龍の国 日本   作:揚物

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40.1639年 第四列強とは 責務とは

「魔道砲の護衛をすこし下がらせろ! 周囲にはAリンドヴルムを2体は護衛につけておけ!!」

「3・2・1 砲撃!」

「一斉砲撃開始!」

 

 撃ち上げられた魔導砲弾がパーパルディア皇国の陸戦部隊に降り注ぐが、範囲は狭く防衛線を牽いているパールネウス国側にリンドヴルムと歩兵部隊が迫る。

 

「リンドヴルムが突っ込んでくるぞ! 予備の魔導砲を撃て!!」

 

 慌ただしく数体のリンドヴルムに魔道砲を向けるも、精度の低い魔道砲ではほとんど当たらず、突破してきたリンドヴルムについては、Aリンドヴルムが正面から迎え撃つも、重量物同士がぶつかり合う強烈な音が鳴り響き、近くにいた兵士達が吹き飛ばされる。

 

「銃砲兵! リンドヴルムに向けて撃て!!」

 

 パールネウス国の銃砲兵が魔道マスケット銃で支援を行い、リンドヴルムの皮膚を貫き血が噴き出す。それでも数発では倒しきれず、絶叫の雄たけびを上げてさらに暴れ回った。

 

「もっと撃て! Aリンドヴルムは部隊に配備されてないんだ!!」

 

 空では大型銃を使うパールネウス側のワイバーンロード部隊との交戦は難しいと、パーパルディア側の一部のワイバーンロード部隊が強行突破しパールネウスの地上軍に迫っていた。

 

「ワイバーンが抜けてきたぞ!」

「散開! 散開しろぉ!」

 

 数を力に強行突破したパーパルディア側のワイバーンロードの動力火炎弾がパールネウス側の歩兵を焼き払う。

 

「竜騎士団は何をやってやがる!」

 

 小隊長が恨みを言いながら空を見上げると、パールネウス側が少しずつ駆逐しつつあるものの、やはり数に押されて戦況は良くないようだ。

 

「Aリンドヴルム隊は突撃準備!」

 

 戦線を一部構築し直し、正面戦を行っている部隊とは異なる。現場から進言された無謀な攻撃なれど、戦意が高過ぎるとはいえ、数に差がある現状では採用する以外道はない。

 戦線は一進一退が続く中、パーパルディア側の資源が枯渇し始めた。これは大した理由ではない。元より工廠都市デュロが主に軍事物資を生産していた中、それを皇族側が主要都市の一部として取り込んでいたため、備蓄で戦っていた故であった。

 戦力も軍事力も当初はほぼ同等、しかし流し込まれる支援物資と新技術によって生み出される一歩進んだ兵器、その状況で物資まで枯渇し始めれば余裕があるうちに大規模な攻勢を考えるのは必然であった。

 

 

 皇城では陸戦の前線とは異なり、新しく入ってきた海軍の情報に頭を抱えていた。地方艦隊も、監査艦隊も、主力艦隊も、全てをかき集めた艦隊を出向させ海からデュロを目指す準備を進めているという。

 さすがにこれには対応できるほどの艦隊はない。あくまでデュロにあった新鋭竜母艦隊と地方艦隊のみ、それでは抗う事など到底できず、どのように対処すべきか議論が重ねられていた。

 

 

 

 日本

 ミリシアルもムーも介入する事は出来ない。列強同士が表立って他の列強に介入するのは宜しくない。だからこそ日本が動くしかなかった。名も知れぬ東の果てにある太陽神の使いに従う文明国家として。

 日本としてはこれが一番最適な解であった。前世界でもやったことだが、太陽神の使いが直接動き回るには目立ち過ぎる上に影響力が強すぎた。だからこそ属国と名乗った方が都合が良い、最も恐ろしい力を持った国の属国なら多少動き回っても、それほど恐れられ敬われることもなく影響力も低く思われる。

 神聖ミリシアル帝国に話を通し、偽装として太陽神の使いに従う新興国家としての証明を発行してもらい、遠隔操作ロボットを準備する。

 スモールデザインでイベントや一般的お店で利用されている、B玩具メーカーが作ったSD Gシリーズ及びZシリーズが構造強度の改良や機能の追加に簡易武装化などを施し運用される事になった。

 一応は革新的デザイナーが新たに基礎デザインをしたものの、公募の結果投票数ほぼ0で敗北。今となっては革新的等謎の意見を述べるデザイナーの仕事はほぼなくなっていた。

 

 

 

 

 第三文明圏遠洋

 今のパーパルディア皇国の海軍は破綻寸前、其処に無関係の国家の船が、大量の物資を積んでいるとなれば、襲う以外選択肢などない。

 だからこそ、日本はミリシアル帝国との大商いを利用し、ミリシアルにはアルタラスから借りれる船を全て調達してもらい魔石を満載、その受け取りと支払いの為に出向したアルタラスの船団と共に日本のイージス戦艦扶桑はミリシアルに向かった。

 アルタラスによる大船団は日本の予定通りエストシラント沖近くを航行中、パーパルディア側のワイバーンロードの哨戒に引っ掛かった。

 20隻もの大船団、その中には魔石だけではなく食料もそれなりに積まれている為、パーパルディアにとっては重要なものが山のようにある。

 

「アルタラスの輸送船だ!」

「物資を奪え!」

 

 だから襲う事に海軍は躊躇せず、急ぎ拿捕する為に100隻もの船団を差し向けた。船団の最後尾から10kmほど離れた位置にイージス戦艦扶桑が居る事を気付かずに。

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