龍の国 日本 作:揚物
旧アニュンリール皇国保有の第二大陸では神聖ミリシアル帝国による討伐中、
ムー大陸ではグラ・バルカス帝国による侵攻戦争への備えで慌ただしく、
フィルアデス大陸ではパーパルディアの分裂による内乱寸前、
第三文明圏外ではロウリアとクワト・イネ及びクイラがにらみ合い、
お世辞にも世界は平和と言える状況ではない。
事情はあれど日本がそこら中に手を出した結果ともいえるのだが、潜在的に先送りにしていた問題が発露したともいえる。
なんにせよ、日本はある程度の平穏な状況を望んでいる為、少しずつ対応を考えているのだが、フィルアデス大陸はレミール派に支援をはじめてはいるがまだ時間を要する。
ロウリアは末端の兵士の無法で一旦引いた、海軍と竜騎士こそ損害を負ったものの、陸軍はまだまだ数が残っているため、危険な事にはかわりが無い。食料と資源を守る為にムーを介し、兵器の輸出を行ったが最低限自衛程度は出来るだろう範囲に過ぎない。同盟を頼める文明国家を見つけるなり、食料と資源を利用してムーに保護とまでは行かなくても自衛できるだけの力を求めるなりすればよい。いつまでも日本が守れるわけではないのだから、自衛する努力をしてもらわなくては。
ムー大陸ではレイフォルの軍備拡張の為、文明国家は自衛の為に不穏な空気が流れている。ムーは武装中立の為に強化すると近隣の文明国家に通達していたが、レイフォルはそれに当てはまらずいつ侵略を始めるかわかったものではない。平和は程遠く、どの国家も軍備の充実へと傾いている。
むろんグラ・バルカス帝国相手には役にも立たないが、少なからず自衛を考えるのなら間違った行動ではない。過度な拡張は問題ではあるが、自国を自分自身で守るという意思を持たないのも問題である。
ムー国は空洞山脈を通る線路の敷設にドーソン基地の強化、新型蒸気列車による物資輸送網の強化、各基地へのレーダー配備と戦力強化、そして設備の習熟に急いでいた。設備や道具は作って終わりではなく、習熟運用する為の時間が必要として軍官民問わず開発ラッシュが進んでいた。
フィルアデス大陸
「なぜ一気に押せぬのだ! 元は同じ皇国兵士だぞ!!」
皇国軍最高司令であるアルデは執務室の机を叩くも、戦略を練ろうとしても人手の問題ですぐには軍を動かせなかった。
自由に動かせる主戦力の3分の2は敵に持っていかれ、残っているのは属領軍や二線級部隊ばかりで再編成しなければ侵攻は出来ない。
「監査部に話を通して全て徴兵するか。 それでなんとか兵力差は1.5倍を確保できる」
いまだにらみ合いの状況から物資や人員の確保など、ルディアス皇帝から命じられた制圧に向け準備を進めていく。
メガフロート
ミリシアルとムーとの会議や物資搬送の為に作られた人工島。
日本で作られたチープ兵器群、そしてそれを扱うために両国から信頼できる者達のみを集められた。
総数はたった一個艦隊、されど精鋭ではなく信頼できる者達、チープ兵器を運用する為に必要な高度な知識を教えたとしても、漏らす事も悪用する事もない同重量の金よりも価値がある人材。
日本タンカー改装軽空母 1隻
ハリアーⅡACV 20機
汎用チープ誘導弾Mk.3 500機
ミリシアル帝国 ゴールド級改装空母 2隻
アルファ4 制空機 50機
ベータ4 爆撃機 20
ミスリル級改装防空試製戦艦 1隻
ムー国 防空対潜巡洋艦 ラ・ネート級 6隻
対空戦艦 ラ・カサミ級 1隻
ミリシアル製輸送船 10隻
ムー製輸送船 10隻
そのほかにも輸送船には大量のチープ兵器群が積まれている。
魔帝と戦うためというより、列強同士が連携を取れるよう統合司令部になりえる存在を構築する事を目的としていた。
列強故にプライドが邪魔して独自に行動しあっていては、その軍事力を滞りなく発揮するのは不可能になってしまう。
並ぶ二カ国から選ばれた者達は栄誉を自信にあふれていた。
「これからの厳しい訓練は各国から選ばれた誇りをもち、耐えてほしい。 泣こうが喚こうが吐こうが倒れようが終わる事はない。 覚悟は不要である」
ある種全員が教導団員であり最精鋭であり、この世界にとって盾であり剣でなければならない。部隊章は盾が描かれ、盾の右半分にミリシアル、左半分にムーの国章が描かれていた。
そしてこの中からさらに選別された人員が、ムーとミリシアルに製造を委託した部品であり、現在日本国内で建造が9割完成している切り札に搭乗する。日本にとっては当然なモノでも、彼らにとっては初であり、そして対処不可能な代物。
魔導機械潜水艦 ラ・ダマスカス
2500t
魔導式水力推進器
無線式誘導魚雷
音響ソナー
ウル対艦誘導弾
魔導吸音装置
現在では訓練用に使われているそうりゅう型と比べてもかなり劣るものの、それでもミリシアルとムーの技術のみで構成された世界初の潜水艦、外観は可能な限りおやしお型に近付けている。
これが計算通り稼働すればグラ・バルカス帝国は高い吸音性と潜行性から対処不可能な恐怖を味わうことになる。
むろん日本にとっても実験潜水艦な面があり、魔導技術と機械技術を組み合わせてどこまで性能を伸ばせるのか、どの技術が利用できるのかを調べる目的となっている。
汎用チープ誘導弾Mk.3 1セット800万
バージョンがあげられ地面及び海面から50cmの高さを飛行、統制機1に大して随伴機4という対艦から対地攻撃まで出来る万能性と、さらなる低価格化と高性能化が図られている。
民生品BTのマルチペアリングによるデータ共有させることで随伴機の価格を落とし、性能を底上げする事に成功している。