僕が優木せつ菜の正体に気がついたのは、ちょっとした偶然からだ。
偶々ネットに上がっていたスクールアイドルのライブを見ていたときに、彼女の姿が映し出されていた。
「この子…………菜々に似てるな……」
何処と無く彼女に似ている。まぁ、あの菜々がスクールアイドルをやってたりする訳ないよな。
その時はそう思っていたが…………
映像を見た次の日、生徒会室で作業をしていた僕と菜々。
僕は背伸びをしながら、菜々に昨日の話をふった。
「菜々」
「何ですか?」
「昨日、スクールアイドルの動画を見てたんだけど…………」
「夢咲君、興味あったんですか?スクールアイドルに」
「偶々見かけて、それで見てたら、虹ヶ咲で有名の優木せつ菜が出ていたんだけど、何か菜々に…………」
気がつくと菜々が体を震わせていた。もしかしてこういう話題は嫌いだったのかな?
「あの、分かっちゃいました?」
「何が?」
「ですから………………だってこと…………」
「何?」
「ですから私が優木せつ菜だってことをです」
この子はいきなり何を言ってるんだ?僕はただ似てるって話をしようとしていたんだけど…………
「あの菜々…………」
「何ですか!?」
「自爆してる。僕は似てるって話をしようとしていただけで…………」
「………………うぅ」
「ご、ごめん、泣かせるつもりは…………」
自爆して泣きそうになっている菜々。凄い申し訳なくなってきた。
何とか菜々を落ち着かせた僕。菜々から改めて話を聞くと…………
「スクールアイドルが大好きだけど、両親にバレたら活動を禁止させられるから…………」
「はい、変装しています。優木せつ菜は芸名として…………」
「今まではバレなかったのですが…………」
「バレたというより、自爆だったけど…………」
「うぅ」
「まぁ、他の誰かに話すつもりはないから安心して…………」
「夢咲君、本当に?」
「うん、お世話になっている人を裏切ったりしないから、なるべく手伝えることがあったら、手伝うよ」
「本当に…………あなたは優しいですね」
ある日の事、菜々が落ち込んでいた。
「私のせいで…………私のせいで……」
「…………」
菜々は所属している同好会とちょっとしたいさかいがあったみたいだ。菜々は自分の大好きのせいだと思っていた。
こういう時は何か言ってあげるべきだけど…………言葉が見付からない。
姉さんなら何か言ってあげられただろうな……
そして今、生徒会室で僕は一人作業をしていた。
菜々は今は同好会に行っている。決意をして、戻る事を決めたみたいだ。
僕は…………
「応援してるよ。菜々」
そう呟き、作業を始め…………
「夢咲くん」
突然生徒会室にしずくが入ってきた。何だ?何かあったのか?
「同好会、復活出来ました」
「そっか、良かったね。応援してるよ」
「ありがとうございます。でもお願いがあります」
「お願い?」
「先輩に言われたんです。きっと助けになってくれるって…………私たちの事を手伝ってくれませんか?」
手をさしのべるしずく。手伝いか…………
「僕は力になれることは少ないけど、それでもいいなら…………」
「そんなことないです。貴方は…………」
しずくは何か言いかけたが、直ぐに止めた。
「いえ……何でもないです。あの……」
「まぁ、ここで断ったら姉さんに何を言われるか…………手伝うよ」
僕はしずくと握手を交わした。さて、これから忙しくなるな
ただしずくと前に会ったことがある気がするのは気のせいかな?