龍の国 日本 作:揚物
レミールに従う属領は30ほどではあるが、離反する様子もなく徐々に落ち着いているのとは異なり、ルディアス派の急激な求心力の低下、そして属領を抑えていた領地軍の引き上げによって属領は次々と反乱を起こしていた。
日本からの知識提供や国政への介入もあるが、属領を任せられた貴族たちもそれなりであり、出来うる限り命令書に従うことで、属領民の不満が少しずつ減っていたのとは異なる。
もっとも、当初派遣された半数の貴族は実行できなかったため、財産と地位没収の上で首の入れ替えが行われたのだが、その没収した財産は臣民と領地に分け与え、属領の支配を確固たるものとしていく。
技術提供によって現在ではパーカッションロック式銃と、蒸気機関の生産が行われていた。
パーパルディアの技術レベルで量産をするのはまったく不可能であったが、生産するだけであるならば不可能ではなかった。
「レミール様、蒸気機関車の第一号車が見えてまいりました」
短いながら線路も敷設され、煙突から蒸気を吹き出しながら、火の魔石式蒸気機構を積んだパーパルディア初の機関車がデュロ駅に到着、多くの住民が歓声を上げている。
「線路の敷設も進めば、今後は馬ではなく蒸気機関車によって大量かつ長距離の輸送が可能となり、パーパルディア皇国はさらに発展するでしょう。 最新式銃の配備も始まり、いずれは鋼鉄の船の建造へと我々の未来は順調に進んでいるのです」
レミールの演説によって歓声はさらに大きくなる。
蒸気機関車公開の場に訪れていたレミールの周りには、それを祝う貴族や高官が集る。
そんな中、一般人がレミール達の居る場所に向かおうとして兵士に止められていた。
「一般人は近付けませんよ」
突如銃声が響き、小型のマスケット銃によって兵士は倒れ、一気にレミールまで近づき、もう一つの銃を向けトリガーを引いた。
翌日には軍の志願者が増えていた。
潜入していたルディアスに従う暗殺者がレミールを襲い、護衛にいた兵士が3名が犠牲となったのだ。
多くの人の目に留まってしまったことから、中立に近かったデュロの臣民もレミール派に完全に傾き、軍への志願や工場の稼働率向上など、パーパルディア皇国首都へ侵攻への気運が高まっていた。
グラ・バルカス帝国 レイフォル領
グラ・バルガス帝国の情報が集まる中、パーパルディア皇国とは異なり、汚職はあるものの組織は比較的しっかりしており、特定の人物を崩すのは難しいと判断、グラ・バルカス帝国幹部の事故死と物資の横流し、そして買収から少しずつ始めることとなった。
焦らず、一歩ずつ、確実に。