響き渡る雫   作:水甲

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09 沼津デート

沼津に来て数日が経った。今はサマーフェスティバルに向けて、準備を手伝っていたけど

 

「響、お客さん」

 

「客?」

 

沼津に知りあいはいないはずだけど、誰だろう?

 

「響くん、久しぶりでいいのかな?」

 

僕を訪ねてきたのはしずくだった。何でここに?

 

「あれ?しずくちゃん、どうしたの?」

 

姉さんはしずくがいることに驚いていた。てっきり姉さんが呼んだのかと思ったよ。

 

「えっと…………何と言いますか……その……」

 

しずくは僕の方をチラチラ見ていた。

 

「なるほどね~」

 

「まぁ、初々しいと言うかですね」

 

姉さんと奏が笑っている。何だ?どういう理由だ?

 

「千歌さんたちには言っておくから、響はしずくちゃんと一緒に観光でもしておきなさい」

 

「こっちは大丈夫だから」

 

二人に進められるまま、僕はしずくと一緒に近くを見て回ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

「海が綺麗ですね」

 

「うん、しずくと見れて良かったよ」

 

「響くん、自然にそう言えるのは凄いことですけど、その……」

 

顔を赤らめるしずく。変なことを言ったかな?

 

「ここには水族館が3つあるけど、見ていく?」

 

「ううん、今日はいいです。ただ響くんと一緒に歩いているだけで、私は充分です」

 

しずく…………

 

僕はそっとしずくの手を繋いだ。

しずくは手を繋いだ瞬間、少し体をビクつかせていた。

僕は咄嗟に放してしまった。

 

「ごめん、急に手を握って」

 

「…………もう一度手を握ってくれませんか?」

 

しずくはこっちを見ずに、そう言っていた。きっと恥ずかしくて見れないのかもしれない。

僕はしずくの言う通りに手を繋ぐとしずくは握り返してた。

 

 

 

 

水門の展望台に来た僕ら。展望台は夕日に照らされ、真っ赤に染まっていた。

 

「今日、実は演じているつもりでした」

 

「演じていた?何を?」

 

「本当の自分を隠す女の子をです」

 

本当の自分を隠す…………しずくは何を隠していたんだ?

 

「大好きな人に会いに来たと思わせたくないように…………」

 

「しずく…………」

 

夕日に照らされたしずく。目を潤ませていた。

 

「でも駄目ですね、私…………好きな人に手を握られたら、演技なんて忘れちゃいました」

 

「別に演じなくてもいいのに…………」

 

「だって恥ずかしくって…………」

 

「しずく、出来たら僕の前では演じなくてもいいよ。恥ずかしくても、好きな人がしてほしいことを言ってほしいから」

 

「響くん…………」

 

お互い見つめ合う僕ら。しずくは僕の頬に触れ

 

「目を瞑って下さい」

 

「うん」

 

目を瞑ると柔らかい感触を感じた。僕は目をあけ、

 

「しずく…………もう一回してもいい」

 

「でも…………」

 

「嫌?」

 

「嫌じゃないです」

 

もう一度キスをした僕ら、さっきのキスは短かったけど、今度のは長めにキスをした

 

「…………しずく」

 

「響くん…………大好き」

 

「僕も…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

しずくを駅まで送る僕。まだ離れたくないけど…………

 

「それじゃまたな。しずく」

 

「またね。響くん」

 

そう言うと、携帯にメッセージが入った。

 

「姉さんから?」

 

『こっちは大丈夫だから、そのまま家に帰ってよし。しずくちゃんもお泊まりするなら今日は大丈夫だよ。お母さんたち、いないから』

 

何て言うメッセージを…………

 

「響くん、その、泊まってもいいのかな?」

 

「いや、それはその、泊まって欲しいけど、色々とその」

 

「え、エッチなことは駄目ですからね。その…………それ以外のことなら…………」

 

「しずくの親の方は大丈夫なのか?」

 

流石に無断外泊は駄目だと思うけど…………

 

「大丈夫です。両親には泊まりがけと言ってありますから」

 

「それじゃ…………泊まっていく?」

 

「はい」

 

こうしてしずくが僕の家に泊まることになった。エッチなことは駄目と言うけど、僕の理性は持つのか…………

 

 




次回はお泊まり回となります
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