響き渡る雫   作:水甲

5 / 22
05 約束

イベントに向けて、レッスンに励むみんな。

僕はと言うと、何故かしずくとバレーボールの練習をしていた。

 

運動神経はいいしずくだけど、球技は苦手らしい。その練習に僕が付き合うことになった

 

「そろそろ休憩しようか」

 

「は、はい」

 

ボール出しとかなのに結構疲れるな。運動不足かな?

 

「練習付き合ってもらってありがとうございます」

 

僕の隣に座りながら汗を拭くしずく。

仄かに甘い匂いが香り、ちょっとドキドキしてきた。

 

「前に果林さんや先輩に教えてもらったんですが、上手くできなくって…………」

 

「まぁ、誰だって苦手なことはあるから…………」

 

「響くん、ありがとうございます」

 

しずくの笑顔。やっぱりどこかで…………

 

『もし、貴方が私の事を覚えていなくても、私は……貴方の事を好きで居続けます。でも私は貴方の事を知らない私を演じます。思い出さなかったりしたら、辛いから……』

 

不意に頭に響く彼女の言葉…………まさか……

 

『それじゃ覚えていたり、思い出したら、僕は君の事を好きだって伝えるよ』

 

 

 

「しずく」

 

「はい?」

 

思い出した。何で忘れていたのだろう?いや、忘れるようにしたんだ。彼女にもう会えないと思って………

だけど僕らは約束した。

 

「好きだ」

 

僕の言葉を聞いて、しずくはどんな顔をしているんだろう?

しずくは顔を赤くしていた。

 

「い、いきなり何を言ってるんですか?あの、好きって…………」

 

「思い出したんだよ。昔、旅行先で会った女の子の事を…………その子の事が僕は好きだった。だけどずっといられないし、また会うことが出来ないからって…………忘れようとしていたんだ」

 

だけどようやく思い出し、あの時の約束を果たさないと…………

 

「…………思い出したんですね。響くん」

 

「うん、ごめん。思い出せなくって…………演じるの辛かったよね」

 

「演じるのは得意だから…………でももう演じなくていいですよね」

 

「あぁ」

 

「響くん、私も貴方の事が好きです」

 

しずくが僕に抱きつき、僕は抱き締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お互い昔の事を思い出して、僕はあることを聞いた。

 

「姉さんは知ってたのかな?」

 

「はい、初めてお会いしたときに、私の事を覚えていたみたいで…………色々と気を使ってもらって…………」

 

「あの姉らしいな…………」

 

後でお礼を言わないとな。後は

 

「しばらくはみんなには?」

 

「恥ずかしいので、内緒にしていいでしょうか」

 

「そうだね」

 

変に話したりして、変な空気になったら、嫌だし…………

 

「今度のイベントが終わったら、話そうか」

 

「はい」

 

こうして僕らは恋人同士になるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

その次の日、かすみから一年生同士、交流を深めたいと言うことで、お昼を一緒に食べることになった。

 

「何か僕も読んでもらって悪かったね」

 

「弟さんも同好会のメンバーですから、仲間はずれは良くないと思ったので」

 

「響くんとこうして話すことがなかったから、この会は楽しみだった。璃奈ちゃんボード『ニッコリ』」

 

「まぁ、あんまり話すことはなかったからね」

 

僕はお弁当を広げると何故かかすみがある疑問を浮かべた

 

「あれ?弟さんのお弁当、しず子と同じですね」

 

「「えっ?」」

 

「本当だ。おかずが一緒。璃奈ちゃんボード『はてな』」

 

「ぐ、偶然ですよ。偶然」

 

「そ、そうそう、偶々……」

 

「ん~?そう言うこともあるんですね」

 

ばれるかと思った。いや、後々言うつもりだけど、まだバレたくない。

 

「す、すみません。少し変えておくべきでしたね」

 

「いや、こうなるとは思ってなかったから…………」

 

話すまでは気を使わないと…………

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。