メイくんのぼうけん。   作:ばなナイン

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おしごと!

 

 

 

 

「・・・・ ああ....ココアさん、もう帰ってきたのですか。べ、別にわたしはそんなに寂しかった

わけでは....あ、」

 

「あのおー、ここ、『ラビットハウス』でよかったですよねー?」

「....そそそそう! そうですよねっ....!」

 

店の中に入って、すぐ店員さんに声をかけられた。まだ子どもかなー? 幼く観える女の子が

ひとりいるけど。それにココア? 今日のおすすめかなー? でもまずはっ!

 

「・・・・ いえ....失礼しました。・・・・ いらっしゃいませ。どうぞお好きな席へどうぞ。

ご注文はのちほど....」

「ハイっ! おねがいしますっ!」

「・・・・ はい??」

「おい.... ユイ??」

「ご注文はうさぎですっ! どこにいるんですっ??《キリっ!》」

「....こらっ! ユイ! 私たちは遊びに来たんじゃない! 早く挨拶を....!」

 

「・・・・ ハイ、あなた方が琴吹さんからここへのアルバイトを申込みをした、秋山 澪さんと

平沢 唯さんですね....どうぞお待ちしておりました。私はここのオーナーの孫で『香風(かふう)智乃(チノ)』、

と申します。先ずはこちらへどうぞ」

「あ! はい、これはご丁寧に。宜しくお願いします! おい! ユイも!」

「ェエエ〜〜っ!! うさぎ〜〜っ!!」

「小学生か!」

 

こうしてワタシとミオは、この小柄で長髪銀髪で頭に白い毛皮の帽子? を乗せている小学生の

女の子に更衣室へと案内された。ここでユニフォームに着替えるのね....ミオどのと一緒に....

 

「《....ムっ!》わたしは中学三年生ですっ。では、これに着替えて下さい。ピンクが平沢さん、 

紫が秋山さんです。サイズは大体合っていると思います」

「「はい!」」

「着替えたらカウンターに来て下さい。接客やレジ、コーヒーの淹れ方などお教えします。では」

 

んー....ここでワタシとミオが二人きり....一緒に着替えにゃならんけど....ただワタシには目算が

ある! つまり、

 

「・・・・ あのぉ....着替える前に....いいですか....?」

「え? はい....どうぞこちらです。では平沢さん、先に着替えたらカウンターまでお願いします。

秋山さん、ご案内します」

「ハイ....ユイ! 後でな!! ・・・・」

「うん、いってらっしゃーい・・・・」

 

・・・・ こういうことなのだ! つまりはミオは恥ずかしがり屋っ! 着替えるときはひとりでっ!

と、これも山中先生やのどかとの対策会議で導き出された結論なのだっ! ほんとに予想通り....

あの二人、頭イイ!!・・・・《カチャっ》

 

「・・・・ あの....平沢?さん....お着替え....終わりましたか?」

「! ・・・・ ははハイ! いま着替えてるトコですぅ!!・・・・」

「着にくいでしょうか....サイズが合わないとかないですか?」

「・・・・ イイイエ! だいしょぶですっ! あはは・・・・」

「そうですか....では、カウンターでおまちしております・・・・ フム!《パタン》」

 

・・・・ あぶなかった・・・・ちょうどユイからちょろまかしたTシャツ(おだんご!)を脱いだとこだった....でも山中サワちゃんに『念には念!』と、『シャツの下には『ブラ(スポーツ用パッド入り....)』を常に身につけるように!』 と強制させられていたし....なんか慣れてきたけど。

さらにその上にも『キャミ? を着れば二重に安心!』 とも....よかったあ〜....でも、あの

チノさん、ここから出るとき軽くガッツポーズきめてたけど? なんだろ?

 

《カタ、カタ、カタ、、、》「あのぉ・・・・」

「フム、来られましたね。ではこちらへどうぞ。コーヒーの淹れ方をお教えします」

「はーい」

 

....このチノって女の子、すごく醒めてて冷静で、う〜ん! 同じ中三でもウチのウイ! とは

ずいぶん違うなー「平沢さん」

 

「あ、はーい!」

「フム、この様にサイフォンの上部にお湯が溜った処で軽くこのスプーンでかき混ぜて下さい。

軽くです。ムキにならないで下さい。面白がって何回もかき混ぜてお客さんに出せないコーヒー 

を作って喜んでた困ったアルバイトの人がいたものですから。ハイ」

「はい! で、そのアルバイトのひとは?」

「連休中は帰省しています。もう一人いるのですが、その人は自分のお父さんの部隊と一緒に

山岳キャンプ中です」

「部隊....? でもキャンプなんて健康的だねー!」

「食糧を全て現地で賄うサバイバル・キャンプだそうです。私も一度付き合わされて大変な目に

遭いました。もう二度と御免です《フム!》」

「あははは....」

 

あああ....はなしが続かない....! この子スゴく冷静だし感情も表に出さないし〜どお接すれば〜!!

 

「ああ! 遅くなってすまない! あ! いや....香風さん、その....遅れました....ごめん....なさい」

「!! ....いえ、いいんです。では、秋山さんには・・・・・・・・ あの....いいですか?」

「あ、はい!」

「秋山さんのその髪....両側で....纏めてもらえないですか........?」

「へ??」

 

んー? チノさん、ミオの姿をジーと見つめて妙なお願いをするなー。なんだろ?

 

「....こ、こうか....?」

「....フムっ! ありがとうございますっ。なんか落ち着きます・・・・ フン!・・・・」

 

わあ! ミオのツインテール! これは新鮮!! ケータイで二人に送ってやーろお!《カシャっ!》

 

「おいっ! やめろー!! こんな姿写すな〜!!」

「エ〜! こんなにカワイイのにっ! ミオのケチっ!」

「....はずかしいんだよっ!! こんな、髪形、わたし、似合わないし....」

「....そんなことないですっ! 秋山さんっ....似合ってます! 《フンッっ!!!》・・・・」

 

んんん・・・・ なに急に?? なんでチノさんミオの髪形でこんなにコーフンするわけ???

フェチなの?

 

「秋山さん....今から秋山さんを『ミオさん』とお呼びします....いいですね?」

「え? あ、いい! いいぞ! うん....!」

「ではミオさんっ、レジの打ち方をお教えします《フムっ!!》」

 

あー....なんかチノさんに教えるスイッチ! がはいったみたい....なんかよくわからないけど

まあいいや。で、ワタシは次なにやるの?

 

「ユイさんっ、あなたはコーヒーの続きをです!私が納得するまで何度も淹れて貰いますよっ。

覚悟はいいですよねっ?《指差してフフフンっ!!!》」

 

....わー! ワタシの『ユイ!』呼びには許可なしなのっ?? チノさん以外とスパルタ性格なのかな??ま、言われたとおりにするけどっ....!

 

 

「・・・・ ユイさん、まだまだです。もう数回淹れて頂きます」

「えええ・・・・ もう休もうよ〜〜!! チノさ〜ん!!」

「私もだ....コーヒーをこれ以上試飲するのもなー。香風さん、少し休憩しては....」

「はい、わかりました....でも、それには....条件が....あります....////」

「「なに?」」

 

 

「・・・・ 私....のことを....『チノ』と....呼んで下さい....その....お願いします....////////」

 

 

「えーと『チノ!』か? じゃあ『チノさん』!」

「....ミオさんは、『チノ』....と呼び捨てにして下さい....」

「じゃあワタシもっ!『チノっ!!』! どお?」

「ユイさんは『....ちゃん』付けで....おねがい....します....////////》

「どうなってるの〜!!」

 

「はあ、わかった....じゃあチノっ!・・・・」

「・・・・ はいっ!」

「じゃあチノちゃんっ!!・・・・」

「・・・・ ハイっ! ユイさんっ!・・・・! フム!」

『・・・・ おおおーーー! チノ! やっと元気が出てきたのおーー!!・・・・』

「・・・・ はい! おじいちゃん!・・・・!! あ・・・・」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・ ななななななナニ!! ・・・・ユイっ!」

「・・・・ なんかおとこのひとの声がきこえた〜〜っ!!!」

 

エエエ・・・・ アレとおなじだあ・・・・ あの奉仕部の時と・・・・ まさか! ワタシに取り憑いてきたとか・・・・! ウギャあーー・・・・!!!

 

「うわわわわわわわ!!」

「!・・・・ ないきこえないきこえないきこえない・・・・!!!」

「・・・・ ふたりとも落ち着いて下さいっ....! ・・・・ これは....私の腹話術です・・・・っ!」

「・・・・こえな「....ふくわじゅつ〜〜??」」

 

・・・・ あれがっ? なんか人生の年輪をかさねたような含蓄? のある声だったじゃん!

 

「・・・・ お二人を歓迎次いでにサプライズで驚かそうとしただけです。まさかこんなに驚かれるとは思ってもいませんでした....申し訳ありません....」

『・・・・ おおそおじゃ! なにも心配せんでええ! ほっほっほ!!!』

「・・・・ ヒッっ!!!」

「....ティッピーっ!! あ、いや....これ『ティッピー』ていうんです....はい、これ、どうぞ....」

「....あ、ありがと....あはは〜〜!....」

 

チノ....ちゃんが頭に乗せていた毛玉の大きいのをワタシに手渡した....けっこう重い....なんか

グニャ、としてるし....えええ? 勝手にグニャグニャしてきた〜〜!!!

 

「....わわわわわわわっ!!!....」

「ユイさん落ち着いて下さい! これは貴女が先ほど注文した『ウサギ』ですっ」

「へ?? ウサギ....? コレが!! え〜〜〜っ!! ....わっ!!??」

 

手に持っていた毛玉に目が点々!! いや! これはホントのウサギの目なのかなっ??

 

「これは『アンゴラウサギ』といわれるもので、この辺りに生息している野良うさぎにもいない

外国のうさぎなのです。私はこれを使って腹話術の練習と『コーヒー占い』をしているのですっ。

《フフフンっ!!》・・・・」

 

なんかアタマの整理が付かないけど....つまり〜、

 

「チノ....はこのウサギを腹話術の人形の替りにして腹話術の練習をしているってことだな?」

「はい、そうです。簡単な話でした....ではユイさん、このティッピーをカウンターにおいて

下さい」

「....は〜〜い....あははははあ....」

「....ユルい笑いかただな....ユイ」

「えへへへへ....ミオだってぇ....」

 

....あ〜〜! びっくりした....まだここに着いてからそんなにたってないのに....なんか疲れが

ドっとでた〜!!

 

 

 

 

 

 

 

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