ダンジョンで自然軍と邂逅するのは間違っているだろうか   作:ClariSと苺の樹

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ナチュレ様可愛い。
ダンまちの神様も可愛い。
なら一緒にしてしまえば二乗で可愛がれるじゃあないか!

という理念の元書いた突発的な小説です。すごく短い(小並感)。


第1話

 迷宮都市『オラリオ』

 

 地下に広がる広大な迷宮、通称『ダンジョン』の真上で栄えた巨大都市。都市、ダンジョンなどこの町の管理を行う『ギルド』を中核とし、世界で最も多く生息しているヒューマン、そして、エルフ、小人族(パルゥム)、ドワーフなどの亜人(デミ・ヒューマン)達が、ある人はダンジョンへ潜り出現(スポーン)したモンスターから魔石を回収し、またある人はダンジョンの前線付近で戦っている冒険者のためにポーションを販売し、様々な人種の人々が各々のやり方で毎日の日々を過ごしている。

 そんな日夜活気の絶えないこの街に一人の少年が足を踏み入れた。

 

 彼の名は『ベル・クラネル』。オラリオから少し離れたところに位置する田舎村で祖父と二人きりで暮らしていた少年だ。

 

 幼い頃から彼は祖父から

『——男ならハーレム目指さないとな!』

 などと、彼の座右の銘を聞かされて育ったために、この少年もまた、一年前に旅立った祖父の意志を受け継ぎ……というよりかは彼の意志に影響され、ダンジョンに出会いを求めてこのオラリオへ足を運んだのだった。

 

 さて、家に残っていた全財産を持ってこの町を訪れた彼だが、早速大きな壁にぶつかることとなる。

 それは【神の眷属(ファミリア)】への加入についてだった。

 

神の眷属(ファミリア)】。日夜ダンジョンで狩りを行う冒険者たちに、この地へ降り立った()が『恩恵』を与え、彼らを家族のような存在として扱う、いわば神の派閥のようなものである。

 恩恵を得ることにより冒険者たちは一般の人間より高い能力を引き出すことが出来る。つまり、神から恩恵をもらうことはダンジョンに潜って狩りや調査を行う上で必要不可欠なのである。

 

 ここで彼、ベルの容姿を確認してみよう。

 小柄な身体に童顔。歩く姿は雪の上を走る兎を連想させるほど可愛らしいものである。

 

 これではどのファミリアも進んで採用しようとは思はないだろう。実際に彼は大手ファミリアである【ロキ・ファミリア】など多くのファミリアに加入を試みたのだが、多くのファミリアが彼を門前払いした。今じゃどこのファミリアも飽和状態で少しでも優秀な人材を必要としているのである。

 

「うーん……」

 

 半日歩き回った彼はそう言って近くにあったベンチに座ってうなだれていた。周りから見ても分かるほどどんよりとしたオーラを放っている。傍から見ても落ち込んでいることがまる分かりだった。

 

「やっぱりどこも僕みたいなやつじゃなくて、もっと強そうな奴がいいんだろうなぁ」

 

 そう言って彼は自分の小さな手のひらをじっと見つめる。今日行ってきたどのファミリアの人たちも自分よりも一回り大きくて強そうだった。彼はこんな自分が本当にこんな場所でやっていけるのかと気を落としていた。

 

「……よし! 落ち込んでていても仕方がない。きっとどこかにこんな僕でも眷属にしてくれる心優しいファミリアがあるはずだ!」

 

 そして僕はハーレムを作るんだ! と強く息巻いて彼はベンチから立ち上がった。動機は不純かもしれないがそれが彼の夢であり明日への動力源である。

 パチン! と、自分の頬を叩いて喝を入れたベルは次に訪ねる予定のファミリアへと向かおうと一歩を踏み出した。

 

 

 その時、彼の前に黒い翼が舞い落ちた。

 

 

 その黒翼は吸い込まれるほど美しく、それでいてどこか儚さを感じさせるまるで天使のような翼だった。

 

 その翼が空から舞い落ちる幻想的な光景に目を奪われていたベルに、地面に降り立った一人の少年が目についた。

 

 彼を一言で言い表すとするならば『黒』、その一言に尽きる。

 黒色の羽衣に銀のブレスレット。綺麗な黒髪には月桂樹の冠が被せられていて、背中には一対の黒い翼。

 

 

『天使のような』じゃなくてホントに天使だったんだ、という呑気なことをベルは考えていた。それほどまでに目の前の出来事が印象的過ぎて頭が活動をストップしていたのだった。

 

 やがて周囲を確認した天使はベルの存在に気が付いたが、彼を一瞥しただけでそのまま立ち去ろうとした。

 

「ま、待ってください!」

 

「あ?」

 

 咄嗟に彼を引き留めたベルは息を継ぐ間もなく彼にこう言った。

 

「ぼ、僕を貴方のファミリアに入れてくれませんか!」

 

「……はぁ?」

 

 とある昼下がり。とあるベンチでのベルと彼の邂逅はこれからのベルの運命を大きく変えるものだったとは、この時はまだ誰も気づくことはなかった。

 

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