『私は理想のヒロインになっていますか?』
あの日、しずくに言われてから数日が経った。
あれ以来しずくは普段通りだ。いや、普段通り過ぎる。
あの日の次の日に聞いても、何でもないと言うだけだ。一体しずくに何があったんだ?それが気になってしょうがない。
「ちゃんと聞くべきだけど…………」
もしもそれがしずくにとって触れてほしくない領域だったらと考えてしまい、聞けずにいた。
とりあえず、今は仕事を終わらせないと…………
作業に戻ろうとしたとき、姉さんから電話が掛かってきた
「もしもし?」
『響?悪いんだけど音ノ木坂に来てくれない?』
「何で?と言うか今はμ'sと勝負してるんじゃないの?」
何故かμ'sと勝負することになったらしいけど、僕はしずくの件を考えるので、付いていくのを断った。
でもこうして呼び出すと言うことは何かあったのかな?
音ノ木坂に行くと姉さんとμ'sの高坂さん、南さん、園田さん、そして一人の男性がいた。もしかして前に奏が言っていた…………
「僕は神原結弦。君が響だね。悪いけど勝負して貰うよ」
「はい?」
結弦に案内された場所は空き教室だった。教室の中央には机と椅子が置かれ、机の上にはトランプのデッキが置かれていた。
「この勝負はμ'sと虹ヶ咲の勝敗に関係はない。個人的に君と言う人がどんな人なのか知りたくって」
「勝負をして知ると言うことですか?まぁ、別に構わないけど…………何をやるんですか?」
「ポーカーだ。ルールとしては五回までやって、チップが最後まで多く持っていた方の勝ちだ。それと」
結弦が言うルールは
五回までやって、チップが最後まで多く持っていた方の勝ち
イカサマはokだけど、相手に追求された場合は、その際の勝負は無効。チップは相手に渡す。
役などは変更なし。基本的なもののみ
休憩等はありだが、宣言してから行うように
審判としては、公平な矢澤さん、姉さんの二人
他のメンバーは別室で観覧している
チップは100枚。
役が同じ場合は引き分けとなり、賭けたチップは破棄する
との事だ。
「それじゃ始めるか」
「えぇ」
矢沢さんがデッキをシャフルし、僕と結弦に五枚カードを配る。
僕の手札は2、4、5、5、8
ワンペアのみだけど、ここは様子を見よう。
「二枚交換」
4と8を捨て、二枚引き、2と3が手札に加わった。
「僕はこのままで」
結弦は交換しない。そんなにいいカードなのか?
「チップは十枚」
「なるほどね。なら僕も…………」
お互いチップを十枚かけ、勝負をする。
「2と5のツーペア」
「ブタだ」
結弦の手札は3、5、8、7、J
一回戦は僕の勝ちだ。でも結弦の狙いが分からない。
別室にて
「弟さんの勝ちですね。このまま連勝すれば…………」
「でも相手は何かをするつもりね。わざわざブタを出すなんて…………」
「それにイカサマもありですから、それを見抜けるかが分かれ目ですね」
かすみさん、果林先輩、せつ菜先輩がそう言う中、
「相変わらずの初手ですね」
「始めての人が気づけるかどうかね」
「でも慣れた相手は変に考えすぎる。看破できたのって…………」
「私と希ちゃんだけだね」
「ことりちゃんはゆーくんの考えを読むのが上手いもんね」
海さん、絵里さん、希さん、ことりさん、穂乃果さんがそんなことを話していた。響くん、大丈夫かな?
二回戦
響 チップ110
結弦 チップ90
僕の手札は4のスリーカード。
ここは交換せずに行くしかないな。
「二枚交換」
結弦は二枚交換し、場に20枚のチップを出した。
「さぁ乗るか?」
誘っているのか?だとしたら乗るか。
僕はチップを20枚出し、お互いのカードを公開した。
「スリーカード」
「フォーカード」
結弦はフォーカード…………運がいいのか?それとも…………
「今のは運だよ。イカサマじゃない」
僕の考えを読んだのか?それとも顔に出ていたのか?
「何となくだけど、お前は考えすぎて、一歩踏み越えるのを怖がってるな」
「そんなことは…………」
「怖がるのはいい。ただ大事なことに関しては怖がらずに踏み越えろ」
何を言いたいんだ?この人は…………
「さて三回戦だ」
響 チップ90枚
結弦 チップ 110枚