尻目に俺はというと、女っ気のない我が家の現状にアーシアズや由美子さんが同居して居ないことを確信する。どうやら俺はガチで並行世界へとやってきたらしい。………………幻想じゃなかったよ畜生!!
☆ ★ ☆ ★ ☆
なんだかやたらと機嫌のいいグレモリー先輩に腕を組まれ、リア充的カップルの固有結界を構築しつつ朝の登校風景を醸し出してしまった。そんな俺はというと現状についてゆけずに若干引き気味だったのだけど気づかれてはいなかったご様子である。傍から見れば裏山カップルに見えなくもないかもしれないが、内心を鑑みれば先輩が富んだ道化。かつての世界線では両刀疑惑を校内に蔓延らせてしまった主犯であるのでかなり気まずい。決して内心を気づかれないようにしなくてはならぬスニーキングミッションの幕開けである。まあばれたところでギャスパーちゃんのダンボールにでも隠してもらってやり過ごせばいいか!と静かに現実逃避に思いを馳せる。
ところで気づいたのだが、並行世界in俺ということは色々と変化している事象がある可能性が大。しばらくは大人しく様子見で生きていった方がいいのかな。つうか、こんな風に朝チュンしていたということはこっちの俺はグレモリー先輩と恋人ということなのか? ナイスバディ美女が恋人とか客観的に考えれば超勝ち組みになるのであろうけど……現状、違和感しか湧かなくって困る。今朝の登校風景を目撃した松田と元浜が憤慨して突貫してきたとき、ダブルネックハンギングツリーで締め乍らそんなことを思った俺がいた。
放課後、なんか木場君が教室に俺を迎えに来た。今朝グレモリー先輩が迎えを寄越すと言っていたらしいが、絶賛困惑中であった俺はそれを聞いていなかったらしい。要件はなんなのだろうかと思って尋ねて見ると、「キミが知りたがっていることを教えてあげるよ」と意味深に囁かれる。ちょ、やめろし。顔近すぎじゃね? 木場君はどうやらこっちの世界ではあっちの方向へ目覚めているに1000万ジンバブエドル。しかし知りたいことねー? 俺の対人関係とアーシアの現状が判ればあとは別に問題ないから、わざわざ教えてもらうほどのことでもないのではなかろうか。その気になればアーシアの気を探れるのが実は半竜の凄いところ。というか悪魔は鍛えれば大概そういうことができるようになるっていうのは、あっちの世界で匙君に教えてもらってたことだし。転生悪魔はサイヤ人、はっきりわかんだね。俺としては“円”のイメージで練習してみればすぐできそうな気もする。
放置していると木場君が涙目になってきた。やだ、可愛い……。嘘嘘冗談。ウホッなことに至るほど人間やめているわけじゃねーです。とりあえず彼の経験人数を尋ねてみようかとこの場で問う。クラスの女子が全員聞き耳を立てているのが丸分かりである。ふええ、イケメンは絶滅すればいいよぉ……。
体良くはぐらかされた気がする。というか木場君のサイミン=ジツでクラスメイトに認識阻害をかけて逃げ出してきた俺たちである。そんなに身バレするのが嫌なのか。というかこの世界の彼らは事あるごとにサイミン=ジツで次第を無理矢理解決していそうな気配がする。新手の洗脳探偵か。……これは、売れるっ!
かつての世界線と同じように怪しげな旧校舎の部室へと招待される俺。オカルト部という部分は変更されていないらしい。なんだか疲れた様子の木場君を尻目に見つつ、部室へ入ると奥の方からシャワーの音が聞こえた。シルエットを見るに恐らく女性。起伏がはっきりしているので小猫ではないのだろう。確認するまでもなく入口近くのソファで菓子を食っている食いしん坊銀髪娘が待機していたことだし。……あれ? そういえばアーシアの姿が教室にもいなかったな。此処にもいないといことは、未だに転校してきていないのか?
小首をかしげているとシャワーを浴びていたらしいグレモリー先輩がバスタオル一丁で出てくる。シャワールームが完備されている文科系部室……、学校的に過剰権限を与えられている気がして正直どうなのかと言いたくなるのだが、見なかったことにして目をそらす。そらした先で小猫と目が合い、なんだか微笑ましいものを見るような目で見られた。無表情だけど。
大きく翼を広げて尻尾を生やし、デビルマン宣言をするオカルト部一同。いつの間にか俺まで仲間に入れられており逃げ場がない。ちなみに俺の羽はみんなの蝙蝠みたいな羽と違って、広げた上先端には角なんだか爪なんだか牙なんだかの剥き出しのトゲが生えててがっつりと飛翔できそうなくらいに翼。色も赤味を帯びているのでドラゴン系に属するものと思われる。尻尾も爬虫類系のがにゅるりとあるし、角まで生えていたら完全にドラコ。ばたんきゅーで負ける前にドラゴンドレッドで一掃することを覚えておこう。ていうか気づいて! 俺だけなんかみんなと違う! 「貴方を歓迎するわ、悪魔としてね」なんてドヤ顔で言っているけど俺のこれどう見ても別の種族ですから!
どうやら俺は最近堕天使に襲われて悪魔転生したらしい。昨夜も男の堕天使に襲われ、回復のためにグレモリー先輩が同衾したと説明を受ける。男に襲われるとか、こっちの俺はどれだけ同性愛ホイホイなのか……。記憶が無いから想像するしかないが、堕“天使”と付いているからには高田厚志さんみたいなリリカルマッチョな可能性が大。傷を負ったというがどういうタイプの負傷なのかは……考えたくはない。
話を戻そう(閑話休題)。で、最初に俺を襲ったのが天野? こっちの世界線じゃガチで命狙いに来てた? へー、まあドM系変態女子高生に貞操奪われたわけじゃなかっただけマシだったのだと思っておこう。それはそうと狙われた理由ってのがセイクリッドギア? 昔聞いた覚えがある単語だな。なんだっけそれ?
己の中の最強のイメージを思い浮かべてごっこ遊びをしろ、オカルト研究会に所属するにあたっての最初の指令がそれである。まるで眼帯付き女子高生の部活マンガのような試練をよくもまあ与えてくれる。中二はとっくに卒業したはずの俺なのだが、予想外の邂逅にちょっとだけwktkしている。男子は幾つになっても中二病。オカルト部に所属する気は何気に更々ないのだけど、せっかくの機会なのでいっちょ派手に気合を入れてみた。ここはやっぱりあれでしょう。「卍、解!!!」
――旧校舎が吹っ飛んだ。
萌えボイス目覚まし「訴訟も辞さない」
悪魔の駒「なんという無駄遣い」
原作「竜の手の亜種ね」
以上の三本でお送りしました
見た目に騙されない思考形態というよりはものを知らない若さゆえの過ちと言った方がしっくりくる原作的判断力
お蔭さまで無茶苦茶な戦力強化に踏み込んでしまったグレモリー眷属です
制御法が見当たらないよぉ、ふええ…
以下、卍解時の裏事情↓
「――っ、なんっ、て馬鹿魔力だ……っ!」
と堕天使総督は戦慄し、
「……、また、始まるのですね……」
天使長は机に俯きがちに悲しげに呟く。
「っ、相変わらず、派手な登場の仕方をするね」
魔王は訳知り顔で苦笑し、
「はは、はははははっ! いいぞ赤龍帝……っ! 最っ高のファンファーレだっ!」
自称ライバルは高らかにあざ嗤った。
まあ、此処(あとがき)って基本冗談なんですけどね
次回、悪魔の仕事。そんなことよりファミチキください
お楽しみに