バレンタイン当日
今日はバレンタインなのだけど、しずくが普段通りで少し気になる。
朝は演劇部の練習を見ていて、一緒に教室まで向かっていたから、その時にでも貰えるかと思っていたけど、他愛のない話をしただけだった。
今は昼休み。一緒にご飯を食べているけど…………
「どうかしたんですか?」
「ん、いや、何でもない」
いつ貰えるかドキドキしてるけど、全然渡してこない…………
もしかして今日は14日じゃなく13日とかじゃないよな。いや、朝日にちを確認してる。何だろう?一体…………
「………………」
あっという間に放課後になり、僕は生徒会の仕事をしていたけど、
「何だかお疲れみたいですね」
三船がそんなことを言っていた。疲れているわけじゃない。
「ちょっと落ち着かなくって…………」
「落ち着かない?あぁ今日はバレンタインでしたね。貰ってないんですか?」
「そうなんだよ~」
物凄く落ち込んでいると、三船が板チョコをくれた。
「いつもお疲れみたいなので…………別にそういうのではありません」
「あ、ありがとう」
「嬉しくないみたいですね。まぁ、本命の方からの方が嬉しいですからね」
「あ、あはは…………」
まぁ、貰える分にいいけど…………
生徒会の仕事が終わり、部室に行こうとしたけど、もう下校時間だし、しずくは帰ってるだろうなと思いながら、下駄箱を開けると手紙が入っていた。
「誰からだろう?」
手紙を見てみると、書かれていたのは…………
『校門で待ってます』
と書かれていた。とりあえず校門に向かうと、そこにはしずくが待っていた。
「しずく?どうしたんだ?」
「響くん、あの…………」
暗くて見えないけど、何だか顔が赤い気がする。
しずくは深呼吸をし、僕の前にあるものを差し出した。
小さな箱を渡してきた。これってもしかして…………
「あ、開けてもいい?」
僕がそう聞くとしずくは黙ったまま頷いた。
箱を開けると中にはハート型のチョコが入っていた
「私の…………気持ちを込めました」
しずくは恥ずかしそうにしていた。僕はそんなしずくを抱き締めた。
「ありがとう。しずく」
「あの、響くん。恥ずかしいよ」
しずくを駅まで送ろうとしたけど、早くチョコが食べたいから、僕は近くの公園でベンチに座り、しずくの隣でチョコをひと口食べた
「あの、美味しい?」
「うん、美味しいよ」
「あ、あのね。もっと美味しくなるようにしていいかな?」
もっと?どうするのか考えていると、しずくはチョコを口に入れて、僕に口移しで食べさせてきた。
「お、美味しい?」
美味しいとかじゃなく、味がわかりませんよ。しずくさん…………
家に帰ると姉さんがニヤニヤしていた。
「しずくちゃんからチョコ貰えた?」
「う、うん」
「その様子見ると美味しかったのかな?でも…………」
姉さんはテーブルの上にあるものを指差した。そこには9個のチョコが置かれていた。
「私の分を含めて、みんなからだよ。ちゃんと食べて、お返しあげなね」
「姉さんにも?」
「当たり前じゃん。全くこの弟は…………」
ため息をつく姉さん。毎年みたいにマシュマロでいいかな?