響き渡る雫   作:水甲

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11 負担

「弟さん、しず子に負担をかけてませんか?」

 

ある日の昼休み、部室でしずくとお弁当を食べていた時、かすみからそんなことを言われた。

 

「負担?しずく、何か負担でもかけてるか?」

 

「いいえ、特には…………私の方が負担になっていないか不安ですが…………」

 

しずくが負担になってる?そんなことはないんだけど…………

かすみはため息をつき、僕らが食べているお弁当を指差した。

 

「しず子が実家から通っているのは知ってますか?」

 

「うん、知ってるけど」

 

「毎朝五時に出て、学校まで来てるんですよ。お弁当を作ってもらうだけでもかなり負担になってませんか」

 

かすみの指摘はもっともだ。朝五時に家を出てるしずく。お弁当を作るには、早い時間に起きていると言うことになっている。

普通ならそこら辺気にすべき事だけど…………

 

「あのかすみさん、このお弁当は響くんが作ってくれたものです」

 

「はい?」

 

しずくの言うように、このお弁当は僕が作ったものだ。

 

「しずくが朝、大変だからたまに作るようにしたんだよ」

 

「私は気にしなくていいって言ったんだけど、響くんがどうしてもって…………」

 

「そう言うわけだから、問題はないと思うけど…………」

 

かすみに卵焼きを1つ食べさせた。因みに卵焼きのレシピは歩夢姉さん直伝だ。

 

「何と言うか、弟さんは料理もできるんですね」

 

「まぁ、ある程度の事は出来るようにしておきたくって…………」

 

「響くんは勉強家ですから」

 

「とりあえず負担云々の話は納得できた?」

 

「はい、弟さんはしず子の事を思っているのは分かりました」

 

かすみも分かってくれたみたいだな。とりあえずお弁当の続きを…………

 

「そうでした。かすみさん、私、今日は演劇の練習があるのでこちらには出れません」

 

「そうですね。先輩も今日から音ノ木坂に行くと言っていたので、暫くは自主練になるから大丈夫ですよ」

 

姉さんのスクールアイドルに会いに行くのはまだ続いていた。今回はμ'sに会いに行っている。

 

「僕の方も生徒会の仕事に集中しておくよ。しずくも無理はしないようにな」

 

「はい」

 

「…………かすみんも彼氏が欲しいな~」

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室で一人で仕事をする僕。せつ菜は仕事を終わらせ、もう練習に行った。他のメンバーは仕事が終わり、帰っている。

僕の場合は皆の負担を少なくするために、多目に仕事を終わらせている。この件は誰にも言わずに、個人的にやっているだけだ。

 

そろそろ一息をつこうとしたとき、ノックが聞こえ、しずくが入ってきた。

 

「しずく?どうした?」

 

「響くん…………私は……貴方にとって…………」

 

泣きそうになりながら、必死に何かを伝えようとするしずく。何かあったのか?

 

「しずく?」

 

「私は理想のヒロインになっていますか?」

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