三回戦。
僕の手札の役はフルハウス。運が回っているのか?だとしたら…………
「交換はしない」
「そうか。二枚交換」
結弦は二枚交換し、チップは…………
「オールだ」
全賭け!?結弦は何を考えているんだ?
「お前はどうする?全賭けしないのか?」
誘ってるんだよな。だったら負けてられない。これで僕が勝てば終了だ。
「僕も全賭けする」
「煽られて踏み込むか。少しは自分から踏み込んでみたらどうだ?」
惑わされるな。でも…………
『私は理想のヒロインになっていますか?』
しずくの言葉が頭に過った。僕は踏み越えてはいけないと決めつけていたけど…………でも…………
今は勝負だ。僕らは場にカードを出した。
「フルハウス」
「ブタだ」
「弟さんの勝ちですね。相手のチップは無くなりましたし」
「確かに~これで私たちの勝ちだね~」
「でも勝敗には関係ないよ」
かすみさん、彼方先輩、エマ先輩がそう言うなか、私はある違和感を覚えた。
何故、結弦さんは全賭けしたのだろう?手札を見て全賭けなんて…………ましてやこの勝負には降りると言うことはない。だとしたら…………
私は穂乃果さんたちの方を見た
「やったわね…………」
「あれは気がつかないとね…………」
「文句も言えなくなるもんね」
絵里さん、花陽さん、凛さんが苦笑いを浮かべていた。もしかして…………
これでこの勝負は終わりかと思ったけど…………
「にこ、追加だ」
「はいはい。何枚?」
「300枚だ」
結弦の言っていることが分からないでいた。追加でチップを…………
ルールを思い返してみた。チップの追加については…………
「言ってないけど、この勝負は全五回戦だ。途中なくなった場合は、追加しても問題はない。と言うより追加は禁止してない」
結弦は笑みを浮かべていた。ルールに触れてないって、それって…………
「ズルじゃ…………」
「いい忘れただけだ」
そう言えば通るものなのか?いや、ルールを提案したのは結弦だから…………認めるしかないのか?
「良いことを教えてやる。勝負事に勝つには自分のルールを上手く武器にすることだ。さて四回戦だ」
響 チップ200枚
結弦 チップ300枚
今回の手札はツーペア。さてどうするか…………
「ふむ、四枚交換」
結弦は四枚交換した。僕はどうする?交換するか?いや、ここは…………
「このままだ」
互いに賭けたチップは一枚。多分だけど、次の勝負でまた全賭けしそうだ。いや、全賭けさせる
僕の役はツーペア。結弦はスリーカード。結弦の勝ちだ。
響 チップ199枚
結弦 チップ301枚
「最終戦だ。先にやっておくか」
結弦はチップを全部出した。やっぱり…………だけど僕は……チップを一枚のみ残して、残りを賭けた
「一枚のみか。お前の狙いは…………引き分けか?」
「そうだと言ったら?」
「宣言してやる。全部交換。役はロイヤルストレートフラッシュ‼」
役を宣言?どういうつもりだ?結弦はカードを捨て、デッキからカードを引いた
「…………?」
デッキから引いた?いや、何か違う。違和感が…………まさか!?
「今更イカサマの追求はなしだ。やったときに押さえないとな」
くそ、結弦の奴……まさかこれまでの勝負で使ったカードをデッキに戻さずに、数枚隠し持っていたのか
審判の二人はそこら辺は追求しない。自分のルールを上手く武器にしたのか…………
「どうする?引き分けするのには、お前も…………」
「…………最後の最後まで運任せだ‼全交換‼」
僕は全てのカードを交換した。運任せだからカードはみない。
「ロイヤルストレートフラッシュ」
結弦は宣言通りのロイヤルストレートフラッシュ。僕は伏せたカードを公開した。役は………………
「ロイヤルストレートフラッシュだ」
ここで強運が出た。五回戦は引き分け。出したチップは破棄
僕の手元にはチップが一枚。結弦は…………
「ここまでは予想通り。にこに響の交換したカードがロイヤルストレートフラッシュになるようにしてもらったけど…………」
予想通り?どういう意味だ?
結弦はポケットからチップを二枚出した。
「チップをポケットに入れてはいけないのはルール違反じゃない」
や、やりやがった。ここまで予想してたのか?いや、そうなるように操作したのか
「いい勝負だったから、アドバイスだ。大好きな人が踏み込んでくれれば嬉しいものだぞ」
結弦のアドバイス…………踏み込んでみるか
帰り道、しずくと話すことにした僕
「しずく、お前は僕の理想のヒロインだ」
「えっ?」
「だからこそ教えてくれないか?僕に…………何かあったのかを」
「響くん……」