その歌声に想いを乗せて   作:送検

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第6話

 

 

 

 

そもそもの話、休日というのは何のためにあるのだろうか。

休日、休む日と書くその文字が示す意味はその名の通り身体を休めるためにある日だと俺は思っている。

何事もオーバーワークなんてものは身体に良い影響を及ぼさない。

だからこそ人には休日が設けられ、その日には皆大なり小なりリフレッシュをすることの方が多い。

 

しかし、巷では子どもは風の子という言葉が広がっているらしい。

その言葉の意味は子供は活発で、寒風が吹いていても戸外を駆け回って遊ぶものだということ。

要は、ガキどもは寝たりゲームなんてしてないで外を駆けずり回ってりゃ良いってことだ。

俺達は犬じゃないんだぞ。恒温動物の人間だ。

それを休日にまで外に行け───なんてのは、あまりにも酷いことだとは思わないかね。

 

 

 

要は何が言いたいかっていうと───

子供は風の子って暴論じゃねえのかってことだ。

 

 

「と、いうわけで俺は今日はぐっすり快眠と洒落こみたいところなんだが」

 

「外に出ろ」

 

暴論だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待ってよおやっさん」

 

場所は自宅。

下宿先の一軒家の借り部屋で俺は布団を家主のおやっさんに剥ぎ取られた所から始まる。

おやっさん───遠縁の親戚であるこの人は、福岡で生意気言ってギャーギャー騒いでた俺を埼玉に引っ越させて、引き取ってくれた恩人でもある。

あれよこれよという間に転校した俺だが、不自由なく、ホームシックになることもなくこうして無事に生きていられるのはおやっさんの力が大きい。

文句を言えばキャメルクラッチ諸々のプロレス技を喰らうことになるが、それでも話を聞いてくれるだけマシってものだ。

 

「なんだ」

 

「そもそもの話、人の休日の過ごし方なんて多種多様の筈だ。余程人様に迷惑をかけるようなことしなけりゃあ基本は何しても良い筈さ」

 

さて、今いる場所と俺が引っ越した要因を纏めたところで今のこの状況について説明しよう。

まあ、簡単だ。

何時も休日になるとぐーたらしている俺に、遂におやっさんの堪忍袋の緒が切れた。

朝7時、エプロンを着たおやっさんに布団を剥ぎ取られるとゴミを見るような目で俺を見遣る。

その視線に殺気と恐怖を感じた俺は、慌てつつも外に出ろと宣うおやっさんにあーだこーだと弁解をしているのだが、なかなかおやっさんの牙城を崩すことが出来ない。

てか、さっきまでキャメルクラッチ喰らってた。

 

「ふむ、しかしお前は昨日10時間もの時間を睡眠に費やした。これ以上眠る必要なんてないというのが私の考えなのだが」

 

「睡眠時間なんて人それぞれさ、アンタにあーだこーだ言われる筋合いはない‥‥‥そうは思わないかね、おやっさん」

 

「ふむ」

 

「‥‥‥よってだ、俺は今日は寝る。というわけで布団返せ!」

 

奇襲を仕掛け、布団に向かって飛び込むもののおやっさんはあたかも俺を赤いマントに突撃する牛のように見立て、ひらりと布団を動かす。

標的を失った俺は、障子に頭を強かに打ち付けてしまった。

 

「ぐおおおおお!?痛い!!ねえこれ頭割れてない!?割れてるよなこれェ!!」

 

「割れてない」

 

「こんなの家庭内暴力じゃねえのか‥‥‥!?」

 

「残念だったな、俺はお前に手を出していない、緊急回避をしたのみだ」

 

クソが付くほどの図星をありがとよ。

お陰様で目が覚めたよこんちくしょう。

 

「そもそも、お前は何をしに親の許可を得てこっちに来たんだ」

 

「‥‥‥傷心旅行」

 

「心の傷を睡眠如きで癒せるのなら福岡でもできるだろ。この1年間、折角関東に暮らせてんならもっとここでしか出来ないことをしなさい」

 

とは言うものの対して目的なんてないんだよ。

ぶっちゃけここに居て平穏無事な暮らしを出来てるだけで俺は傷心旅行をこなせてしまっている。

寧ろ、行きたくもない外に出て余計なストレスを貯める方が逆効果だと俺は思うがね。

 

「屁理屈を捏ねず、少しは外に出ろ。そうだな‥‥‥ここは東京に近い、豊洲にでも行ったらどうだ?」

 

「嫌だ」

 

「駄々を捏ねるな。お前には兎に角外に出てもらう。どうしてもってんならキャメル喰らわせるが‥‥‥」

 

「是非行かせて頂きます」

 

「最初からそう言え、仕方のない奴め」

 

邪智暴虐にも程があると思うのだが。

俺が態々プロレス技を喰らうような性格ではないということをこの人は分かっていてあんなことを言っているのだ。

まさに狡猾だ。このおやっさん。

 

おやっさんがポケットの中をまさぐり、1枚の紙を取り出す。

その紙を凝視すると、福沢さんが描かれた紙がひらひら踊っている。

今度は札で頬でも叩くのかと身構えていると、おやっさんがため息を吐いて一言。

 

「旅費だ、これで遊んでこい‥‥‥」

 

そう言って、俺に1万円を手渡した。

 

「お、おやっさん‥‥‥」

 

エプロンから躊躇いなく1万円を取り出し、はたまた躊躇いなく俺に1万円を手渡してくれたおやっさんの胆力を見込んで更にお願いがある。

なに、難しいことではない。

寧ろ喧嘩するよりも余っ程健康的で欲望に忠実なお願いさ。

 

「‥‥‥なんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「豊洲まで行く金くれない?」

 

「小遣い使って行け」

 

 

知ってた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何が好きで朝っぱらから東京へ行かねばならないのかと空を睨みたくなる気分に襲われている。

明朝、ゆっさゆっさと揺り動きながら走り出す電車に乗り込み、座り込むこと早20分。

俺は、うとうとしつつもスマホを見るという至って退廃的な行為をしてバッテリーの充電を順調に減らしていた。

 

だがしかし、舐めてもらっては困る。

こんな時もあろうかとモバイルバッテリーを保有済みだ。

流石に有線はダメだからな。

電気泥棒って奴さ、他人にも迷惑を被ることになるだろう。

 

なけなしの金と形容するには些か難があるが、これでもお小遣い難民で年に一度貰えるお年玉をためて購入した上等なものだ。

大切に使わせてもらっている。

 

「さて‥‥‥」

 

豊洲まで行ってこなければならないのはおやっさんとの約束であり、マストミッションだ。

それはいくら俺とはいえ分かっている。

問題はどこで時間を潰すべきなのかだ。

 

カフェで時間を何時間も浪費するのはあまりに退屈だし、かといって物欲もなければ食欲もない。

14歳という多感なお年頃に、食べ歩きやウィンドウショッピングに勤しめないのは割かし問題だとは思っているが事実興味がないのだから致し方があるまい。

 

結果、今のままではせっかく豊洲に行ったところで退屈なだけだ。

それが現状であり俺の運命なのだ、悲しいことにな。

 

とはいえ、そんな運命で良しでは問屋が卸さない。

おやっさんから諭吉さんの補助を貰っている以上、タダで帰る事はできない。

ゲームでいうところの探索と同じだ。長い時間という金をそういったものに費やしているのだから何かしらの成果は欲しい。

時は金なり、だ。

まあ、さっきまでその時間で居眠りキメてた男の言うことではないのは重々承知の上なのだが。

 

 

 

 

 

 

「お?」

 

ぼーっとしていると不意に見かけたポスター。

どうやら今日東京付近でアイドルの劇場公演があるらしい。

しかも、場所は目的地の近くときた。

 

「さて、どうしたもんかね」

 

ここで一丁アイドル鑑賞に洒落込むのも悪くはないだろう。

ゲーム的にはそんな流れだ。

ただ1つ誤っては行けないのは、こうして動いているのはゲームでもプレイヤーでもなんでもない、俺自身だということ。

行動にはそれなりの責任がかかる。

果たして本当に行っていいものなのか、そこが問題だ。

 

予算的に大丈夫なのか、財布を確認。

財布の中身にはここぞとばかりに溜め込んだ5000円札の数々。

なまじ買うものが食い物‥‥‥主に10円ガムと飴玉位しかない俺にとって、比較的金は貯まりやすかった。

 

「樋口はんが4枚‥‥‥野口さんが1枚‥‥‥そして、福沢大先生が1枚、か」

 

うん。

 

金銭的には何の問題もないな。

 

どハマりすることもないだろう。

アイドルオタクでもあるまい。

1日くらいこういうのに興じてみても、バチは当たらない筈だ。

 

「‥‥‥おーけぃ」

 

ほなら、行ってみましょうかね。

目指すは豊洲駅。

既に乗り換えており、もう少ししたら着くことだろう。

生まれて初めて小遣いで行くライブ。

どんなものなのかと楽しみにしながら、俺は電車に揺られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて、豊洲駅に着く。

人並みがそれなりにあり、今日がライブだということを示している。

それ程熱中することなのか、俺には分からないが───まあそれはビギナー故のご愛嬌って奴だ。

恐らく、彼等なりの楽しみがあるのだろう。

推しとやらがいたり。

個人的に歌を聴きたかったりとか。

その手の理解が無い訳では無い。

 

「‥‥‥ま、理解は出来ても進んで行こうとは思えんがな」

 

独りごちて、ライブがあるらしい───近くの公演広場にある建物へと向かっていく。

765プロライブ劇場。

立派な建物に、『765 LIVE THEATER』と書かれた看板が眩しい。

 

外観は100点と言っても良いくらい綺麗だ。

普段から掃除をしているのか、周りにゴミもない。

好印象である。

 

「へー‥‥‥割と良い、じゃん」

 

人混みは嫌いだが、建物と海が綺麗なこの場所は間もなく俺のお気に入りの場所と化していた。

しかし、疲労には勝てず何処か頭痛もし始めてきた為一旦休憩を摂ることにする。

いや、そもそもチケットを取れるのかどうかも分からん。

 

「どうしたもんかね‥‥‥」

 

帰るか。

 

いやいや、流石にここまで来て調べもせずに帰るこたァねえだろう。

せめてチケット販売員に当日券ありますかーって聴くくらい良いだろう。

そもそも当日券販売してるのかも知らんが。

完売御礼なら、終わりだ。

 

「はぁ‥‥‥」

 

そもそもだ。

1人でこんな所に来たのも悪手だったし、ノープランだったのも悪手だった。

そのお陰で俺はこんな頭を悩ませているのだ。

無知は罪、そして恐ろしいものなのだろう。

項垂れて、あからさまなため息を吐いた。

少しは気分が紛れたと信じたいもんだね。

 

 

兎に角、だ。

無知なら無知なりに先ずは聞いてみる。

コミュ障じゃないんだ、人に聴くくらい訳ない。

 

 

「うし」

 

休んだら気分も回復した。

いつまでもぼーっとしてても状況が好転するわけでもない。

立ち上がり、シアターの方へと目を遣る。

目指すは、あの近く。

 

 

 

 

「んじゃぼちぼち───」

 

「待ちたまえ、そこのキミ!!」

 

 

 

が、呼び止められた。

何処ぞのゲームのような言い回しが思い浮かぶ程の身のこなしに感服しつつも、目の前の事象に辟易していた俺は、軽くため息を吐いて目の前の男を見る。

初老の男性だ。

スーツをビッシリと着込んでおり、その立ち姿は高貴ささえ伺える。

しかし、その顔付きは何故か良く見えず、陰に隠れているのだろうか───輪郭まではハッキリ見えない。

そんな男は俺の逃げる為のルートを封じるや否や、俺にニヤリと笑みを送った。

 

「キミ!!」

 

「あ゛ぁ〜?なんですかねぇ」

 

行動を妨げられ、意志を歪まされた故か思わず低い声が出てしまうが決して怒っている訳ではない。

寧ろ、目の前の状況に困惑しているというのが正しいと言えよう。

大体、こんな時に唐突にスーツ着込んだ男に話しかけられたら誰だって驚く。

 

 

「キミ、暇かね?」

 

「暇、ちょ〜暇。何なら野原で寝転がるぐらいには暇」

 

本当である。

俺は、このライブに行くことができなければ路頭に迷い、豊洲の街中をふらつく変態不審者として名を馳せることになるだろう。

依然として我ながら低いと感じる声で、男に告げる。

するとこの男、はっはっは‥‥‥!と笑いながら俺を見据えやがった。

今、この瞬間に正当防衛が成立するなら間違いなく殴りかかっていただろう。

しかし、その後に俺が殴り掛からなかったのは男がとあるものを己の胸ポケットから取り出したからである。

 

「なら、キミにはこのチケットを進呈しよう」

 

そこには、俺が求めているものがあった。

チケット───外から劇場へと繋がるパスポート。

そんなものを嬉嬉としてひらひらさせるこの男に俺が抱いた感情は───

 

 

 

100パーセント、不信感に決まっている。

 

「もしかしてダフ屋ですか?いっけねぇ‥‥‥警察に通報しねぇと」

 

「ま、待ちたまえ待ちたまえ!!別に私は怪しいものでは無いんだ!!ほら!コレを見たまえ!!」

 

ダフ屋が何かを掲げ、俺の目の前に突きつける。

チケットだ。チケットだな。

で、俺は通報して良いんですかね?

 

「‥‥‥ほーん」

 

「信じてくれたかね?」

 

「手当り次第チケット難民にダフる時代になったか‥‥‥日本も堕ちたな」

 

「全然誤解が解けてない!?」

 

誤解も何もアンタが撒いた種だと思うんだがな。

普通ダフ屋でもない限り約束もクソもない状態でチケットを譲るお人好しなんてそうそう見ないぞ。

この男は今一度自分が何紛いの行為をしているのか考えた方が良い。少し考えれば恐らく自分が禁止行為をしていることに気づけるから頑張れよ。

 

「なら、タダでチケットを渡す‥‥‥それでどうだい?」

 

そういう訳じゃない。

いや、タダで貰えるなら貰いたいけど。

人間、タダという言葉には弱いものだ。

そして、普段釣り餌に引っかかることの多い俺がこんなものをタダでチラつかせられたら食いつくに決まっているのは俺が1番知っている。

 

ただ、疑問点は幾つかある。

そもそも俺とこの人には縁もゆかりも無い。

たかが一般人の初瀬翔大に、アイドルのライブを見させて何をしたいのか、俺に懇切丁寧に説明してくれないだろうか。

 

「‥‥‥アンタ、俺に何をさせたいんだ?」

 

「このライブをキミに見て欲しいだけだよ」

 

おう、そうか。

全く意味がわかんねーぞ。

 

俺を魅了させてメリットはあるのかは依然として分からぬが、この人が譲ると言っているのなら厚意に甘えても良いのだろうか。

なんという魅力的な言葉なのだろう、タダ。

知らない人からのプレゼントにも関わらず気分の高揚感を抑えられないね。

 

「‥‥‥ならお言葉に甘えて、貰おうかね」

 

「良い判断だ!」

 

そう言うが否や、チケットを俺に押しつけるこの男。

それを半ば強引に掴まされると、男は劇場に向かって歩いていく。

 

「では、キミが劇場に来るのを楽しみにしてるよ‥‥‥初瀬くん」

 

その言葉を最後に、男は去っていった。

辺りには静寂が響き、何も聞こえない。

そんな中で、俺は一言───

 

 

 

 

「や、あのおっさんなんで俺の名前を知ってるのさ」

 

先程も言った通り、俺はあの人に昔出会ったとかいう記憶はない。

それにも関わらず名前を覚えているというのは、何故だろうか。

有名になろうが無名だろうが俺は構わないが、自覚位は俺だって欲しい。

知らぬ間に有名になっていたりなんかしても一周回って恐怖しかない。

 

そもそもの話、チケットだけ貰っても後はどういう風に身を振れば良いのか分からなければ本末転倒だと思うんだがな。

おっさん登場から、チケットを貰うところまで尽くが唐突で先程から頭が動かない。

参ったな、さっきまで頭を休めてたのにまた使い物にならなくなってしまった。

 

「しゃあねえ」

 

物事を進めるために1番頭を使わず、手がかからない方法は他人に物事を聞くことだ。

この頭が回らない状況で物事をスマートに済ませるには、他人に聞いた方が手っ取り早い。

列のこととか、諸々のことは他の人に聞いてみよう。

ほら、あそこにいるスーツ着ている人とか───

 

 

 

『麗花がいないぃ!?ま、まあ落ち着け野々原。こういう時は公園とか人気のないところにいないか探せ───対価はプリンパフェ!?そんなの奢るワケないだろいい加減にしろ!!』

 

 

 

‥‥‥何やら一悶着あるっぽいからやめとこう。

人様の会話に口を挟むとロクなことにならないしな。

 

人に勝手を聞いてみたかったが仕方ない。

ライブ会場へGOだ。

習うより慣れろという言葉もあるくらいだ、猿真似でもなんでもいいから隣の人の真似事をするなり方法はある。

ここまで来たら状況判断と適応能力を総動員して、ライブを目一杯楽しんでやるさ。

 

回し物とはいえ、いざチケットを手に取ると独特の高揚感が俺を襲う。

思い出すのは初めてのお小遣いでゲームを1人で買いに行った子供の頃。

初めてのおつかいならぬ初めての買い物で俺の心臓はバクバクと律動を刻んでいた。

今がまさにそうだ。

初めてのライブ見学に、はやる鼓動が止まらない。

 

「‥‥‥ま、まあ。まだまだ時間はあるし」

 

呼吸を整えることが先決ということで、一先ず心を落ち着かせる。

ひっひっふー‥‥‥と呼吸の律動を合わせようとするものの肝心のふーが出来ずにひっひっひっ───っと何処ぞの悪役のような呼吸法が人の少ない公園内に響き渡った。虚しい。

というかラマーズ法はこういう時に使うものじゃなかった。

この方法で心の痛みを和らげることは出来ず、内心項垂れると俺はベンチに再度座り直した。

 

「‥‥‥なにやってんの、俺」

 

ライブ会場へ行くのみでここまで緊張するような男だったとは。

幾ら見る側の方が初めてとはいえ、普通はこの状況をもっと楽しむなりするだろうに。

1人で行くライブ会場───というのがハードルを上げているのか。

だとしたら、これ程滑稽な話はない。

みっともない話である。

 

 

「───あの、お困りですか?」

 

「?」

 

不意に聴こえたその声に、俺は後ろを振り向く。

すると、そこに居たのは凛々しくも可愛げのあるクールな顔付き。

パツンと切られた前髪と、腰まで伸びた艶のある黒髪は育ちの良ささえ垣間見える。

 

俺は、その女の子を知っている。

本当に綺麗で、どストライクで、それでも性格に関しては決して反りが合うことはないだろうと思っていた少女。

 

そう───

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥初瀬君?」

 

「───へ?」

 

そこには、白と青のジャージを身につけた最上が立っていた。

 

 

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