メイくんのぼうけん。   作:ばなナイン

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そうだん!!

 

 

 

 

「・・・・着いたぞ! じゃまする! いるかー!!」《ガラガラ!》

 

「・・・・ あら先生、よくぞここまでたどり着かれたものね。お褒めいたしますわ・・・・

それにこの封印されし暗黒幻視門(ダーク・イリュージョン・ゲート!)をお(くぐ)りになるみぎりにはノックを! との御自身の誓いを自ら破られる御所存で? フフフ!」

 

えー・・・・ あのー・・・・ これはー・・・・

 

「まあまあ! これはお久しぶりで御座る! 顧問殿!! 前持って連絡して頂けたら御茶や御茶受けの御用意も致しましたものを! オヤ? ひょっとして・・・・ 依頼人でござるな!! 部長殿!

仕事で御座るぞ!!」

 

アラフォー・・・・いや、『未だ穢れを知らぬ高原の白百合(自称)』さんに連れられ、高校敷地内でも授業を行う校舎からやや離れた所にあるこの建物の一室に入った。特に書籍や実験用資材、鉱石資料など、滅多に使われない物資を保管するための倉庫だと聞いていたんだけど、休憩室なんて部屋もあったんだねー。で? このヒトたちは・・・・?

 

「あら、『部長』だなんて、社畜として飼い慣らされている腐れ一般人供が互いを引きずり押し合いながらもその頂きに達すること無く程々の処で『安住の地』として決め込んだ社会的地位の事よね? そんな不粋な肩書でわたしを呼ぶのは辞めて頂戴?」

 

えええ・・・・ ナニ言ってんの・・・・ オレたち姉弟にはレベルが違いすぎる・・・・ やっぱしこの高校って秀才たちの集まりなんだな・・・・ のどかなら理解できるのかな??

 

「そうで御座った! テヘっ!! さてお立会い!

・・・・ ここに御ましまするは幾万光年の時を隔てしも邂逅すべき宿命の相手と巡り逢うため! 幾度と無くこの未開の地に転生せし暗黒界の堕天使!!・・・・

・・・・『黒猫!』殿!! で!あらせられますぞー!!・・・・」

 

ああ・・・・そういう・・・・ でもアタマが良過ぎて、て話も聞いたことあるしなー・・・・

でも目の前で拝むのは・・・・ で、そういうアナタは?

 

「拙者で御座るか? 拙者はこの部における副部....いや黒猫殿第一のサーバント!

『クワトロ・バジーナ』!! 『大尉』とお呼び下され! 依頼人殿!!」

 

 

この部屋におられる二人組のひとり、部ちょ....いや、元・天使の『黒猫』さんはこの休憩室の奥の執務机の向うに(まし)まし、服は....ドレス? 白いブラウスの上に黒のレースで編み込んだ上着? を纏っていて、サラッとした長い黒髪、前髪パッツンの頭には紫の薔薇を左右に付けたカチューシャを載せている。もうひとりのこの『大尉』殿はまずデカいなー....ここに俺を連れこんできた自称『白百合』さんぐらいあるんじゃない? しかもメイド服....んでマンガに出てくるようなグルグル

眼鏡を掛けてペイズリーのバンダナを巻いてお下げ髪....チグハグだなー。ふたりとも一応ここの学生、先輩だよねー? わざわざ昼休みの間にこの衣装に着替えているってわけ??

 

「ふふっ! で、貴方はこの(わたく)シたちに何の用かしら? まさか何の覚悟も無く俗界との結界を張り巡らしたあの曙光至天門(エンライトメント・ ヘブンズ・ドア!)を潜り抜けて来た訳ではないわよね....?」

 

えーとさっきとドアの名前が違うんですが....お、オレはただここに連れられて来たってだけで理由は....あ! 白百合先生は?

 

「先ほどお帰りになられたで御座る。特に何も仰られておりませんでしたが? まあ若い者は若い者同士! で御座ろう! では我々に何なりと!! ゥワッハッハッハッ!!」

 

それ、当人の前で言ったら....もう知らん。で、センセイ、オレはここでナニをすればいいのさー?? う〜ん・・・・

 

「ま、いいわ。先ずはそこに御掛けなさい。沙織? 御茶を」

「ガッテンで御座る!」

「はあ....」

 

執務机の前には低めの長テーブルがあり両側にはソファーが置いてある。テーブルの上には分厚くて重そうな革表紙の本が積み重なり隙間隙間には何やら怪しげなグッツが無造作に置かれている。定番の髑髏やら模造品であろう時代がかった洋風ナイフとか....お? 拳銃まで。これ、『Luger P08』? おお! こっちには『Walther P38』!! なんと! 『Mauser C96』まで!! 壁には....『Winchester M??』!....うーんなんかコレは趣旨が違うような....他にも色々とあるしここの部長! 分かってんじゃん!!

 

「ほほう! 流石は男子生徒! 食い付きが早いで御座るな! ではこれは如何でありましょう?」

「ん???」

 

俺がモデルガンを手に取ってるところに大尉殿がお茶を運んで下された。なんか気恥づかしい....

んで大尉殿から渡されたこの銃って....ナニ?

 

「流石にこれは御存知ありませぬか! なにしろこの銃、まだ四丁しか存在を確認されていない

幻の銃なのですからな」

 

ほーん。四丁? なんか今風ではなくクラシック調ともSFチックともとれるデザインだけど?

柄には髑髏の模様も刻んであるし。んでこの限定グッツ、国内で? いや世界で??

 

「いや、『銀河系星系』で御座るよ! 依頼人殿!!」

 

ブッっ!? ....ってまだお茶を飲む前だった....しかし大きくでたなー! まあでも宇宙で四丁て設定も。

 

「あら沙織、それは違うのでは無いかしら?」

 

ん? 黒猫さん、やはりここは部長、常識的に対応するつもりかな?

 

「『アンドロメダ星雲』も含めて、でしょ! フフッ?」

 

・・・・ズコっ!!

 

「おおっ! そのとおりで御座った!! 流石は黒猫殿! 《テヘペロっ!!》」

 

はいそおですかー・・・・! まあこれでここの部の趣旨が理解できたぞー! つまり....

 

「あのー、つまりはここは漫研かアニメ研、てことで....」

「「・・・・っ!!」」

 

....ん? 俺のこの発言に心なしかふたりの身体がピクッ! としたような....

 

「あ・・・・ 依頼人殿! ・・・・ここでその言葉を口になされるのは・・・・ !!」

「ふっ! ふふふふふふふっ!!! 貴方....どうやら貴方は此処では口にしてはならない台詞を口にして仕舞ったようね....ふっ! ぅフフフフフフフフフ!!!」

 

「へ? あ! いや・・・・て、ええ??」

 

机の向こうの黒猫さんがうつ向き加減にヌ〜と立ち上がる....身長はそんなにないみたいだし華奢だけど何か雰囲気がヘンだ....操り人形みたいに腕もダラ〜と垂らしてるし....コワイ。

 

「貴方は・・・・ あの門を潜り抜けておきながらまだその様な世迷い言を口にするおつもり?

ならば仕方が無いわ・・・・

『・・・・ 我は千の葉の舞い散る闇の住民! ・・・・ 堕天使黒猫っ!! 《バッっ!!》・・・・

・・・・この俗界に在らざりし事象を具現せしめる妄想的触媒(イリュージュナブル・メディウム!)なりっ!!・・・・』

・・・・・・・・」

「....止めて! 止めるで御座るっ!! 今此処でその力を解放しては....っ!!!」

 

今度はその腕をバッっ! て開いて大声で呪文? を発している....?? ナニ? 千葉県?? ここは別の県なんだけどー....? て?? ナニっ!?!?

床がっ!? 俺の座っていたソファーの床から青白い光が!?!?

 

『千の精霊よ! ・・・・ 汝が肢体に纏いしその力を我に注ぎ淹れその輪郭をも解放せしめよっ!! 然してこの空間・時間と供にその力を解き放たんっ!!!』

「黒猫殿〜〜〜っ!!!」

 

思わず立ち上がって周りを見渡すと部屋の壁、天井も....!? 何か青い光の線で円やら三角やら四角やらの図形が綺麗に浮き上がって組合わさって回転までしてるんだケドっ!?!? えええ???!

 

『しかして目前に茫然と我が道行を見失いしその者の忘却の記憶! 立ち現しめんっ!!!!』

《・・・・・・・・ゴゴゴゴゴゴ〜〜〜〜・・・・!!!!・・・・・・・・!!!!》

 

今度は地響き? いやまた床がゴソゴソと!? んっ!!?? 《ガサッっ!!!!》・・・・

 

・・・・??? ! へ? 床が?? ・・・・・・・・!?・・・・・・・・っ!

 

・・・・ ぅわあぁ〜〜〜〜っ!!!!ーーーー・・・・・・・・っ・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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