虹ヶ咲学園に入学したのは良いけど、僕は授業以外は生徒会室で過ごすことにしている。
理由としては、別にそういう風にするようにと決められたわけではなく、ただ色々と目のやり場に困るからだ。
最初はクラスの人は気にしていたけど、段々僕という存在に慣れてきたからか、気にしなくなった。だからこそちょっと居づらい。
だから今日もそうしようとしていたのだけど、
「あの」
珍しく声をかけられ、振り向くとそこには昨日の…………
「しずくだっけ?移動教室の途中か?」
「次の授業は移動じゃないですよ。あの、もしかして同じクラスだって知らなかったんですか?」
「同じクラスだったの?」
「はい、もしかして気がつかなかったんですか?」
しずくは苦笑いを浮かべていた。いや、だって…………
「基本的に教室には授業以外いないし、クラスの子はあんまり顔覚えてないし…………」
「もう少しクラスの子と話した方がいいですよ。みんなも気にしてるので」
そうだったのか…………みんな、気に止めてないと思ってた。
「なるべく教室にいるようにするよ」
「あのそれでどこか行こうとしないでください!?」
「いや、習慣で…………」
「折角ですから、授業が始まるまでお話ししましょう」
優しく頬笑むしずく。こんな顔をされたら、断れないな。
昼休みも一緒に食べることになった。ただ気になったのは…………
「同好会の子と一緒に食べなくて良いのか?」
「今日は大丈夫。ちゃんと断りを入れたので」
「何だか大変みたいだな。人数集め」
「はい、でも先輩のお陰で何とか頑張ってます。後はせつ菜先輩だけなんですけど、学園での目撃がなくって」
せつ菜か…………まぁ、普通に見つけられないよな。
でも姉さんの頑張りが凄いな…………
「その内見つけられると思うぞ」
「はい?」
「しずくも大変だろうけど、頑張って」
「は、はぁ……」
きっとメンバー集めの方は今日か明日辺りにでも解決するだろう。
僕が手伝うことは特にないだろう
その日の夜、自室で勉強をしていると…………
「入るよ~」
「いや、返事待ってよ」
「別に許可とかいらないでしょ。姉弟なんだし」
姉弟でも許可とか必要だと思うのだけど…………
僕の姉『夢咲友里』
赤い長い髪を背中まで伸ばし、可愛い系に入る感じだ。
前にスクールアイドルのライブを見たことで、近くで見てみたいと言っていたのが、今は同好会の為に頑張ってる
「それで何か用?」
「用がないとダメなの?昔はお姉ちゃ~んって言って甘えてきたのに~」
「昔の話は頼むから止めてくれ」
「それで聞きたいことがあるの。優木せつ菜さんの事、知ってるみたいだね」
「しずく辺りから聞いたの?まぁ、知ってるよ」
「どこにいるか知ってる」
姉の問いかけにどう答えれば良いのか悩んだ。変に誤魔化すと後々面倒になる。だったら、
「知ってる」
「それじゃ…………」
「でも姉さんが会う必要はないよ。多分本人もそろそろ決意してるから」
「ふ~ん、分かった。響の言葉を信じるよ」
姉さんは笑顔でそう答えた。何と言うか弟の言葉を信じすぎだろ
「よく僕の…………」
「響は優しくって、嘘をつくような子じゃない。もし嘘をついたとしても、誰かのために嘘をつくような子だもんね」
頭を撫でながら、恥ずかしくなるようなことを言わないで欲しいのだけど…………
「それでもしも…………これは後でいいか」
姉さんは何かいいかけながら、部屋から出ていった。
この感じ、覚悟しておこう。