ラブオーズ!「Anything goes!『旅はまだ途中』」   作:ゆっくりシップ

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命削って書いたやつですお納めください。
命を削っている様はTwitterで私のアカウントを見ていただければわかるかと......


3話 啓太と死と空とぶ腕

「な、なんだよ......これ......」

 

つい十数分前まで確かに辺り一面に溢れていた筈の沢山の笑顔、日常は呆気なく崩れ落ちていった。

 

生きた人間の気配は最早なく、辺り一面に在るのは人だった『ナニカ』。

灰色のコンクリートは赤黒く染まっており肉片が気味の悪さを更に際立たせている。地獄という表現ですら生温い光景に、繋音はただただ立ち尽くしていた。

 

『おい...!しっかりしろ繋音!あーしょうがない、体借りるぞ!』

 

一瞬繋音の体が光に包まれ、その光が治まるとそこには繋音の姿はなく、別の少年が立っていた。

 

「お前は少し休んどけ。とにかく今は歩夢さん達が無事か確かめないといけないからな」

 

『あ、あぁ......悪いな『啓太(・・)』』

 

「あんなの見りゃ普通誰だってああなるさ。さて、急ぐか......っと!」

 

一面に散らばる死体には目もくれず、啓太と呼ばれた少年は真っ直ぐに走り出した。

 

 

 

「ここだと思うんだが......誰かいますかー!」

 

啓太が向かった先はライブ会場の待機室だった。

 

『確かに、ここなら外よりは安全だし姉ちゃん達やμ'sかAqoursの皆もいるかもしれないな。啓太やっぱ頭いいなお前!』

 

「はいはいどうも」

 

「だ、誰にゃ!?」

 

「この声は確か......μ'sの凛さんだったか。虹ヶ先スクールアイドル同好会の者なんですが!開けてもらっていいですか!」

 

中から何人かの話し声がしたあと、鍵が開く音がした。

 

「失礼しまー「穂乃果ちゃん達を見なかったかにゃ!!?」うわ!?」

 

 

-----

 

「なるほど......穂乃果先輩、海未先輩、ことり先輩達と途中ではぐれてそれを彼方さんが探しに行ったと......」

 

「そうなんです......急に変な怪物が観客の人達を襲いだして......」

 

『はぁ!?ちょ、姉ちゃんが!?』

『落ち着け繋音』

 

「わかりました、俺が探してきます」

 

「大丈夫なの......?外は酷い事になってると思うけれど......」

 

果南が目を横に反らす。

何人かは部屋の隅に縮こまっておりそれを歩夢や絵里、ダイヤ達が慰めている。そうでなくても皆頬に泣いた痕や怪我がないのにも関わらず服が血で濡れている。あの惨状から必死に逃げてきたのだろう。

 

「まぁ任せてください、すぐに戻りますんで」

 

「うん......」

 

「あ、あの......穂乃果ちゃん達と彼方さんの事......お願いします!」

 

声を搾る様に花陽が言う。

啓太は頷くと、来た道を戻りだした。

 

 

-----

 

 

「ここだよな確か......」

 

『は?なに言ってんだ啓太......っていたぁぁぁ!!』

 

 

先程と同じ光に啓太が包まれ、光が治まると今度は繋音に戻っていた。

繋音はそのまま彼方に向かい走り出す。

 

だが。

 

「よかった、早く皆の方に戻......」

 

刹那、彼方の身体がコンクリートへと崩れ落ちる。

 

 

「は?」

 

 

目の前に伏した彼方から赤い液体が流れてくる。

繋音がそれが血だと理解するまで、そう秒数はいらない。

突然の事に脳の処理が追い付かず、繋音は機械人形のように前方に首をむけた。

 

視線を向けた先には黄緑色の人型の怪物が立っていた。

そしてその足元に、穂乃果先輩達が恐怖のあまりかへたりと座り込んでしまっている。

 

 

「あっ......あぁ......ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

まずは恐怖。この怪物が先程の惨劇の犯人だと直感的に理解したから。

そして次に目前の怪物への殺意。

ただただ純粋に許せないという強い意思。

繋音はこの衝動に身を任せ怪物に殴りかかった。

 

 

「......邪魔だ」

 

「ぐっ......!」

 

 

怪物が軽く腕をはらっただけで繋音の身体は数10メートル吹き飛ばされる。

 

 

『落ち着け繋音!彼方さんはまだ死んでない!』

『くそっ、もう少しなはずなんだが......』

 

 

啓太達の声で繋音に冷静さが少しだけ戻っていく。

確かに彼方の出血は中々に酷いが息はあり既に血は止まりつつある。

これならすぐに病院に連れていけば助かる可能性は高いだろう。

穂乃果先輩達だってそうだ、彼女達に関しては怪我も少ないしそれにまだ目が諦めていない。

 

 

「けど......!俺だけじゃ皆を助けられない......」

 

 

そう、どれだけ諦めない意思があったとしてもこの状況が絶望的な事に代わりはない。

怪物の攻撃は全て即死レベルなのにこちらからは傷ひとつすらつけられないのだから。

それこそ圧倒的な力でも手に入らない限り。

 

 

『それでもいい!とにかく時間を稼げ!あと少しのはずなんだ......!』

 

「それしか今はないか......!」

 

 

辺りを見渡すと、何故か地面に警察関連の人間が落としたのか拳銃が落ちていたのでそれを拾い上げる。

 

 

「これで......どうだ!」

 

 

ドラマの見よう見まねで照準を合わせ、怪物めがけ発砲する。

 

 

「ふん......その程度で効くとでも思っているのか」

 

「思っちゃいないさ......でもこれで時間は稼げた......だろ?」

 

 

確かに1ミリほど効いてくれる事を期待したが目的はそこではない。

 

 

「はぁ...はぁ......大丈夫ですかことり!」

 

「うん......なんとか」

 

「な?時間稼ぎも捨てたもんじゃないだろ?」

 

 

これで最悪の事態は免れた。あとは彼方を連れ逃げるだけなのだが

 

 

「まぁそれが一番難しいよな......」

 

 

ただでさえ怪物の注意をこちらに引き付け更に飛ばしてくる衝撃波を避けなければならないのだ。

 

 

「危ない!」

 

「くそっ避けれない......!」

 

全方位から襲う衝撃波に繋音が死を覚悟した時だった。

なにかが衝撃波を全て弾き返したのだ。

 

 

『ようやく来たか......』

 

「はぁ?ど、どういう事だよ」

 

「おいそこのお前!」

 

 

誰もいないところから声が聞こえる。

 

 

「おい!聞いてんのか!」

 

「うわっ腕!?」

 

 

そこにいたのはまさに異形と呼ぶに相応しい、羽の生えた『腕』だった。

 

 

「俺のメダル返せ!」

 

「は?」

 

 





これでようやく0話に繋がります。
なので次はいきなり戦闘描写からになる予定......です、多分。
あと作中だいぶ矛盾だったりおかしな台詞があったと思いますが全て『意図的』にやっております。誤字?知らんな。
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