響き渡る雫   作:水甲

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02 ある日の一時

虹ヶ咲学園に入学したのは良いけど、僕は授業以外は生徒会室で過ごすことにしている。

 

理由としては、別にそういう風にするようにと決められたわけではなく、ただ色々と目のやり場に困るからだ。

 

最初はクラスの人は気にしていたけど、段々僕という存在に慣れてきたからか、気にしなくなった。だからこそちょっと居づらい。

 

だから今日もそうしようとしていたのだけど、

 

「あの」

 

珍しく声をかけられ、振り向くとそこには昨日の…………

 

「しずくだっけ?移動教室の途中か?」

 

「次の授業は移動じゃないですよ。あの、もしかして同じクラスだって知らなかったんですか?」

 

「同じクラスだったの?」

 

「はい、もしかして気がつかなかったんですか?」

 

しずくは苦笑いを浮かべていた。いや、だって…………

 

「基本的に教室には授業以外いないし、クラスの子はあんまり顔覚えてないし…………」

 

「もう少しクラスの子と話した方がいいですよ。みんなも気にしてるので」

 

そうだったのか…………みんな、気に止めてないと思ってた。

 

「なるべく教室にいるようにするよ」

 

「あのそれでどこか行こうとしないでください!?」

 

「いや、習慣で…………」

 

「折角ですから、授業が始まるまでお話ししましょう」

 

優しく頬笑むしずく。こんな顔をされたら、断れないな。

 

 

 

 

 

 

昼休みも一緒に食べることになった。ただ気になったのは…………

 

「同好会の子と一緒に食べなくて良いのか?」

 

「今日は大丈夫。ちゃんと断りを入れたので」

 

「何だか大変みたいだな。人数集め」

 

「はい、でも先輩のお陰で何とか頑張ってます。後はせつ菜先輩だけなんですけど、学園での目撃がなくって」

 

せつ菜か…………まぁ、普通に見つけられないよな。

でも姉さんの頑張りが凄いな…………

 

「その内見つけられると思うぞ」

 

「はい?」

 

「しずくも大変だろうけど、頑張って」

 

「は、はぁ……」

 

きっとメンバー集めの方は今日か明日辺りにでも解決するだろう。

僕が手伝うことは特にないだろう

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、自室で勉強をしていると…………

 

「入るよ~」

 

「いや、返事待ってよ」

 

「別に許可とかいらないでしょ。姉弟なんだし」

 

姉弟でも許可とか必要だと思うのだけど…………

 

僕の姉『夢咲友里』

 

赤い長い髪を背中まで伸ばし、可愛い系に入る感じだ。

前にスクールアイドルのライブを見たことで、近くで見てみたいと言っていたのが、今は同好会の為に頑張ってる

 

「それで何か用?」

 

「用がないとダメなの?昔はお姉ちゃ~んって言って甘えてきたのに~」

 

「昔の話は頼むから止めてくれ」

 

「それで聞きたいことがあるの。優木せつ菜さんの事、知ってるみたいだね」

 

「しずく辺りから聞いたの?まぁ、知ってるよ」

 

「どこにいるか知ってる」

 

姉の問いかけにどう答えれば良いのか悩んだ。変に誤魔化すと後々面倒になる。だったら、

 

「知ってる」

 

「それじゃ…………」

 

「でも姉さんが会う必要はないよ。多分本人もそろそろ決意してるから」

 

「ふ~ん、分かった。響の言葉を信じるよ」

 

姉さんは笑顔でそう答えた。何と言うか弟の言葉を信じすぎだろ

 

「よく僕の…………」

 

「響は優しくって、嘘をつくような子じゃない。もし嘘をついたとしても、誰かのために嘘をつくような子だもんね」

 

頭を撫でながら、恥ずかしくなるようなことを言わないで欲しいのだけど…………

 

「それでもしも…………これは後でいいか」

 

姉さんは何かいいかけながら、部屋から出ていった。

この感じ、覚悟しておこう。

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