龍の国 日本   作:揚物

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14.ロウリアの動き

1634年5月

 秘密裏にパーパルディア皇国の支援を受け、国力を増強しているロウリア王国は順調に西部地域を制圧し国力を増している。

 日本としては放っておいても良いのだが、クワ・トイネには広大な不毛地帯、ダイダル平原があり軍事演習を行うにはちょうど良い。その騒ぎのうちにロウリアの野盗を相手に実験を行う。

 今回はムーに表立って動いてもらうつもりであるが、日本としても最低限欲している諸外国でも運用可能な傭兵部隊、それを手に入れる良い機会でもある。

 そしてムーによるクワ・トイネ及びクイラの鉄道や道路の敷設もひと段落が付き、何をするにしても都合がよい。

 クワ・トイネにはダイダル平原を一時的に借り上げ、軍事演習を行うこととなった。

 

「無線を利用することがこれほど効果を上げ、そして大変とは」

 

 指令室で各部隊から送られてくる情報を纏め、戦場の状況を即座に判断し命令を下す。簡単なようで非常に難しく、机上演習や狭い封鎖軍事都市で得られた知識を実戦で利用するのは苦労していた。

 

「第二歩兵小隊が予定より10分遅れています」

「第一および第二砲兵隊への弾薬補給停止。 迅速な補給を要請中、補給部隊は車両が脱輪によって停止しています」

「自動化中隊 想定より侵攻が進み過ぎています。 速度を落としてください」

 

 想定通りに動けず、それをフォローし対処命令を逐次出すのは非常に困難、参謀達は連続120時間と言う厳しい演習に頭痛と胃痛を覚えていた。

 

 

 

 本演習場では怪我人を出しながらも、得られた知識を実践することで新たな知見を得ている。日本はその騒ぎの中にこっそりと活動を行うことが決められていた。

 得られた情報ではギムを少し超えたあたりでロウリア軍と思われる野盗が多く存在し、実験してみなければ不明な点が多い 戦意破壊兵器ヴァージニア を試験する事が出来る。

 いまだグロテスクさを改良しているところであり、部分的に錆塗装ではなく人間の皮膚と筋肉を再現した素材で覆っているのだが、恐怖を感じるモノに地球人と異世界人に違いがあるかどうか不明である。

 生物でありながら生物ではないこれをどう感じるのか、そして現在の技術では小型化の限界から装甲と銃器と踏破性を維持する為に、幅2.3m高さ2.3mと室内に使う事は出来ない欠点がある。

 ヴァージニアはあくまで野外戦で戦意を徹底的にくじき、それ以降の敵対的な意思を喪失させ、捕虜管理の容易さなど考えられていた。

 ギムよりさらに西の地域、選抜されたムー特務部隊と共にヴァージニア3台と統制車両1台が警戒を行っていた。

 

 ムー特務部隊

 獣人傭兵部隊も考えてはいたのだが、まともに運用するための教育を考慮するとムー程度の価値観がないと、クロスボウを超える武器を持たせるのは躊躇してしまう。

 その為ムーから封鎖軍事基地で訓練を受けている中から、限定的ではあるが日本で生産された製品やチープ兵器群の運用を許可する部隊を編成した。

 

 日本の中小民間企業が製造、治安が著しく劣悪な海外地域で使われる

・装甲トラック

・装甲マイクロバス

を筆頭に中小企業で部品製造された銃器

・オーウェン・マシンカービン

 民生品の防塵防滴対応品のインカムモデルを選出した無線機

・中距離用トランシーバー

 

 等を受領していた。

 

「なぁ、これ本当に動くんだよな?」

 

 ムー特務部隊の隊員の一人が装甲トラックの荷台に鎮西している不気味な物体を指さす。

 

「そうらしい。 夜間行軍訓練もあるが、あれの運用テストもあるそうだ」

「不気味だ……、あんなものが動く姿みたくもないぞ」

 

 まだトラックの荷台に置かれ、未稼働状態だがそれでも十分な威圧効果を与えていた。

 

「おしゃべりはそこまでにしておけ、標的が確認された」

 

 特務部隊の目的は夜間行軍演習と野盗の排除、支給された新兵器を使用した殺人への慣れ、クワ・トイネには行軍演習中に野盗などの排除を行うことも申し入れていた。

 

「まずヴァージニアが攻撃を行い、逃亡者は一人残らず射殺する」

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