Fate/Grand Order 創造支配世界トータス   作:クロウド、

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朝イチでガチャ回したら始皇帝でちゃった……。
やっべ、初めて異聞帯の王出た……。


1−2 絶望の始まり

 ハジメ達は現在【オルクス迷宮】二十階層まで降りてきていた。途中、何体かの魔物と相対したが、流石にチートなクラスメイト達の前ではあっけなくやられるばかりだった。

 

「……あれ、何かな? キラキラしてる……」

 

 その言葉に、全員が香織の指差す方へ目を向けた。

 

 そこには青白く発光する鉱物が花咲くように壁から生えていた。まるでインディコライトが内包された水晶のようである。香織を含め女子達は夢見るように、その美しい姿にうっとりした表情になった。

 

「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。珍しい」

 

 グランツ鉱石とは、言わば宝石の原石みたいなものだ。特に何か効能があるわけではないが、その涼やかで煌びやかな輝きが貴族のご婦人ご令嬢方に大人気であり、加工して指輪・イヤリング・ペンダントなどにして贈ると大変喜ばれるらしい。求婚の際に選ばれる宝石としてもトップ三に入るとか。

 

「素敵……」

 

 香織が、メルドの簡単な説明を聞いて頬を染めながら更にうっとりとする。そして、誰にも気づかれない程度にチラリとハジメに視線を向けた。もっとも、雫とマシュともう一人だけは気がついていたが……

 

「だったら俺らで回収しようぜ!」

 

 そう言って唐突に動き出したのは檜山だった。グランツ鉱石に向けてヒョイヒョイと崩れた壁を登っていく。それに慌てたのはメルド団長だ。

 

「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」

 

 しかし、檜山は聞こえないふりをして、とうとう鉱石の場所に辿り着いてしまった。

 

「バカッ! そんな見え透いた罠が他にあるか!!」

 

 ハジメの叫びは一瞬遅かった。

 

 檜山がグランツ鉱石に触れた瞬間、鉱石を中心に魔法陣が広がる。グランツ鉱石の輝きに魅せられて不用意に触れた者へのトラップだ。美味しい話には裏がある。世の常である。

 

 魔法陣は瞬く間に部屋全体に広がり、輝きを増していった。まるで、召喚されたあの日の再現だ。

 

「くっ、撤退だ! 早くこの部屋から出ろ!」

 

 メルド団長の言葉に生徒達が急いで部屋の外に向かうが……間に合わなかった。

 

 部屋の中に光が満ち、ハジメ達の視界を白一色に染めると同時に一瞬の浮遊感に包まれる。

 

 ハジメ達は空気が変わったのを感じた。次いで、ドスンという音と共に地面に叩きつけられた。

 

 数人のクラスメイトが急な転移に尻もちをついているが、メルド団長や騎士団員達、ハジメとマシュ、光輝達など一部の前衛職の生徒は既に立ち上がって周囲の警戒をしていた。

 

 ハジメ達が転移した場所は、巨大な石造りの橋の上だった。ざっと百メートルはありそうだ。天井も高く二十メートルはあるだろう。橋の下は川などなく、全く何も見えない深淵の如き闇が広がっていた。まさに落ちれば奈落の底といった様子だ。

 

 橋の横幅は十メートルくらいありそうだが、手すりどころか縁石すらなく、足を滑らせれば掴むものもなく真っ逆さまだ。ハジメ達はその巨大な橋の中間にいた。橋の両サイドにはそれぞれ、奥へと続く通路と上階への階段が見える。

 

 それを確認したメルド団長が、険しい表情をしながら指示を飛ばした。

 

「お前達、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」

 

 雷の如く轟いた号令に、わたわたと動き出す生徒達。

 

 しかし、迷宮のトラップがこの程度で済むわけもなく、撤退は叶わなかった。階段側の橋の入口に現れた魔法陣から大量の魔物が出現したからだ。更に、通路側にも魔法陣は出現し、そちらからは一体の巨大な魔物が……

 

 その時、現れた巨大な魔物を呆然と見つめるメルド団長の呻く様な呟きがやけに明瞭に響いた。

 

「まさか……ベヒモスなのか……。」

 

 ベヒモス、それはハジメ達の世界で旧約聖書に登場する、神が天地創造の五日目に生み出したとされるレヴィアタンと対になる怪物の名だ。

 

 その名に及ばず、その姿は凶悪な姿をしていた。

 

 さらに、迷宮はハジメ達に追い打ちをかける。

 

 橋の両サイドに現れた赤黒い光を放つ魔法陣。通路側の魔法陣は十メートル近くあり、階段側の魔法陣は一メートル位の大きさだが、その数がおびただしい。

 

 小さな無数の魔法陣からは、骨格だけの体に剣を携えた魔物〝トラウムソルジャー〟が溢れるように出現した。空洞の眼窩からは魔法陣と同じ赤黒い光が煌々と輝き目玉の様にギョロギョロと辺りを見回している。その数は、既に百体近くに上っており、尚、増え続けているようだ。

 

 しかし、数百体のガイコツ戦士より、反対の通路側の方がヤバイとハジメは感じていた。

 

 十メートル級の魔法陣からは体長十メートル級の四足で頭部に兜のような物を取り付けた魔物が出現したからだ。もっとも近い既存の生物に例えるならトリケラトプスだろうか。ただし、瞳は赤黒い光を放ち、鋭い爪と牙を打ち鳴らしながら、頭部の兜から生えた角から炎を放っているという付加要素が付くが……

 

 メルド団長が呟いた〝ベヒモス〟という魔物は、大きく息を吸うと凄まじい咆哮を上げた。

 

「グルァァァァァアアアアア!!」

 

「ッ!?」

 

 その咆哮で正気に戻ったのか、メルド団長が矢継ぎ早に指示を飛ばす。

 

「アラン! 生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ! カイル、イヴァン、ベイル! 全力で障壁を張れ! ヤツを食い止めるぞ! 光輝、お前達は早く階段へ向かえ!」

 

「待って下さい、メルドさん! 俺達もやります! あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう! 俺達も……」

 

「馬鹿野郎! あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ! ヤツは六十五階層の魔物。かつて、“最強”と言わしめた冒険者をして歯が立たなかった化け物だ! さっさと行け! 私はお前達を死なせるわけにはいかないんだ!」

 

 メルド団長の鬼気迫る表情に一瞬怯むも、「見捨ててなど行けない!」と踏み止まる光輝。

 

 どうにか撤退させようと、再度メルドが光輝に話そうとした瞬間、ベヒモスが咆哮を上げながら突進してきた。このままでは、撤退中の生徒達を全員轢殺してしまうだろう。

 

 そうはさせるかと、ハイリヒ王国最高戦力が全力の多重障壁を張る。

 

「「「全ての敵意と悪意を拒絶する、神の子らに絶対の守りを、ここは聖域なりて、神敵を通さず――〝聖絶〟!!」」」

 

 二メートル四方の最高級の紙に描かれた魔法陣と四節からなる詠唱、さらに三人同時発動。一回こっきり一分だけの防御であるが、何物にも破らせない絶対の守りが顕現する。純白に輝く半球状の障壁がベヒモスの突進を防ぐ!

 

 衝突の瞬間、凄まじい衝撃波が発生し、ベヒモスの足元が粉砕される。橋全体が石造りにもかかわらず大きく揺れた。撤退中の生徒達から悲鳴が上がり、転倒する者が相次ぐ。

 

 トラウムソルジャーは三十八階層に現れる魔物だ。今までの魔物とは一線を画す戦闘能力を持っている。前方に立ちはだかる不気味な骸骨の魔物と、後ろから迫る恐ろしい気配に生徒達は半ばパニック状態だ。

 

 隊列など無視して我先にと階段を目指してがむしゃらに進んでいく。騎士団員の一人、アランが必死にパニックを抑えようとするが、目前に迫る恐怖により耳を傾ける者はいない。

 

 その内、一人の女子生徒、優香が後ろから突き飛ばされ転倒してしまった。「うっ」と呻きながら顔を上げると、眼前で一体のトラウムソルジャーが剣を振りかぶっていた。

 

「あ」

 

 そんな一言と同時に彼女の頭部目掛けて剣が振り下ろされた。

 

 死ぬ――優香がそう感じた次の瞬間、

 

「ansuz!!」

 

 紅蓮の弾丸がトラウムソルジャーの頭を砕いた。更に数体のトラウムソルジャーに連続で直撃し、砕け散る。

 

 橋の縁から二メートルほど手前には、指を宙に翳すハジメの姿があった。炎のルーンによる攻撃でトラウムソルジャーを砕いたのだ。

 

()()、浩介! 今すぐ前に行ってくれ! あの程度の相手なら皆で十分戦える。二人が率先して倒せば、皆の士気が上がるはずだ!」

 

 ハジメの優香の手をとって立ち上がらせてそのまま背中をバンっと叩いて送り出す。

 

「なぐ……ハジメ、お前……。」

 

「頼むぞ……マイフレンド……。」

 

 ハジメは浩介にそれだけ告げて、マシュと共に走り出しベヒモスと戦う光輝達のもとまで走り出した。

 

 そして、左手で右手の甲を抑え、マシュの顔を見る。

 

 本来なら、カルデアの者達と合流し彼女のバイタルチェックなどを行ってからにしたかった。いや、できることならデミ・サーヴァントにも戻ってほしくは無かった。

 

 だが、この状況をどうにかする方法はもはやマシュに頼ることしかできない自分に情けなさを通り越して、怒りすら感じた。

 

「……マシュ、行けるかい?」

 

 ハジメは苦渋の選択を決した。

 

「ーーーはいっ、もちろんです!」

 

 マシュはハジメの表情からその苦悩を感じ取ったのか、それを気にさせないよう気合の籠もった返事を返した。

 

 ハジメはベヒモスと交戦中の五人の前に出て、右手を地につける。

 

「"錬成"!」

 

 ハジメのその言葉とともにベヒモスの足元が盛り上がり岩の足枷となってまとわりつく。

 

「天之河、龍太郎、雫、香織、下がって他の皆の援護を頼む」

 

「なっ……、何を言ってるんだ南雲っ!? メルドさんを置いて俺達だけ下がるなんて」

 

「……いや、メルドさんも下がってください」

 

「「なっ……!」」

 

 今度は光輝だけでなく、メルドも絶句した。

 

「安心しろ、僕にはコレ(令呪)がある」

 

 ハジメが包帯に隠れた右手の甲をふりふりと降ると、その意味を知っている龍太郎達が目を見開く。

 

 そして、その隣に立つマシュの表情と相まって二人がやろうとしていることが理解できた。

 

「何を訳のわからないことを言っているんだ! お前だけでアイツに太刀打ちできるわけがーーー」

 

「ーーー黙って言うことを聞け、偽善者ッ!」

 

 喚き散らす光輝にハジメは雷のような怒声を飛ばす。

 

「お前が今やることをアレを倒すことかっ!? 違うだろうが、()()()()()()()()()()()()()()()()!! 後ろを見ろ!」

 

 光輝がハジメが指を指した方向にはリーダーがおらず、混乱して連携が取れなくなったクラスメイト達の姿があった。

 

「誰も死なせないんだろうっ!? だったら、とっとと下がってろ!」

 

「ッ! お前に言われなくても、アイツを倒して直ぐに助けにーーー」

 

「オラッ、行くぞ光輝!」

 

「なっ、龍太郎。お前までっ!!」

 

 なおもくい下がろうとする光輝の襟首を龍太郎が掴んで同級生の下まで下がっていく。

 

「ーーー死ぬんじゃねぇぞ、()()()

 

 すれ違う瞬間、龍太郎がハジメに対して激励を送った。この場で最もあの化け物を倒せる可能性があるのはマシュのデミ・サーヴァントとしての力しかないと彼ですら理解できたからだ。

 

「任せたわよ、ハジメ。ほら、香織も」

 

 その龍太郎に続いて雫も香織を連れてクラスメイトの下まで下がろうとするが香織が中々下がろうとしない。

 

「ーーー香織、君の力はいま後ろの連中のほうが必要としている」

 

「……うん、わかってる。

 ーーーマシュちゃん!」

 

 香織はマシュに視線の方向を変える。

 

 この場で自分は彼らの足手まといにしかならないとわかっている。だから、愛しいハジメの力にはなれない。だから、彼が最も信頼してる彼女へーーー、

 

「ーーーハジメ君を、お願いっ……!」

 

「香織さん………。

 はいっ、もちろんですっ!」

 

 マシュの返答に安心したように頷き、雫と一緒に下がっていった。

 

「ーーーハジメ、やれるのか?」

 

「やれるかやれないか、じゃない。()()()()()()()()()

 

 覚悟の籠もったハジメの目を見て、メルドは歴戦の戦士である自分などよりさらに深い意志を見た。

 

「ーーー任せたぞ」

 

 そう告げて、メルドも光輝達と共に後ろに下がった。

 

 全員が後退したタイミングでハジメが錬成した足止めようの石畳が砕け散った。

 

「『令呪をもって命じる』ーーー!」

 

 ハジメの右手に巻かれていた包帯がほどけ、その下に刻まれた令呪が姿を顕にする。その中でもっとも大きな一画が輝きを放つ。

 

「ーーー『星読みの旅人の名のもとに、再び盾を握れ。シールダー』!!」

 

 令呪が消えるともにマシュの服装が光を帯びる。そして、それが消えるとその姿は鎧を纏い、その手には巨大な盾が握られていた。

 

 その盾はかつて騎士の中の騎士と言われたアーサー王、それに使えた円卓の騎士が囲んだ円卓(ラウンドテーブル)

 

(英雄ギャラハッド……もう一度マシュと僕に力を貸してくれ……!)

 

 彼女に力を与えてた英雄。円卓の騎士、純潔の騎士の二つ名を持つ英雄、ギャラハッド。かの英雄の意思は既にマシュの中にはないとわかっていてもその力が彼女を守ってくれると信じていた。

 

「マシュ、久しぶりの実戦だ。準備はいいねっ?」

 

「はい、先輩っ!」

 

 再びハジメがマスターとして戦うときが訪れた。




さあ、マシュの力開放だ。
次回、マシュとハジメvsベヒモス。お楽しみに!

マンドリカルドのクラスはどちらにしようか?スキルは特に変わりません、ステータスは上がります。

  • デュランダルを持った状態のセイバー
  • cmがカッコよかったライダー
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