イベントに向けて、レッスンに励むみんな。
僕はと言うと、何故かしずくとバレーボールの練習をしていた。
運動神経はいいしずくだけど、球技は苦手らしい。その練習に僕が付き合うことになった
「そろそろ休憩しようか」
「は、はい」
ボール出しとかなのに結構疲れるな。運動不足かな?
「練習付き合ってもらってありがとうございます」
僕の隣に座りながら汗を拭くしずく。
仄かに甘い匂いが香り、ちょっとドキドキしてきた。
「前に果林さんや先輩に教えてもらったんですが、上手くできなくって…………」
「まぁ、誰だって苦手なことはあるから…………」
「響くん、ありがとうございます」
しずくの笑顔。やっぱりどこかで…………
『もし、貴方が私の事を覚えていなくても、私は……貴方の事を好きで居続けます。でも私は貴方の事を知らない私を演じます。思い出さなかったりしたら、辛いから……』
不意に頭に響く彼女の言葉…………まさか……
『それじゃ覚えていたり、思い出したら、僕は君の事を好きだって伝えるよ』
「しずく」
「はい?」
思い出した。何で忘れていたのだろう?いや、忘れるようにしたんだ。彼女にもう会えないと思って………
だけど僕らは約束した。
「好きだ」
僕の言葉を聞いて、しずくはどんな顔をしているんだろう?
しずくは顔を赤くしていた。
「い、いきなり何を言ってるんですか?あの、好きって…………」
「思い出したんだよ。昔、旅行先で会った女の子の事を…………その子の事が僕は好きだった。だけどずっといられないし、また会うことが出来ないからって…………忘れようとしていたんだ」
だけどようやく思い出し、あの時の約束を果たさないと…………
「…………思い出したんですね。響くん」
「うん、ごめん。思い出せなくって…………演じるの辛かったよね」
「演じるのは得意だから…………でももう演じなくていいですよね」
「あぁ」
「響くん、私も貴方の事が好きです」
しずくが僕に抱きつき、僕は抱き締めた。
お互い昔の事を思い出して、僕はあることを聞いた。
「姉さんは知ってたのかな?」
「はい、初めてお会いしたときに、私の事を覚えていたみたいで…………色々と気を使ってもらって…………」
「あの姉らしいな…………」
後でお礼を言わないとな。後は
「しばらくはみんなには?」
「恥ずかしいので、内緒にしていいでしょうか」
「そうだね」
変に話したりして、変な空気になったら、嫌だし…………
「今度のイベントが終わったら、話そうか」
「はい」
こうして僕らは恋人同士になるのであった。
その次の日、かすみから一年生同士、交流を深めたいと言うことで、お昼を一緒に食べることになった。
「何か僕も読んでもらって悪かったね」
「弟さんも同好会のメンバーですから、仲間はずれは良くないと思ったので」
「響くんとこうして話すことがなかったから、この会は楽しみだった。璃奈ちゃんボード『ニッコリ』」
「まぁ、あんまり話すことはなかったからね」
僕はお弁当を広げると何故かかすみがある疑問を浮かべた
「あれ?弟さんのお弁当、しず子と同じですね」
「「えっ?」」
「本当だ。おかずが一緒。璃奈ちゃんボード『はてな』」
「ぐ、偶然ですよ。偶然」
「そ、そうそう、偶々……」
「ん~?そう言うこともあるんですね」
ばれるかと思った。いや、後々言うつもりだけど、まだバレたくない。
「す、すみません。少し変えておくべきでしたね」
「いや、こうなるとは思ってなかったから…………」
話すまでは気を使わないと…………