朱髪のお嬢様
今日も今日とて、とある部屋でひとり、ゲッスイ笑顔でゲッスイ笑い声をしているゲッスイ男がいた。そのゲッスの名前は矢衣りとね。いつも通りベッドの上に正座をしている。なんでわざわざ正座をしているんですかね?なに?癖?なら別にいいけどさ、正直辛くない?あ、辛くないのね。
「クヒヒヒ…今日も催眠術を使う時が来たぜ…」
皆さんは解っていると思いますが独り言です。傍から見たら気持ち悪いっすよ。うん、マジで。
さて、彼の目の前にあるのは、いつも通りの催眠装置~(未来の青ダヌキボイス)。あ、私は旧世代の方が馴染みがあります。さてさてこの催眠装置ですがぁ!なんとぉ!都合が良いことにぃ!パワーアップしやがりましたぁ!イエーイ!………いやなんでパワーアップできるの?こういうのって普通はもうちょっと経ってからでしょ?ほら、こう、強敵が現れて新たなパワーアップが~とかこう、色々と段階を踏むでしょ?なんですっ飛ばしてんの?
どっかの全ての元凶と化してる兎耳畜生博士か、十二人のサイボーグ娘を作っちゃうようなどこか憎めないパパ博士か、どっかのダンディボイス元堕天使総督とか、わだじは神だぁあぁぁあァァァァ!!ブゥゥゥゥゥン!!と叫んじゃいそうなゲーム会社の社長か、てぇんさぁい物理学者(記憶喪失中)か、お月様一本背負いをしちゃうような全裸巫女とか来ちゃったんですか?
何はともあれ、パワーアップしちまったもんしょうがない。だってパワーアップしちゃったんだからか仕方がないでしょ!?
はい(現実逃避)、この最新機種になった催眠装置を手に、今日も今日とて、なんか雑に現れた次元の渦へといざ旅に出るのであった!イクゾー!
さて、今回最初の犠牲者はこいつだぁ!はい、椅子に座っておりますのは、とある部活動の部長さんです。可愛いですね、綺麗ですね、ルビーのような朱い髪が煌いていますね。キリッとしてる顔立ちとか割と美形に分類されるんじゃないかな?
しかし何よりもめだっているのが、どーんと突き出ておりますこの胸部装甲であります!デカいですね(正直者)『は?(マジ)』お前胸にメロンかスイカでも入れてんじぇねぇの?という位です。突き出ている胸部装甲ですが、その大きさに限らず、重力に負けること無く形を保っております。いや、それはおかしい。だが悲しいかな、彼女でもこの世界では普通なのです(白目)。教授、これは一体!?
ッと失礼脱線しましたね。ではちゃっちゃと弄るということで、りとねはゲッスイ笑顔で催眠装置を起動させた。ピッポッパの音と共に、催眠装置が発動。まともやハイライトオフの瞳が見つめてきます。いや本当に恐いって。あとはキーボードで入力するだけですね。やっぱお前キーボード入力早いよ。
「これであとは結果を待つだけ。クヒヒ……愉しみじゃねぇか」
やっぱ言動がゲッスイよお前。まあこれで目的は達成したので、後はゲッス野郎のりとねはクールに去るだけ……!?
ミコーン!ミコーン!ミコーン!
りとねは催眠装置の謎の音に警戒をした。何やら不穏な存在が近づいてくるようです。父さん、妖(しい)気(配)です!
どうやら何やら恐ろしい存在が自分に向かってきているらしい。というわけで、りとねは最新機能の1つを使うことにした。その機能とは『
不穏な気配は廊下側から感じるので、りとねは部室の扉を開けた。
「へぇ?」
そして目に入ったのは、りとね自身も知らない謎の学生だった。この学校の制服を着ているというのに、なぜか不自然に見繕っった、テクスチャだけを取り繕っただけでの印象だった。その学生から感じる何かに、りとねはにやりとゲッスく笑った。りとねは直感で理解した、自分の同類だと。自分のように何かしらの力を手にした存在だと。ただし、その根幹の部分は相容れないほどに真逆な存在であると。試にりとねはその学生に向けて、催眠装置の追加機能を起動させる。
「やっぱりな」
ゲッスいニタニタ顔をしながら、りとねはそいつに歩み寄る。表示されているのは、目の前の学生のプロフィールである。それこそ身長体重から始まり、まあ人には隠したい黒歴史的な何かまで、そりゃもうがっつりと書かれている。いや、個人情報ってレベルじゃないです。警察は早くこのゲスを捕まえるべきそうすべき。
さて、本人の知らぬ間に丸裸にされているわけだが、りとねはその内容に顔をしかめた。まあ、全く持ってゲスイ内容だった。りとねは自分の直感の鋭さに辟易する位に予想通りの下種さだった。お?同族嫌悪か?そう思うならお前は鏡を見ろ?ゲッスイ奴が映ってるよ?
そしてしばらくだまっっていると、何かを思いついたのか、そのしかめっ面が気持ち悪いほどにゲッスくなった。多分、頭の上に豆電球が出たと思うんだよ。こう、キラリーン!って。ようはまあ、追加オーダー入りますって奴ですね。やっぱゲッス野郎ですよこいつ。
「グヒヒヒ、俺に出会った不幸を呪うんだな」
それ、お前の台詞じゃねぇから。それを言っていいのは、ロボットパイロットでイケメンボイスのIKEMENだからな?そう言いながら、りとねは催眠装置を再び起動するのだった。
「これ、生徒会からの資料です」
コンコンと叩かれた扉を開けると、そこにいたのは生徒会の助っ人少年だった。生徒会長とはちょっとした仲だから、私は彼のことは色々と聞いていた。あくまで助っ人でしかなく、生徒会メンバーとは違い、
まあでも、私の僕の一人であるあの子といい、本当に男の子なのかしら?と疑ってしまうのは仕方がないと思ってしまう。それこそ新しく眷属になった彼も、あの子と出会った時と同じようにショックを受けていたことを思い出して笑ってしまう。
「あそうだ、部長さん」
机の上に資料を置くと、彼は胸ポケットからスマートフォンを取りだした。
「生徒会長さんから言われたんですけど、部活説明会に必要な写真が欲しいみたいでして、今とってもかまいませんか?」とのこと。
生憎、他の部員は色々と仕事をしているせいで、今は私一人しかいなかった。なので、それなら部員が揃った時の方が良いのではないか?と質問すると、「一人一人の個人写真もいるみたいで、取りあえず部長さんだけを先に取った方がいいかな?と」
まあ、私自身も早い方が良いと思い、綺麗に写してねと一言。一瞬、フラッシュで目が眩んでしまったけれど、良い笑顔で撮ってもらえただろうか。
そう思いながら資料に目を落とすと、ノックもなしに扉が開いた音がした。そこに目を向けると、なにやら私をじっと見つめてくる女子生徒。その目は常軌を逸しており、口から涎が垂れている。
え?え?
混乱する私を余所に、彼女はだんだんと私に近づきそして、
「お姉様!私を下僕にして下さいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
その叫びに私は卒倒したのだった。
「というわけで、新しくお姉さまの下僕になりました、
目が点になっている部員たちに私は頭を抱えた。何人かは私に対してどうすればいいんですか?という対処を求めてくる視線を送ってくる。正直、私だってどうすればいいのか解らない。というか、この子があんまり過ぎなんじゃないかしら?
まるで急に現れたような子だけれど、その力は見過ごせないほどに強力で、一領主として彼女を保護しなければならないと実感した。確かにその力は目を見張るけど、やっぱり一般人を危険に巻き込むことは私としても看過できない。
やはりお兄様たちに相談しよう。私は自身の未熟さを感じ、今一度自分に出来ることを考えることにした。愛する家族を、領主としての責務を果たすためなら、私のプライドなんて必要ない。頭を下げて教えを乞おう。まずは、この子の扱い方ね。私は再び痛くなりだした額に手を当てるのだった。
「クヒヒ…お嬢様、まずアンタは色々と学ばなきゃいけないと俺は思うんだよねェ。だからさ、アンタには悪いが、悪魔のプライドを弄らせて貰ったぜ。ケヒヒ、思慮深いお嬢様なんて、アンタらしくないけどなクヒ」
相変わらずゲッスイ笑い声のりとねである。彼が手にしている写真には、学生服ではなく煌びやかなドレスを纏った女性が写っていた。りとねはその写真を本に収めると、『魔王リアス・グレモリー』と記入する。その隣には、なにやら苦笑いしている茶髪の青年とその右腕をしっかりと抱きしめている彼女の姿。まあ、そう言うことだ。
「それにしてもクフフ…予想外な奴に出会ったぜ、ククク」
りとねが予想外な存在を思い出し、ゲッスイ苦笑いをする。お前、苦笑いもそれかよ…。予想外の闖入者だったが、ゲッス野郎りとねが先を制したということで終わりである。
「まあでも…クヒヒ、残念だったなぁ
こいつ、とうとう責任転嫁までしやがったぞ。こいつはゲスじゃなくてクズじゃないですかね。
ゲッスイ笑顔で見つめる画面に映っているのは夢江出ぬい。