龍の国 日本 作:揚物
1636年 1月
ムーの最前線となるアルーは、過去に放棄された長い城壁などは朽ち果てるままであり、もはや防衛都市としての能力は失われている。東に200km離れているドーソン基地の規模もそこまで大きくなく非常時の防衛力に疑問が生じていた。
つまり要塞が必要である。しかし民間人への圧力になっても困る為、アルーから100km東の地点に建設がされる。
しかし要塞の建築が行われるといっても基本は防空要塞であり、ドーソン基地まで道路を敷設しつついくつも塔を建設するに留まる。分厚い壁も砲撃や爆撃には意味は低く飽くまで防空目的であり、地上戦は現在封鎖軍事都市で散々苦労してもらって作っている戦車や装甲車両に砲兵隊に任せられる。
現在その防空用の対空機銃やレーダーシステムも開発中なのではあるが、それはムー次第である。
封鎖軍事都市
共通開発区
長らく各種銃の開発が行われ一応の完成を見た。
戦車兵や装甲車の自衛武装として ロシア製のボルト式ショットガン TOZ-106である。
折り畳みストックで小型であり、散弾銃の為威力もあり、そしてボルトアクションで構造も簡単で安価、あらゆる銃器を調べたうえで、ムーの技術レベルから選定された。
他にも連発銃としてM1ガーランドMk2の製造も完了しつつある。いまだ歩留まりが高くないので潰して再び資材に戻すなど手間はあるが、7.62x51mm弾仕様であるため各種機銃との共有もきく。
海軍区
ようやく古鷹型重巡洋艦の建造が完了。これから慣熟航行など色々しなくてはならないが、まずは第一歩は進み海兵の訓練も可能となった。
陸上での海兵訓練から海上へと移る時間が近付き、海上自衛隊の面々は竹刀を丁寧に油で磨きながら楽しみにしていた。といっても、さすがに気まぐれや私的感情で殴る事は禁じられているが。
なお、建造責任者である技術大佐は精神的負担から、胃潰瘍になり現在入院している。
陸軍区
M4中戦車の駆動系やエンジンの改良が進められている中、日本が意図したわけではなく、きっかけを与えたわけでもないのだが、自主性を重んじつつ発想に苦労している者には、紅茶とマーマイトを提供した。
ただそれだけなのだが、2種の戦車のプランがムー技術者から提案されたものが問題だった。
提案された駆逐戦車はよくできていた。
M4中戦車の車体をそのまま利用し、すでに開発完了済みの75mm砲の短砲身を車体上部に直付けと、コストダウンと製造効率の向上を両立させ、小型かつ生産性も良い。砲塔の分重量も減る事から、同じエンジンでも軽快に動くこともできることだろう。
見た目が独逸の4号駆逐戦車に多少似ている事は設計思想からして仕方がない。
M4駆逐戦車として登録されることになる。
しかし問題は、2基のエンジンを積むために10mもの長大な車体に、換装を考慮しポツンと乗せられている大型の砲塔に75mm戦車砲を搭載、M43E8さえも撃破できる戦車として、ムーの技術者達が考えに考え抜いた案らしい。
それまさに偉大なるイギリスの重戦車 TOGⅡ 擬きである。
重戦車 TOG1として登録された。なお大口径戦車砲の開発が完了したのち、主砲を換装したものはTOGⅡとされる予定である。
しかしガンキャリアの車体を利用して砲塔を載せればよい物を、なぜこの発想に至ったのか日本の技術者は頭を抱える事になる。
試行錯誤により実機を作って失敗することも重要な経験ではある、失敗は成功の母である、分かっていても実際作ってみれば問題点の修正から新たな発想につながる事もある、だからといってこの発想には問題があるのではないだろうか。
あくまで日本は支援者であり、ムーは属国でも植民地でもない。自ら試行錯誤の末開発したのなら、それは推奨されるべきものであるのだが、日本は大いに悩むことになる。
空軍区
ジェットエンジンは耐熱素材の問題を解決できず、50時間という壁を越えられずにいた。比較的技術的に容易な遠心式もあるのだが、ジェットエンジン開発としては先々の発展性を考えると今のまま苦労してもらうのが一番よい。
しかし100時間の稼働時間という欠点を除けば、推力に関しては想定の8割程度まで出せる程度にはなってきている。
しかし想定しているよりも開発に時間がかかり過ぎ、グラ・バルカス帝国との戦争までに次の段階に進める可能性が低い。
橘花改でも優勢はとれるだろうが、あくまで第一世代ジェット戦闘機のしかも初期であり性能も低い。革新的で優秀ではあるが第二世代には遠く及ばない上に、高性能なレシプロ戦闘機相手の場合被弾する可能性だってある。
まだ目標であるサーブ35 ドラケンには遠く及ばない。しかし橘花改の生産に成功しつつある今、サーブ 29 トゥンナンに向けた人員の選出を行い開発開始をスタートした。
日本 富士演習場隣接工場
旧44式戦車 オイ車の改修が始まる寸前、待ったが入った。
ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ日本支社からの横やり、安価な改造費も低価格な運用コストも魅力ではあるが、そんなもので十分な威圧効果が見込めるのかと。
だからこそ恐竜的進化の問題と言われようとも、最大の砲による圧倒的火力と巨体を持つべきだと主張した。その中にはM103重戦車の設計に感銘を受けた技術者がおり、このまま改良する意味はないと重ね重ね強く会議で主張した。
99式自走155mmりゅう弾砲の砲塔と装填システムを載せ、毎分6発以上の速射を可能としながら弾も相応に積む。
空間装甲を利用しても、装甲厚計算上400mmを超えるようにと再計算も行われ、M103とオイ車を混ぜ合わせ似たような巨躯のプランを提出した。
しかし元々オイ車はクラウドファンディングによって製造された戦車。近い形状ならまだしも大幅に変更するとなると、再び民意を確認する為クラウドファンディングによって確認を取る方針となった。
・ 現在の安価で原型を留めたままのレイセオン案
・ 大幅な変更と共にさらなる巨躯と巨砲を求めたGDRS案
オイ車に限っては全て民意次第。