龍の国 日本 作:揚物
封鎖軍事都市
遅れに遅れていた初歩的集積回路の開発が完了した。まだまだサイズは大きく電力効率も良くないが、少なくとも真空管よりも圧倒的にあらゆる電子システムの小型化が可能となった。
大量生産はまだまだ不可能ではあるが、重要なシステムの小型化は可能、急務であったレーダーシステムの高性能化はこれでどうにかなる。
またロケット兵器の製造がようやく完了した。これによって陸海空と兵器の充実が図れることになるのだが、危険性もある為他国に情報が知られることが無い様強く太陽神の使いとして警告を行うことになった。
陸区
基本的な歩兵火器
M4中戦車
M40 105mm自走榴弾砲
M4軽駆逐戦車
ガンキャリア駆逐戦車
各種輸送車両
一揃い最低限必要なモノはそろった。
対空車両については少々遅れているものの、車体は出来ている為対空機銃の完成を待つだけとなる。
しかし重戦車に関してはTOGシリーズは開発を中止、新開発が始まっているのだが、ムー国技術者達の紅茶とマーマイトの過剰摂取を止めた所、順当にガンキャリアの改修による重戦車案が提案された。
魔王戦に参戦したTOGとガンキャリアの技術を
とはいえ一国で複葉飛行機まで発達させたムー国。
魔王戦によって中戦車と重戦車の欠点と利点をよく理解し、主開発を中戦車に、技術的袋小路に陥らぬようにと予備戦力として重戦車を置く方針を選んだ。
主力開発戦車案
・改修発展させた ガンキャリアベースの駆動系
・TOGで取り入れた基礎構造の重要性と将来の拡張性の確保
・M4戦車を全面的に超える性能
予備重戦車案
・TOGが大型過ぎた欠点の克服
・鈍足の解決
・開発中の90mm戦車砲の搭載
など日本側も中々驚くほど設計構想の向上が見られた。
海区
GA及び隼鷹級空母の建造は順調に 遅れ ている。
46センチ砲どころか巨体故の溶接作業に、内部の設備製造ともはや技術的限界ギリギリの作業に現場責任者は頭痛持ちになり倒れ、技術士官はストレスで体を壊し、建造責任者である技術大佐は病室から指示を出す始末。それでもなお建造は進められ、作業に慣れてきた現場職人によって建造速度は徐々に上がってきている。
一方で訓練を始めたラ・トーネ所属の海兵は半年前から始まった海上訓練。
海上での訓練・補給・修理と休みなく、封鎖軍事都市によって用意された補給艦や工作艦まで派遣し、今まで一度も寄港することなく長期航海訓練が続けられている。
疲弊を越えて麻痺し始め大分兵士らしくなってきたことから、不要となった旧式装甲艦を的に実戦に即した砲撃や戦闘航行などを始める。
そして日本から到着した改装空母のベースとなる不要となった5万3000トン級ばら積み船を改修し、210mの飛行甲板を備えた改装空母。とは言え完全ではない。
ムーで運用ができるよう、昇降機とと飛行甲板は備えただけで機関はなく、巨大な船体を建造するのに手間取っていたムーの訓練の為に用意され、建造の遅れで保管されていた機関や設備等の艤装が進められ、ムー国の空母を運用していた者達を集める事から始まった。
空区
橘花改は完成した。
プロペラの無いムーのジェット戦闘機、目標推力を満たした上に若干の軽量化により大本より1割程度速度と旋回性能が向上している。だが性能は低く橘花改は攻撃機として利用は出来ても、戦闘機としてはまだまだ利用は難しい。
サーブ29 トゥナン の生産にはまだ掛かるが、これが量産体制に入れば、ムーは軍事に傾倒した政治体制を取らなくてもひとまず完全な防空が可能となるだろう。
いまだ誘導弾の開発が遅れている為武装としてはロケットと機銃のみだが、問題ないとされている。問題は初歩的誘導弾のめどが全く立っていない事だが。
実験区
問題が発生していた。教導団の戦闘機パイロットたちは過激な訓練を乗り越え、技量はすでに 橘花改 を完全に操縦できるにまで至っているがゆえに増長していた。
例え魔帝や太陽神の使いが相手だったとしても、勝てる可能性があると。
それ故に少々お灸をすえなくてはならない。今の段階で油断してしまっていては、何のために技術供与を行ったか意味がなくなってしまう。
だからこそ日本から訓練用に武装の排除されたF-2を教官たちと共に一時送る事となった。
訓練用のF-2は極限まで軽量化が施された実に日本らしい狂った機体であり、すべての安全装置まで取り除かれているので非常に危険だが、それ故に最新鋭機であるF-3を相手にしても、ドッグファイトに限定すれば遥かに優位に立てるほどに達していた。
そもそもドッグファイトに入る時点で戦略・戦術的に問題があるが、ドッグファイトと言う恐怖を知らないわけには行かずに現代でも行われている。
増長しているムーのパイロットたちに航空戦の恐怖を叩き込む、その予定を伝えられた訓練教官たちは久々の生きの良い獲物達に、どのような航空戦技をもって搾り上げるかその日を指折り待つようになった。
ムー
ムー国全体で問題が発生していた。それは工業技術の発展による電力不足である。あらゆる科学が発展したため、発電所より供給する電力が追い付かず、各種製造が遅れ始めていた。
到着までは時間を要するが、ここまで順調に技術を育てることでグラ・バルカス帝国に抵抗できるようにしたものが、この程度の失敗で遅れてしまうのは日本政府としても、予測出来てなかったと片付けることできなかった。
これは指摘を忘れていた日本側の落ち度として、災害派遣用に建造されていた海上発電船をムーに派遣する事になる。