龍の国 日本 作:揚物
救助された市民は魔物が居ない南側に逃げ始め、騎士団と合流をしていた。騎士たちは状況が読めないものの、装備を整え南門を出ると北門へと向かっていった。
そのころ、自衛隊の本隊は魔王軍本陣に向け砲撃を開始していた。
オイ車の主砲である155mm榴弾砲によって陣は吹き飛ばされ、オーガは巻き込まれて砕け散り、魔王ノスグーラが現れる。
「太陽神の使いか! 今度こそ仕留めてやろう!!」
地面から巨大な石の人形が現れ、踏みつぶそうと歩き始める。
オイ車の少し後方で待機していた砲戦車ホリは、105mmライフル砲の照準を合わせ、砲撃によって破壊するがまた元に戻っていく。
「砲戦車ホリは砲撃を継続、こちらは元凶を仕留める」
向かってくる巨大なゴーレムを砲戦車ホリに任せ、オイ車は前面の2砲塔及び主砲の照準を魔王に合わせ、2砲塔に35mm機関砲の掃射が行われる。
最初はいくらか当たっていたのだが、途中から表面に到達する前に光の壁のようなものが現れ弾かれはじめる。
しかし衝撃は通っているようで、防ぐような体制をとりながら、地面に少しずつめり込んでいっているようだ
「対象生物 魔王。 機関砲では効果を認められず、主砲照準合わせ」
主砲である155mm榴弾砲の瞬発式信管は魔王にあたる前に弾け、身を覆っていた何かが消え去る。
その直後に撃ち続けられていた35mm機関砲弾が体を貫き、魔王は胴体や手足をばらまきながら地面に転がった。
魔力が絶たれたゴーレムは岩くずに戻る。
「太陽神の使いめぇぇぇ!!!!」
拡声器を使ったような広範囲に魔王の声が響く。
「良く聞け!!下種どもよ!!!近いうちに魔帝様の国が復活なさる!!!おまえら下種の世界も間もなく終わるぞ!!!圧倒的な魔帝国軍によって、お前らは奴隷と化すだろう。はーっはっは・・・・」
予言じみた事を喋った魔王の体は白くなると砂と変わり消えていった。
念のため隊員が砂の一部を確保、解析に回す。
「任務完了。 撤退する」
様子を遠巻きながら見ていた騎士たちが駆け寄り、自衛隊に話しかけるが何一つ答えることなく、たった一言。
「太陽神の使い」
と答え、73式装甲車に乗り込みトーパ王国を離れていった。
南門の城壁から神聖ミリシアル帝国の情報局員ライドルカは状況を見ていた。
太陽神の使い。過去魔王軍をグラメラス大陸に追い返したという。
今回も再び現れ、魔王を完全に排除してしまった。その軍事力は今の神聖ミリシアル帝国を上回るほどだろう。
本来ならば追って詳細に情報を調べるべきだが、私一人ではそれは不可能。北壁からトーパ王国を離れていく様子を見ていることしかできなかった。
数枚は魔写に収めておく事は出来たが、神聖ミリシアル帝国でもあれだけ巨大な鉄の陸船を造るのは不可能だろう。
ラヴァーナル帝国とは異なる兵器の方向性、そして魔王が語った魔帝の復活、急ぎ帰国し報告を上げなければならない。