ダースベイダーな父を持つと苦労する。   作:マッキーガイア

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16話:若きスカイウォーカー

何十分たっただろうか、

俺たちは未だに殴り合っていた。傷つき傷をつけ合う。

拳はもはや血塗れだった。

 

「アーシアは渡さない!!」

 

「ほざけっ!!貴様の意見など取り入る隙などないわ!!」

 

たった2日の間でも家族は家族、ならば救うまで

指の全てにきっとヒビが入っているのだろう、酷い痛みが走る。それを誤魔化す様に声を荒げる。

 

「抑止力を行使してまで!

何故彼女が欲しいんだ!?」

 

「お前には関係ない!

今、死ぬ貴様にはな!!」

 

「ならば、俺が死ぬ前にお前を潰すまで!」

 

「やれるものなら、やってみろ!」

 

 

光の槍は次第に数を増やしていく。

腕、体、足、突き刺さるそれの痛みは計り知れない。だが、唇を噛んで誤魔化しながら奴に突っ込み殴りかかる。

 

とんだクソゲーだ。

 

攻略法なんてあった物じゃない。

 

今はとりあえず走れ、走れ、走れ、

 

「ぐっ!」

 

腕に光の槍が突き刺さる。

くそっ、やばい、痛みで目が…霞んで…

 

「これで終わりよ。」

 

レイナーレの手に光が灯す。

 

 

「もう、、、もういいでしょう!!

 

 

次の瞬間俺の前にアーシアが立ち塞がった。

 

「…アーシア…」

 

「こんなに傷だらけになって…イッセーさんが死んでしまったら…私は…私は…」

 

泣きそうな目で俺を見つめる。

そして、何かを決意した目。俺は一瞬でその意味を悟った。

 

「まさか、アーシア…ダメだ!アーシア!」

 

俺は立ち上がり彼女の手を引こうと手を伸ばす。

 

 

 

 

「レイナーレ様!!私は行きますから、どうかイッセーさんは殺さないでください!」

 

 

 

その一瞬で状況は一変した。俺が助かる可能性、アーシアが助からない可能性…その可能性の天秤が傾く。

 

「へぇ、悪魔の神頼みも意味を為さなかった様ね。兵藤一誠…

良いわ、生かしてあげる。こんな弱小悪魔…殺す必要もないしね…」

 

 

俺が助かる可能性は高くなる。

けど…アーシアは…?

 

ダメだこの状況じゃ、まずら助からない…

 

「ダメだ!ダメだ!アーシアぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

黒い羽に隠れていく彼女の瞳に涙が溢れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さよなら、イッセーさん…」

 

 

 

 

 

 

 

黒の羽が空を舞い、消えていく…

 

 

ーー☆ーー☆ーー☆ーー☆ーー☆ーー

 

 

 

誰もいない公園、何もない空…

空虚な心で水に移る自分を見つめる。

 

お前はなんだ?

 

他者から自分の守りたい物を守れなかったクソ野郎だ。

 

じゃあ、こうなった原因は?

 

アイツだ…あんな奴らが居るから!

 

黒い物が沸沸と浮かび上がる。アイツを殺せば俺は助かるのかと心が問う。

 

 

 

 

殺す。

 

ーコロス…殺す…殺す……!

 

 

 

 

 

 

 

「やめておけ、怒りはダークサイドへの近道じゃ…」

 

 

 

 

 

ふと、外から聞き慣れない声が聞こえる。

とてつもないフォースを感じる。青い何かを…

 

「ふむ、お主は中々に才能はある様じゃがまだまだ青いな、若きスカイウォーカーよ」

 

 

スカイ…ウォーカー…?

 

 

「っ…!?」

 

 

振り返ると周りの世界はまるでジャングルの様に生茂った、森に変わっていた。

そこには一人の緑色の肌をした老人が立っている。

 

「な…ここは…?」

 

「ここは儂の住まい…まぁ言わばフォースでお前の居る場所に儂の場所を投影させている状況じゃ、外からは何も無い場所に話しかけている変な人になっとるじゃろうから気をつけるのじゃぞ」

 

「え…あ、はい…貴方は、?」

 

「儂の名か?…名乗る程じゃ無いが"ヨーダ"とでも呼んでくれ」

 

 

自らをヨーダと名乗る老人は近くの石に腰をかける。

 

「ふむ、座れ」

 

「あ、はい。」

 

座れと言われた岩に触る。

…触れる?…たしかフォースで投影って言ってたけど…ここまで…

腰をつく。するとヨーダさん?は俺に向いた。

 

「お主は父親によう似ておる。危なっかしくてしょうがない奴じゃからの…ずっとこの場でお主を見ておった…」

 

「はぁ……」

 

「エロ本の隠し場所は死んでも言わんから安心しろ」

 

「ふぁ!?」

 

めっちゃシリアスな雰囲気だったのにぶっ壊してきやがった、

 

「まぁ良い…本来儂はお主の前に出る事は無いのじゃが、今回ばかりは致し方ない。10年程寿命を縮めて出てきたって訳じゃ…」

 

「寿命を縮めてって…なんでそこまで…」

 

「お主がダークサイドに落ちてしまったら我々も一巻の終わりじゃからの」

 

「そう…ですか、」

 

「それにお主の父親の本意では無いらしいしの」

 

口を紡ぐ…

知っていると言ってやりたがったが、正直そんな気持ちを他所に動いてしまっていた事は否めない。

 

「ふむ、お主専用のライトセイバーが無い様じゃの、」

 

何の話だ?

 

「一つこれをやろう。とあるジェダイの置き土産とでも思ってくれ」

 

銀色のライトセイバーを渡される。

 

「こ、こんな…も、貰えません。こんな貴重な物…」

 

「気にするな、ジェダイになる気は無いんじゃろうが、身を守る術は持っておくべきじゃ、ほれ」

 

 

ポイっとライトセイバーを手に取る。一瞬で向こうの世界から俺の世界に飛んできた様に感じた。

 

それと同時に世界がゆっくりと薄れていく

 

「儂らは失敗した。じゃからお主に儂らの気持ちを渡す…」

 

「俺…いや……僕に…?」

 

「ここまでか…ではさらばの、それはお前を導いてくれる筈じゃ………」

 

 

 

 

世界が消えていく。

ヨーダはそう呟くと姿を薄くしていった。

手元にはライトセイバーが一つ、親父の物にそっくりなライトセイバー…

 

ボタンを押す。

 

 

 

ブワァァァン…

 

 

 

音を立てながら青い一筋の光が現れた。

 

「……綺麗だ…」

 

思わず呟いた。

光は次第に白く空を映し出している。

 

 

アーシアを救う…為に…

今だけは…今だけは、

僕はルーク・スカイウォーカーだ…

 

 




ん?前回、アーシア死すって言ったじゃ無いかって?

言ったかなぁ…
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