龍の国 日本 作:揚物
パーパルディア皇国のルディアスはトーパを支援しなかった。
だが、レミールは支援を行い、その兵士たちが太陽神の使いをその目に見たことで、そして共に戦った国々は周辺国との覚えが良くなっている。
どのような状況であれ、太陽神の使いが戦うその場に居た事が名誉となったのだ。
もはやそのままにしては置けないと、ルディアスは自分に従う兵士を集め始めていた。
ロウリア王国に配置している兵力も減らし、属領の統治兵さえも一部引き上げ、圧倒的戦力を整えている。
しかし、そのような事を知らず、統治組織や各国の領事をしている者達は相も変わらず、アルタラス駐在外交官は王国に対して、鉱山と王女を奴隷として献上を求めた。
ルミエスはその状況のために商船に偽装した船で東に逃れ、その船は浮島へと向かっていた。
浮島・趣向品
超硬質小豆バー、とても安価なお菓子で最近浮島で人気が出始めている。
持ち帰ることは難しいのだが、わざわざ冷凍用の魔道具を運び込み、大人買いを超えて段ボール買いしていく貴族や商人も少なからず出始めていた。
限られた趣向品などから、不思議な国であり本国にはもっと多くの物があるのではないかと、本国の位置を探る者も出始めている。
しかしミリシアルや最近国交のなったムー国が穏便に済ませていることから、無理な方法に出る国はない。
むろん、時折本国の位置を探ろうとする商人はいるのだが、”不慮の事故”によって遭難してしまっている。幸い海流は日本本土から離れているので、万が一にでも到達することはない。
最近では滑走路をムーやミリシアルが利用しているが、日本は一切使用せず、物資の輸送も機帆船となる日本丸などを利用し、表向きもできうる限り隠している。
最近ではワイバーン用の滑走路を求められており、獣人達に給料を払って比較的浅い場所であるとして、夜の間に輸送した浮島を接続し、土を埋め立てるなど拡張が進められている。
情報局員ライドルカによってオイ車に描かれていた国旗と、扶桑が使用していた国旗が同様であるとわかると、情報局員の一部が浮島に派遣していた。
「確かに、あれは太陽神の使いから、与えられたものです」
大使館ではミリシアルの外交官が穏便にではあるが、同じ国旗を使用している点について問われていた。
「ここよりさらに離れた地におりますが、訪れることはできません。 招待もなく訪れれば攻撃を受け排除されます。 我々は守秘と引き換えに技術を与えられていますが、それも限定的なものです」
「では、我々が外交を行いたいと伝えても不可能だと?」
「日本も、連絡船が来ない限り連絡を取る方法がありません。 彼らは太陽神のみに従う平穏を望む国家です。 その平穏を破ろうとする者には容赦がありません」
どこまで信じるべきかとミリシアルの外交官は考え込んでいたが、どちらにせよ日本としてはミリシアル帝国を迎えるつもりはない。
いまだ万全の状態ではなく、攻撃衛星の打ち上げから通常兵器の量産まで軍事拡張中である。
「では、連絡船が次に来た時には我々が外交を行いたいと、代表が領事館に来てもらえるよう連絡を頼みたい」
「それでしたら構いません。 ただしいつ来るかは私共もわからないことはご了承くださいますようお願い致します」
ミリシアル帝国が怪しんでいたとしても、無理をして太陽神の使いを怒らせる事はないだろうと読んでいる。
彼らは列強であり世界平和の指標の一つ、探りを入れてくることはあっても実力行使に出る可能性は低い。