龍の国 日本   作:揚物

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18.対魔王軍

 到着した獣人傭兵部隊は、限られた装備でトーパ王国や他国の兵士たちと討伐に出るも、コンパウンドクロスボウはオーク程度なら問題はなかったが、オーガ相手にはほとんど通じないため撤退することしかできず、いたずらに兵力を失っていった。

 大型のコンパウンドクロスボウを握る一小隊が、逃げる他の兵士を押しのける。

 

「どけ!」

 

 獣人の腕力でも弦を引くことができず、一小隊にしか配備されていない強力なクロスボウ 440FPS、牽引ハンドルを回し、装填された矢をオーガへとむけトリガーを引いた。

 運動エネルギーにして166FP、カーボン製の強力な矢が筋肉を貫き、猛毒のトリカブトを塗り込んでいた矢じり体に突き刺さる。

 

「どうだ!」

 

 獣人達はオーガをにらむように見る。

 日本から特別に供与されていた数も限られる毒矢、ヒグマさえも殺すことができる致死量が塗られた特別製だが、それが5本も突き刺さっても死ぬことなく、オーガはその場から撤退していった。

 この特別製のクロスボウ以外でオーガを引かせることはできない。それも三日間くらいは見かけないが、それを過ぎると再び姿を現してしまい、これでは倒すことはできなかった。

 

 

 パーパルディア皇国から派遣された兵士は、気温からリンドヴルムやワイバーンロードを連れて来る事ができず、マスケット銃を装備した200名のみ。

 マスケット銃は驚異的であり、オークを仕留めオーガが出てこない限りは常に圧倒していた。しかしオーガが出てくるとマスケット銃では仕留めることも止めることもできず、被害を出しながら撤退することしかできなかった。

 

 

 そのころグラメウス大陸側陸上、コンクリートブロックや鉄板で仮設された荷上場に、陸揚げされたオイ車及び戦車ホリが大地を進んでいく。

 王国に近づくと地響きを上げる音に魔物達が群がり、先頭を進むオイ車に襲い掛かるも巨大な鉄の車体に弾き飛ばされ、オイ車前方2砲塔による機関砲の掃射によって撃ち倒されるか、履帯に踏みつぶされていく。

 その後方を進む砲戦車ホリは上部機銃で撃ち漏らした魔獣や魔物を片付け、さらにそのあとを複数の73式装甲車が追従する。

 装甲車に搭乗する自衛隊員達は、皆ギリースーツを着用し、輪郭も顔も完全に隠している。HK416アサルトライフルかM240軽機関銃を装備し、無言でその出番を待っていた。

 任務は魔物及び魔獣の駆除、そして人質になっている人間の救助となるが、人質の優先度はそれほど高くはない。

 あくまで救助は正規軍の役割であり、不正規任務に等しい今回は、トーパ王国から話のあったオーガと魔族、そして魔王のみを標的とする。邪魔をするなら正規軍を殺傷こそしないが、武力をもって排除する命令が下されていた。

 

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