『俺の二次元嫁』....これが....? キャンバスには肩まで髪のかかっている少女と金髪ロングの美少女が描かれているけど....『肩までショート』の娘の頭には左右ケモノの耳が生えていて、『金髪の娘』の方の両耳の先はとんがっている....服は『肩まで』のが白のブラウスの上にフリルを付けた黒のエプロン? にさらにコチャコチャヒラヒラしたものを足したスカートを履いて....ゴス□リ?? 『金髪』のは肩をはだけた白いドレス? のような露出度が高い服を着せられてる....しかもともに....アニメ顔....はあ....
「どうです? この二人! よく描けてるでしょー! 平沢? くんの顔を見てたら新しい『俺の嫁!』のインスピレーションが浮かんだんです!! これで女子の服装をしていたら....! どうです? 次はこの奥にあるモデル用の衣服を着てモデルになって....」
「?・・・・ !!っ ・・・・ わ〜〜〜〜!! ダメダメダメ〜っ!!! もうこれ以上平沢さんに迷惑かけちゃダメーーーーっ!!!! ・・・・」
ホンとめいわくだー!! モデルの結果がこの絵とはーーー!!! モデルも要らんじゃん!! ナニ? ここは『彫塑?』部でしょ!? こんなアニメ絵とどんなかんけーがあるのさーーー!!! て言おうとしたら(言わんけど)宇佐美センパイのほうが顔を真っ赤っカ! にして怒ってる....しかもオレのほうにも顔を向けて涙目でム〜! としてる....えーと....ナンデ??
「おおおー! これは以外な進展だなー!!」
「デスねー! 宇佐美センパイにオモワぬライバル! しかもソレはオトコノコ!! ホンと二次元の世界が実現するデース!!」
「....ちょちょちょちょっ....!? チョっとっ!! ブチョーっ! コレちゃんっ!!ナニいってっ....!!!」
「ちょっとまってください?二人とも!ボクの夢は現実の女の子を絵画の上で理想の二次元嫁に変化させて、それを三次元の世界に実現することですよー? このデッサンはまだその前段階です」
「えええと....ハイ???」
・・・・ ナンかもうナンだか....内巻先輩にはさらにモデルをたのまれ、その様子に宇佐美先輩には睨まれ、ブチョーとコレさんには囃したてられ....オトコノコ? 二次元? 三次元?? もうこんがらかってきてるし来るんじゃなかった・・・・
「おう、内巻、もうそろそろお前の計画を明かす時がきたようだな。みんなに奥の物見せてやれ」
「はあ、アレを、ですか?」
「オー! いよいよ見せてくれるデスね!!」
「....なにを....ですよ....」
「・・・・・・・・」
....なんだかもうどうでもよくなってきた。つまりこの部活での問題点は、この4人だけで完結してるってことじゃない? 奉仕部の誰かが言ってた「人間関係ができあがってる」てこーゆうことか....でも『計画』が気になったからまだ付き合うけど。
「しょーがないですねー。ほら、ここへ来て見てください?」
「この棚...引戸に鍵が掛かってるって....」
「....オー! ソレがソノ鍵ですネー!」
「じゃ、開けますよー!」《カチャっ! スススー!》
「....えええと、コレ....?」
内巻先輩が俺たち3人を奥の倉庫に招き入れて壁の側面に並んでいる棚の中の木製の引戸を開けた....ああ成る程....そうでしょうよ....
「....なに? コレ?? この人形たち....!?」
「見ればわかるでしょ? 『俺の嫁!』のフィギュアたちですよー」
「ウワー! たくさんデス!!」
「これ、普通に売ってるの....ですか?」
棚の中には十数体のいわゆる『美少女フィギュア』が横一列にならんでいた....もう驚けない....一応無難な質問もしてみた....答えはおそらく....だろうけど。
「なにいってんですかー! 『俺の嫁!』が普通にショップで売られているわけないでしょー!!」
....ですよねー!!
「....じゃあ! これ、全部....内巻くんが作ったの!?」
「そーですよ! さすがに中学のときは技術もまだまだでしたけど高校に入ってこの作業場を部長から提供してもらってから『俺の嫁!』の三次元化がはかどるようになりましたからねー!」
「OH! ブチョッ!! GJデス!!」
そういやこの倉庫には机もあるけど上は片付けられてるし....ここでかな?
「作業を見られても別に困らないんですけど部長が片付けとけって! まあいいですけど?」
まあ学校で美少女フィギュアを作ってるなんて他に知られたら体裁悪そうだしなー! でも仕上りは良く出来てるみたいだけど?
「そうですか! じゃコレ見てください! これは渾身の一作なんです!!」
内巻先輩から20センチぐらいのフィギュアを手渡された。んーコレ、さっきのデッサンの服と似たようなデザイン....かな? 髪はショートボブで白ブラウス黒エプロン?スカートも黒で膝上、白いニーソを履いていて靴はパンプス? の立ち姿。右手にはりんごを乗せたお皿を掲げている....ん? このヘアピン....?
「これ、中学の時に宇佐美さんがモデルをしてくれたでしょ? その時のデッサンを使った作品なんです! どうです? よく出来てるでしょう!!」
「....えええと....これ....あの時の!?」
宇佐美先輩もこのフィギュアを喰い入るように見始めた。自分がモデルと言われりゃそうなるかな?
「オオオ〜! コレ! 可愛いデスね〜! 内巻センパイ! ヤルデス!!」
「え、え〜! と....ええ....これわたし....えへへ〜....////////!!」
ああ....宇佐美先輩トロかされてますね....てかチョロいんですね〜....なんか相好? がユルユルなんですけど....わかりやすい先輩デス!
「でもスゴいですねー! 市販品とは違う質感ですけど細いところも良く作り込まれてますし」
「ああ、あれは量産品ですから。コレは一からパテで捏ね上げたものです。重さも少しありますからね」
ああ、だから『彫塑』部! なワケなのかー! 間違ってはいない部活名だしコレを売りにするつもりかな?
「....でででも! これって....服....ぬがせられない....わよね....??」
宇佐美先輩、妙なことを仰る。女子ってそんなこと....自分がモデルとわかったら気になることなのかな?
「まあこれは、服の部分もパテで塗り固めて作ってますからねー」
「そう、よかったあ....」
「でもまあ、下から覗いて貰えれば宇佐美さんがあの時履いてたのと同じ柄の....」
「・・・・っ! へ?? えっ!? 《グァシっ!》・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・っ!・・・・・・・・エェエエ〜〜〜〜っ!!!! ・・・・!」
宇佐美センパイがあわててフィギュアをオレから奪い取った....! そして『下』から....またまた顔が
沸騰して捲し立てる!!・・・・
「・・・・ ななななななななナンてモノつくってクレたのよ〜〜〜〜ッ!!!! こんなモノ!
ヒトに観せられないじゃないのーーーー!!!!////////・・・・ 没収っ!!!」
「えーーーーっ!! なんでですかーーーーっ?? オレのヨメですよーーーーっ!! かえしてくださいっ!!」
「ダメダメダメダメ〜〜〜〜ッ!!!! かえさないんだからーーーーっ!!!!・・・・』
・・・・ はあ、このやり取りしばらく続きそうだからコレさんと倉庫から出てきたけど....ここは
ダメだ。楽しそうだけどコレじゃない!!
「おうお疲れさま。どうだあの二人は?」
「ダメダメですネー! 中学から成長してナいデス!」
「ははっ! そうか! まあその平沢? 君、ここはこういう部活だ。ちょっとばかし君たちの要望とは違うとこだったろー!」
「ええ....はい??」
....てコトは....ここって、あの二人の青春ラブコメを暖かく見守る部活なの....!? 時にはちょっかい出して二人の距離を縮めるとか??
「まあそんなとこだ。せめて俺が卒業するまでにはあの二人をくっ付けさせたいんだがなー!」
「まだまだミチは遠いデス! ねーブチョ!!」
ナンてブカツだっ! とはいっても....コレはこれでありかも....ここの部活の実績はどうかは知らないけど部として存続できるなら文句は無いか。
「実績? んー、まあこれだ。ほれ」
部長がソファーの下から....数枚重ねられているキャンバスを出してきた。見せてもらうと....
「....これ、凄いですねー....」
「ああ、全部俺の絵だ。幽霊部員の署名も付けてコンクールに出したんだ。まあ賞は取れんかったがなー、コンクールに出した、てことで実績は積んである。これでこの部活にも問題は無いだろう! ハハハ!」
いやでもこの絵って....なかなかのモンですよ!! 肖像画が四枚、そのモデルは....
「アー! これコレットですネー! 可愛いデスー!!」
「これは内巻先輩ですね。実物よりも美形に描いてますけど....」
「ンー? この絵は....誰デス??」
「おう!俺の自画像だ!」
「修正し過ぎデス!!」
「なんだとー! ハッハッハ!」
「えーこの絵は何です?」
ん? 奥の倉庫から痴話喧嘩を終えて出てきたのかな? 内巻先輩が四枚目の絵を取ってジー・・・・と見つめてる。
「....この絵! 部長っ! この絵をボクに下さいっ!! ボクの嫁にしますっ!!」
「「「「へっ???」」」」
....コレさん内巻先輩ブチョーの肖像画ときて最後の絵は....内巻センパイ気付いてないの?? 後ろでは先程まで内巻先輩とケンカしていた宇佐美先輩がモジモジしながら気づいて貰いたそうにしてるけど....
「どうです! 宇佐美さんこれ! 今度はこの絵をモデルにしてフィギュアを作りますよー! これなら宇佐美さんも文句無いでしょうからねー!!」
「....えー、そう、....フン! 好きにしたら!? ....うん....////」
・・・・ もうこのへんで部外者はオサラバといたしますよー....コレさんと部長さんに見送られながら部室をあとにしたけど....それにしてもこの手の喧嘩? って見守るほうも結構疲れるもんなんだねー。このひとたちは面白いのかも知れんけど。でも部長さんの絵にはなんかとても暖かいものを感じたよなー....みんなお互いが大切なんだ。中学の頃からの仲間ってはなしだったし....さて! 俺も大切? な姉ちゃんのため! 残りの部活へと足を引き摺りますかね! はあ....
以上『この美術部には問題がある!』からでした。公式には登場人物の『内巻すばる』には『フィギュア製作』の設定はありませんが(アニメのみ視聴)ここでは筆者の独自の設定とさせていただきます。