「それでみんな、合格点に到達したと…………」
テスト明け、みんなの結果を栞子に話した。
「これで安心したよ」
「…………そうですね。会長からしてみればそうですね」
何だか嫌みだな…………とりあえず後は…………
「演劇の方も一段落したし…………」
頼まれていた演劇の手伝いも終わり、生徒会の仕事も終わらせている。久しぶりにしずくと過ごすかな?
しずくを探していると、階段の踊り場にいたのを見つけた。
「しず…………」
声をかけようとすると、しずくはゆっくりと動いていた。もしかして練習中なのかな?
「ふぅ」
しずくの練習が終わり、気がつくと僕は見とれて、拍手をしていた。
「響くん?」
「ごめん、つい見とれていて…………」
「ふふ、ありがとうございます」
しずくは笑顔でそう告げた。何故か僕はそんなしずくの側により、頬に触れた。
「どうかしたの?」
「いや、何だかしずくが消えそうだと思って…………」
「消える?」
「そんなわけないのにね」
僕は微笑むと、しずくは僕にキスをしてきた。突然の事で驚いたけど…………
「消えないよ…………だから寂しそうにしないで」
寂しそうにしてたかな?でもしずくがそう見えたなら…………そうなんだろうな
「しずく…………好きだよ」
「私も好きです…………貴方の理想のヒロインになっていますか?」
「最初からしずくはそうだったよ。僕の理想のヒロインだよ」
もう一度キスをする僕らであった。
気がついたら、夕陽が僕らを照らしていた。いつの間に眠っていたんだろう?
しずくは僕に寄り添っていた。
「まだ…………お互いあれだしな…………」
「何がですか?」
呟いていると、しずくが聞き返してきた。起きていたのか…………
「いや、その…………」
「?」
「いつかの話だけど…………このままずっといれたら…………結婚…………」
「結婚!?」
いくらなんでも気が早いよね。僕は直ぐに冗談だと言おうとすると…………
「響くんと結婚…………それもいいですね」
「しずく?」
「今度は理想のヒロインではなく、理想の奥さんにならないとダメですね」
何だか本気にしてるけど…………冗談だとか言わない方がいいよな。
「響くん」
「はい」
「いつか貴方のプロポーズ待ってますね」
いつか…………か。そのいつかに直ぐになれるように頑張らないとな
数年後
「貴方……起きてください」
「ううん…………おはよう。しずく」
「おはようございます。貴方」
しずくに貴方って呼ばれるのはすごくうれしいけど…………
「しずく」
「はい?」
「まだ結婚してないけど…………」
僕としずくは同じ大学に通い、同棲している
結婚はまだ資金的に足りなかったりするので…………それに指輪もちゃんとしたのを送りたい。
「言ってみたかっただけです」
しずくは悪戯っぽく笑うのであった。いつか結婚して貴方って言われるようにしないと…………理想の奥さんになってもらうように