響き渡る雫   作:水甲

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20 バレンタイン

バレンタイン当日

 

今日はバレンタインなのだけど、しずくが普段通りで少し気になる。

 

朝は演劇部の練習を見ていて、一緒に教室まで向かっていたから、その時にでも貰えるかと思っていたけど、他愛のない話をしただけだった。

 

今は昼休み。一緒にご飯を食べているけど…………

 

「どうかしたんですか?」

 

「ん、いや、何でもない」

 

いつ貰えるかドキドキしてるけど、全然渡してこない…………

もしかして今日は14日じゃなく13日とかじゃないよな。いや、朝日にちを確認してる。何だろう?一体…………

 

「………………」

 

 

 

 

 

 

 

あっという間に放課後になり、僕は生徒会の仕事をしていたけど、

 

「何だかお疲れみたいですね」

 

三船がそんなことを言っていた。疲れているわけじゃない。

 

「ちょっと落ち着かなくって…………」

 

「落ち着かない?あぁ今日はバレンタインでしたね。貰ってないんですか?」

 

「そうなんだよ~」

 

物凄く落ち込んでいると、三船が板チョコをくれた。

 

「いつもお疲れみたいなので…………別にそういうのではありません」

 

「あ、ありがとう」

 

「嬉しくないみたいですね。まぁ、本命の方からの方が嬉しいですからね」

 

「あ、あはは…………」

 

まぁ、貰える分にいいけど…………

 

 

 

 

 

生徒会の仕事が終わり、部室に行こうとしたけど、もう下校時間だし、しずくは帰ってるだろうなと思いながら、下駄箱を開けると手紙が入っていた。

 

「誰からだろう?」

 

手紙を見てみると、書かれていたのは…………

 

『校門で待ってます』

 

と書かれていた。とりあえず校門に向かうと、そこにはしずくが待っていた。

 

「しずく?どうしたんだ?」

 

「響くん、あの…………」

 

暗くて見えないけど、何だか顔が赤い気がする。

しずくは深呼吸をし、僕の前にあるものを差し出した。

 

小さな箱を渡してきた。これってもしかして…………

 

「あ、開けてもいい?」

 

僕がそう聞くとしずくは黙ったまま頷いた。

箱を開けると中にはハート型のチョコが入っていた

 

「私の…………気持ちを込めました」

 

しずくは恥ずかしそうにしていた。僕はそんなしずくを抱き締めた。

 

「ありがとう。しずく」

 

「あの、響くん。恥ずかしいよ」

 

 

 

 

 

 

 

しずくを駅まで送ろうとしたけど、早くチョコが食べたいから、僕は近くの公園でベンチに座り、しずくの隣でチョコをひと口食べた

 

「あの、美味しい?」

 

「うん、美味しいよ」

 

「あ、あのね。もっと美味しくなるようにしていいかな?」

 

もっと?どうするのか考えていると、しずくはチョコを口に入れて、僕に口移しで食べさせてきた。

 

「お、美味しい?」

 

美味しいとかじゃなく、味がわかりませんよ。しずくさん…………

 

 

 

 

 

 

家に帰ると姉さんがニヤニヤしていた。

 

「しずくちゃんからチョコ貰えた?」

 

「う、うん」

 

「その様子見ると美味しかったのかな?でも…………」

 

姉さんはテーブルの上にあるものを指差した。そこには9個のチョコが置かれていた。

 

「私の分を含めて、みんなからだよ。ちゃんと食べて、お返しあげなね」

 

「姉さんにも?」

 

「当たり前じゃん。全くこの弟は…………」

 

ため息をつく姉さん。毎年みたいにマシュマロでいいかな?

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