響き渡る雫   作:水甲

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13 音ノ木坂での勝負 後編

三回戦。

 

僕の手札の役はフルハウス。運が回っているのか?だとしたら…………

 

「交換はしない」

 

「そうか。二枚交換」

 

結弦は二枚交換し、チップは…………

 

「オールだ」

 

全賭け!?結弦は何を考えているんだ?

 

「お前はどうする?全賭けしないのか?」

 

誘ってるんだよな。だったら負けてられない。これで僕が勝てば終了だ。

 

「僕も全賭けする」

 

「煽られて踏み込むか。少しは自分から踏み込んでみたらどうだ?」

 

惑わされるな。でも…………

 

『私は理想のヒロインになっていますか?』

 

しずくの言葉が頭に過った。僕は踏み越えてはいけないと決めつけていたけど…………でも…………

 

今は勝負だ。僕らは場にカードを出した。

 

「フルハウス」

 

「ブタだ」

 

 

 

 

 

 

 

「弟さんの勝ちですね。相手のチップは無くなりましたし」

 

「確かに~これで私たちの勝ちだね~」

 

「でも勝敗には関係ないよ」

 

かすみさん、彼方先輩、エマ先輩がそう言うなか、私はある違和感を覚えた。

何故、結弦さんは全賭けしたのだろう?手札を見て全賭けなんて…………ましてやこの勝負には降りると言うことはない。だとしたら…………

 

私は穂乃果さんたちの方を見た

 

「やったわね…………」

 

「あれは気がつかないとね…………」

 

「文句も言えなくなるもんね」

 

絵里さん、花陽さん、凛さんが苦笑いを浮かべていた。もしかして…………

 

 

 

 

 

 

 

これでこの勝負は終わりかと思ったけど…………

 

「にこ、追加だ」

 

「はいはい。何枚?」

 

「300枚だ」

 

結弦の言っていることが分からないでいた。追加でチップを…………

 

ルールを思い返してみた。チップの追加については…………

 

「言ってないけど、この勝負は全五回戦だ。途中なくなった場合は、追加しても問題はない。と言うより追加は禁止してない」

 

結弦は笑みを浮かべていた。ルールに触れてないって、それって…………

 

「ズルじゃ…………」

 

「いい忘れただけだ」

 

そう言えば通るものなのか?いや、ルールを提案したのは結弦だから…………認めるしかないのか?

 

「良いことを教えてやる。勝負事に勝つには自分のルールを上手く武器にすることだ。さて四回戦だ」

 

響 チップ200枚

 

結弦 チップ300枚

 

今回の手札はツーペア。さてどうするか…………

 

「ふむ、四枚交換」

 

結弦は四枚交換した。僕はどうする?交換するか?いや、ここは…………

 

「このままだ」

 

互いに賭けたチップは一枚。多分だけど、次の勝負でまた全賭けしそうだ。いや、全賭けさせる

 

僕の役はツーペア。結弦はスリーカード。結弦の勝ちだ。

 

響 チップ199枚

 

結弦 チップ301枚

 

「最終戦だ。先にやっておくか」

 

結弦はチップを全部出した。やっぱり…………だけど僕は……チップを一枚のみ残して、残りを賭けた

 

「一枚のみか。お前の狙いは…………引き分けか?」

 

「そうだと言ったら?」

 

「宣言してやる。全部交換。役はロイヤルストレートフラッシュ‼」

 

役を宣言?どういうつもりだ?結弦はカードを捨て、デッキからカードを引いた

 

「…………?」

 

デッキから引いた?いや、何か違う。違和感が…………まさか!?

 

「今更イカサマの追求はなしだ。やったときに押さえないとな」

 

くそ、結弦の奴……まさかこれまでの勝負で使ったカードをデッキに戻さずに、数枚隠し持っていたのか

審判の二人はそこら辺は追求しない。自分のルールを上手く武器にしたのか…………

 

「どうする?引き分けするのには、お前も…………」

 

「…………最後の最後まで運任せだ‼全交換‼」

 

僕は全てのカードを交換した。運任せだからカードはみない。

 

「ロイヤルストレートフラッシュ」

 

結弦は宣言通りのロイヤルストレートフラッシュ。僕は伏せたカードを公開した。役は………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロイヤルストレートフラッシュだ」

 

ここで強運が出た。五回戦は引き分け。出したチップは破棄

僕の手元にはチップが一枚。結弦は…………

 

「ここまでは予想通り。にこに響の交換したカードがロイヤルストレートフラッシュになるようにしてもらったけど…………」

 

予想通り?どういう意味だ?

結弦はポケットからチップを二枚出した。

 

「チップをポケットに入れてはいけないのはルール違反じゃない」

 

や、やりやがった。ここまで予想してたのか?いや、そうなるように操作したのか

 

「いい勝負だったから、アドバイスだ。大好きな人が踏み込んでくれれば嬉しいものだぞ」

 

結弦のアドバイス…………踏み込んでみるか

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道、しずくと話すことにした僕

 

「しずく、お前は僕の理想のヒロインだ」

 

「えっ?」

 

「だからこそ教えてくれないか?僕に…………何かあったのかを」

 

「響くん……」

 

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