龍の国 日本 作:揚物
ギム防衛陣で戦闘が進む中、クワ・トイネから援軍の依頼が入った。
《ギムに攻めているロウリア軍の排除》
やはり数の暴力相手には防衛だけで精一杯な状況で、ギムから離れた場所に陣を張られ膠着状態になっていたのだが、数を頼みに囲まれつつあった。
防衛省 会議室
「さて、クワ・トイネが払える金額には限りがある。 最低限かつ最大限敵を恫喝するには何がよいかね?」
「ギム防衛陣に入り込ませ、大規模爆弾による空爆でしょう」
「クワ・トイネの兵士達は、夜の時間に撤退させます。 ロウリア軍は我々の供与した火炎放射器を欲するでしょうし、情報の限りでは兵の質が低いため防衛陣内部の略奪を行う可能性が高いかと」
「なんでしたら、退避は我々の車両で行い、代わりに酒をおいてきましょうか」
「迅速な撤退を考えれば我々が手を貸すのもいいだろう」
「空爆にはMK 77を主に投下、一発のみデイジーカッターも投下します。 防衛陣の再使用は当分の間不可能になりますが、生存者の精神は壊れる可能性も高く軍事組織としては壊滅するでしょう。 気を付けなければ、クワ・トイネの兵も危険ですが」
「それがよかろう。 ではクワ・トイネに作戦内容を伝え、早急に準備を進めるように」
数日後、大型トラック数台を利用しギム防衛陣から兵士の撤退が始まっていた。
「武器など置いて搭乗を急げ!」
「もっと奥に詰めて座れ!」
「全員だ! 全員搭乗を急げ!」
30台のトラック満載にギムに残っていた兵士を押し込み、真夜中であるため、暗視ゴーグルを装着しライトもつけずに夜道を疾走する。
翌日、空となったギム防衛陣にはロウリア軍が侵攻、大量に残されていた酒や食料を奪い、橋頭堡として野営陣地から物資を運びこみ、篝火を焚いてその日はクワ・トイネの美味い食料や大量の酒で宴会を始めた。
空からも確認できる篝火にほとんどの兵士が防衛陣の内部にいることが確認できる。
その様子を空から爆撃機であるA-10編隊が爆装し飛行していた。
「投下を開始する」
Mk77 焼夷爆弾をロウリア軍に向け投下。炎が立ち上り兵士が焼き尽くされていく。火炎放射によってトラウマを持っていた兵士達は狂乱状態になり、四方へと逃げようとするが面投下による焼夷爆弾によって次々と焼き尽くされ、運よく城門近くに居た一部の兵が仮設の橋を越え撤退していく。
「状況確認、仕上げを投下する」
デイジーカッターを投下、キノコ雲をあげギム防衛陣を焼き尽くした。
その様を生き残ったロウリア軍の兵士は見て、何人かはその場に立ち尽くし、神様か神龍の怒りでも買ったのかとほとんどが地に伏せて許しを請うていた。
数日後、帰還したモイジ達が見たのは防壁が砕け、黒焦げとなった生き物の残骸が大量に散らばる廃墟であった。。
「では、モイジ様、敵軍壊滅をご確認頂けたのならば、作戦完了書類にサインを頂きたいのですが」
「あっ、あぁ わかった」
僅かながら生き残っていたロウリア兵は居たものの、ギム防衛軍よりも生存者は少なく、その殆どが発狂していたため戦いになどならなかった。
モイジが書類にサインを確認する。
「では、我々は火炎放射器を回収して帰還いたします。 防衛陣の修復依頼があります場合は、別途ご依頼ください」
唖然としているモイジに頭を下げると、手早く工作部隊が溶解し破損した火炎放射器の撤去作業に入った。