とあるオタク女の受難(インフィニット・ストラトス編)。   作:SUN'S

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第8話(織斑一夏)

俺は甲龍の後ろに浮遊しているであろう龍砲の超高圧縮された衝撃波を掠りながら避ける。

 

先輩のおかげで(なんとか)避けることは出来るけど。このまま近付くことも出来ずに負けるわけにはいかない。

 

「リイィィィィン!!!」

 

「イチカァァァァ!!!」

 

俺は雪片弐型を鈴の振るう青竜刀を叩き潰すように振り下ろし、地面へ向かってスラスターを最高出力で噴射させる。

 

「ちっっかいのよ!!」

 

なにかに焦っている鈴の操作している龍砲の動きで生じる風切り音を感じ、衝撃波が当たる前に鈴を踏み台にして回避した瞬間、炸裂するような音と破裂するような突風が目の前で起こった。

 

マジか、鈴のやつ、こんなの当てようとしてたのか。昔のことを覚えてなかったことへの怒りだけで、ここまで遠慮なく攻撃できるのか…。

 

そう考えると箒やセシリアより怖いな。

 

そんなことを考えていた瞬間、アリーナを覆うように展開されていたバリアを突き破りながらISらしき機体が落ちてきた。

 

『速やかに避難しろ!これは訓練じゃない、一夏と凰を連れてピットへ戻ってこい!!』

 

千冬姉の怒鳴るような声が聴こえてきた。ん?訓練じゃないなら、あれを説明するとなると……どうなるんだ?

 

「一夏、ぼさっとしてんじゃないわよ!!」

 

俺は後ろから飛んできた龍砲の衝撃波を受け、アリーナの壁際に叩き付けられる。

 

「いってえぇ……っ、なにすんだよ!」

 

「襲撃よ!!しゅ!う!げ!き!さっさと逃げるわよ!!」

 

目の前に迫ってきた鈴の顔は女の子らしい可愛い笑顔を浮かべている時とは打って代わり、襲撃者や観客席で騒いでいる生徒達への攻撃を始めないか。そんな焦りで冷静さを失っている。

 

『一夏ァ!!男なら、男ならば逃げずに戦うのだ!!』

 

「なにやってんだ、あの馬鹿っ!?」

 

俺に渇を入れようと放送室で叫んでいる箒へと長い砲身の銃口が向けられた。

 

まずいっ、箒を助けないと……!!

 

「この馬鹿弟子がァ!!戦場にて無策ほど愚かなことはない!!」

 

土煙を切り裂きながらアリーナの中心に着地した灰色のような白髪を揺らす女の腕の中には放送室で騒いでいた箒を含めた四人の女の子が収まっていた。

 

「ふん、屑鉄を相手するのに武器(アイエス)など不要だな」

 

箒達を助けてくれた女はーーー否。先輩は身体を揺らしながら襲撃者に向かって駆け出していき、なにやら赤黒いエネルギーのようなモノを身体から噴き出している。

 

「酔舞・再現江湖デッドリーウェイィッブ!!」

 

あれ?おかしい。先輩が増えたように見えた。いや、そんな訳ないよな。いや、暗鶚衆とかいう忍術使えんだし、分身の術ぐらい使える……のか?

 

「爆アァァァッ発ッッ!!!!」

 

うん、俺の師匠である先輩は可笑しい。

 

人間は生身でISには勝てない。いや、千冬姉なら勝てるかもしれないし、頑張ればイケるんじゃ……。

 

まあ、無事だったわけだからな。

 

結果良ければすべてよし…ってやつだな。

 

「先輩って、血だらけじゃないか!?医務室に連れていきますよ!?」

 

「馬鹿者、私より篠ノ之達を優先しろ…!」

 

いや、どう見ても先輩のほうが重傷だからな!?

 

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