龍の国 日本 作:揚物
ギム防衛陣を調べる為、ロウリア軍ではあるが質の悪い者達を集めた野盗・傭兵団、今夜は夜営して翌日にロウリアとクワ・トイネで農作物を取り扱う商人でも襲おうと準備をしていた。
「……獣か?」
そんななか、夜営した場所から離れてトイレを済ませていた男が、妙な音に気付き剣を手に取り森の方を向いた。
揺れる木々の中から六つ足をした大きな物体が出てくる。
「まっ魔物か!!?」
気色の悪い骸骨の頭部の目がぎょろぎょろと見まわし、血肉の見える部分が松明の明かりに照らされてその姿腰が抜けそうになるが、踵を返して野営地に向かって走る。
「ばっ、化け物が現れたぞ! 全員武器を取れ!!」
言葉を発した後、激痛と共に体が動かなくなり意識が途絶えた。
「対象一名を無力化」
操作する自衛官がムーの特務部隊と共に後方でヴァージニアを操作している。簡単な動作は自律判断するものの、対象物への殺傷は人間がトリガーを引いて許可しなくてはならない。あくまで生き物を殺す判断をするのは人間であり機械に最終判断をさせず、人間が責任から逃れられないようにとの判断である。
しかし野盗の中に怯える者も少しはいるのだが、大抵のモノが武器を持ち無謀にも向かってくるため、戦意破壊効果は見られない。
ヴァージニアに搭載されている銃器で一人ずつ射殺するが、それでも放たれる矢が車体を少々傷つけるなど諦める様子は見られない。
むろん士気などろくにない為に逃げ出す者もいるが、戦意を保ったままではなんの意味もない。
四方に逃げ出した野盗は、ムー特務部隊の射撃演習の的として伏せていた部隊に撃たれる。
「撃て!」
命令と共に特務部隊の攻撃が開始され、その夜は一つの野盗団とはいえ100人規模が壊滅した。
日本 防衛省 第二兵器研究室
残念なことではあるが、どうやら魔物と言う生物と認識され、戦意破壊兵器としてさほど効果はなく失敗作の烙印が為された。人殺しや略奪暴力になれている者達にとって、少々見た目がえぐいものだろうとなんてことはないということだ。
「戦意破壊兵器のプランは一からやり直しとなります。 一地域とはいえ魔物が存在し、さらに海魔が居る為外見だけでは有効な効果が得られず、ヴァージニア計画の一切が白紙となります」
多くの職員が居る中、画面に表示されている新たな戦意破壊兵器のプランへの説明が行われる。
・強臭気爆弾
くさやの原液以上の臭気をまき散らす液体放出機
・睡眠妨害ドローン
自律飛行しながら耳障りな大音量を鳴らし、敵軍の安眠を妨害するドローン
・物理的戦意破壊兵器
未定
無駄な戦闘を避ける為、手間のかかる戦後処理を簡易に済ますために、戦意破壊兵器の開発は続けられる。