ハイスクールD×D~降臨せしは黒き無限の王~ 作:エアーMk-2
今回は原作ヒロインの一人と出会います。
「本当に空は紫なんだな」
『でしょ?』
私は今回冥界に来ている。
理由は簡単、私の興味本位だ。
私も前世では冥界に住んでいたがあの世界における冥界は人間界と同じ場所にあり唯大陸が違うだけだった。
なので空も青かったし植物もほぼ同じものが生えていた。
「異界にあるだけあってこうも違うものか」
紫色の空、人間界とは違う動植物。
気候条件などはほぼ一緒なのにこれほどの差があるのか。
色々と観て回るため森の中を歩く。
『ん~、久しぶりの冥界だ~♪』
「楽しそうだなドライグ」
『こっちに来るのは神器に封じられて以来だからね~』
「歴代の赤龍帝は誰もこちらには来なかったのか」
『ベルザードやエルシャ以外は白龍皇の打倒にしか当時は興味が無かったから。秋葉ほど色々見て回る事は無かったね』
「ふーん」
ちなみにドライグ今言ったベルザードとエルシャの両名は男性と女性で歴代最強の赤龍帝だったらしい。
普段は神器の奥深くにいて私もまだ一度しか会っていない。
チチチチ
ク~ン
森を歩いていると色々な動物が寄ってきた。
「ふふ、中々人懐っこいやつらだ」
『秋葉って動物に好かれやすい体質なんだね』
「……ああ、この間は野良猫に群がられて大変だったな」
以前公園に座っていたとき猫が一匹寄ってきたと思ったらいつの間にかあれよあれよと増えてた。
「アレはさすがに……ん?」
『どうしたの?』
「泣き声……?」
《…………》
微かだが確かに聞こえた。
「あっちか」
私は微かに聞こえた声の方向へと飛んだ。
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私の名前はリアス・グレモリー。
今日はお家の近くにある森の中に来ていたのだけれど……
「ここどこぉ……?」
少し奥まで来すぎてしまったみたい。
帰り道が全然分からない。
「えっぐ、えっぐ、ぐすん」
どれだけ歩いたかは分からない。
むしろさらに奥へ来てしまった様な……
「ぐす、もうつかれたよぉ……」
その場に座り込んでしまう私。
「あ、見つけた」
「え……?」
でも私はこの時幸運だったのかもしれない。
だって
「何でこんな所で泣いているんだい?」
彼に出会えたのだから。
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森の中で泣いていた少女。
彼女はリアス・グレモリーと言う名らしく、道に迷ったらしい。
歳は私より一歳年上。
最初見たとき年下かと思ったのは内緒である。
(それにしても『グレモリー』か)
グレモリー。
ゴエティアにおいてソロモン72柱の一角、公爵の地位を持ち老若問わず女性の愛をもたらす力を持った悪魔。
鮮やかな紅い髪を持つ彼女は私の手を握り笑顔を私に見せてくれる。
きっと将来は良き女性になるだろう。
「ねぇねぇ、秋葉は何でこの森にいたの?」
「ん?ちょっと用事でね」
今纏っている気を悪魔のそれに合わせているので人間だとはばれていない筈。
「リアスの髪は綺麗だね」
「秋葉の髪も綺麗だよ?」
「ははは、ありがとう」
イリナの時も思ったがこういう純粋な気持ちは自分には少し眩しい。
自分が過去にしてきたことを踏まえると尚更だ。
『秋葉、今は今、昔は昔だよ。気にしなくてもいいと思うよ』
(そうだな。ありがとうドライグ)
『どういたしまして♪』
さて、リアスと話をしながら彼女の持つ魔力と似た魔力を探し歩くこと十分ほど。
「お母様っ!」
どうやら見つかったらしい。
リアスはそのまま女性の方へと駆けていく。
あれがリアスのお母さんなのだろう。確かにリアスによく似ている。
(さて私も帰るとしよう)
もう用は達した。私はリアスを見届けるとその場から姿を消した。
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『良かったの?あのまま帰っちゃって』
「良いんだよドライグ。あの場に私は邪魔なだけだ。それにまた会えそうな気がするしな」
『ふふ、あの時の秋葉お兄ちゃんみたいだったよ』
「ふ、そうか」
秋葉とリアスが再び再開するのはまだ先の話である。
如何でしたでしょうか。
次回も原作ヒロインの一人と出会います。
次回「堕天使の血を継ぐ少女」