僕(オレ)という名の演劇   作:いひょじん

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お久しぶりです。
いひょびんです。
今回は虹ヶ咲での作品を描いていくつもりです。
よろしくお願いします。


プロローグ

「演じる」

それは舞台やドラマと言った作り物の世界で作り物の人物を現実にいる人間が代わりに表現することを言う。

しかし、演じるというものは舞台やドラマだけで使われるものではない。

何かしらコンプレックスがある人がそれを隠したり補う為に偽りの自分を作り上げることも「演じる」とも言える。

言ってしまえば「演じる」ということは自分ではない形も影もない者に嘘という物を使ってなりきるということだ。

「演じる」と言うことに特化したプロである役者はその嘘を理解した上で演じなければいけない。

嘘に飲み込まれてしまうと本当の自分というものが消え、嘘が本当になってしまうからである。

そして嘘に飲まれた人は嘘と現実の葛藤でいつか壊れてしまうのだ。

 

 

 

とある一室

 

ピピピ ピピピ

いかにもという電子音が一定のリズムを刻みながら流れる。

この音が鳴ったということは起床しろという事だと体が本能的に覚えているので意識が自然と戻ってくる。

延々と耳元で電子音が流れるのは流石に鬱陶しいので右手で頭の横にある携帯を掴んでアラームを止める。

耳障りな音が消えたことに安心したまた目を閉じて意識が遠のこうとしているのに気付き、本当の意味で起床するために顔までかぶっていた布団を勢いよくめくり、腹筋に力を入れて上半身を起こす。

 

「…ねっむ」

 

起き上がったはいいが、ベットから降りるという気が起きない。

それでも時間は待ってくれるということはなく、刻々と過ぎていく。

 

「…とりあえず歯磨こう」

 

まだ眠気が覚めないが強制的に目を覚ます為に洗面台に向かい顔を洗い歯を磨く。

先程より眠気が無くなり、次は鏡を見ながら寝癖がひどいので整える。

今の時期は梅雨も近いと言うこともあり、湿気がひどいのでくせ毛の自分にとってこの髪の毛のセットが1番面倒だ。

常備している霧吹きを頭に吹きかけ爆発している髪の毛を湿らせ、そこにドライヤーの温風を当てながらクシで解かしていく。

ある程度ハネなどが収まるとドライヤーを止め、強めのワックスを前髪にだけ付け、前髪を右に流す。

それから自室に移動して制服に着替え登校に必要なものを鞄に入れ忘れ物がないかを確認する。

確認を終えるとまた洗面台に移動して最後に服装に乱れがないかを鏡で見てから玄関の棚の上に置いてあるメガネを掛けて部屋を出る。

最寄りの駅までの途中にあるコンビニでおにぎりを2つ買う。

そして駅まで歩きながら先ほど買ったおにぎりを食べながら歩く。

電車に20分程乗り目的の駅であり、またそこから5分程歩く。

そうして見えてくるのは立派な校門とその後ろにそびえ立つ校舎。

本当にここは建物は学校なのかと今でも疑う。

でもこの大きさが俺という存在を隠さにちょうど良かった。

 

 


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