龍の国 日本   作:揚物

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32.パーパルディア皇国・グラメウス大陸・レイフォル

 パーパルディア皇国では現在多方面に軍を展開していた。

 ロウリア王国を占拠している集団の排除、リーム王国と国境線でのにらみ合い、トーパ王国への派遣など、パーパルディア皇国でも少々無理が出ていた。

 一方で文明は急速に発展している。

 簡易的ではあるが軍を動員し、属領を含めて国内に上水道や下水道を敷設、衛生という概念を国中に広めつつ、食料生産や蒸気鉄道による物資輸送に力を入れていた。

 食料を十分に生産し、衛生環境を整え死亡者を減らせば、技術を対価に食料や奴隷を求める必要もない、そう日本では分析された。

 つまり技術を対価に、文明発展に回せる資源を得られる商業国家となれるはずである。

 いまだ安定した国内とは言えないものの、パーパルディア皇国は変わりつつあった。

 

 

 

 グラメウス大陸

 侵攻している魔王軍残党討伐軍はとある地点で交戦状態に入っていた。

 前哨基地と思われる場所では、大規模とまでは行かないものの、1万近い魔獣の数に対して戦闘状態に入っており、少なからずけが人が出ていた。

 

「オークキングにはパーパルディアの銃士隊に対応願え! 到着するまでは防御に徹しろ!!」

 

 体長3mもある巨大な獣相手には弓や槍では対処できず、パーパルディア皇国の銃以外では対応が難しく、討伐はなかなか終わらなかった。

 

「オーク30体が現れたぞ! 魔法騎士団をこちらに回せ!!」

 

「ゴブリンが多過ぎる! 東側には増援を!」

 

 大規模な軍団になれば命令系統をはっきりし、編成を整えなければならないが、その力はまだなく逐次投入という悪手を取り、魔王残党軍討伐は非常に遅れていた。

 

 

 

  レイフォル領

 次の段階として銃器の入手を諮り、老朽化による廃棄予定であった歩兵装備の一式の横流しを受けた。

 やはり大日本帝国時代の銃器に非常に酷似しており、38式歩兵銃や鉄帽など基本的には同様であり脅威度は低い。

 問題は戦車や装甲車、戦闘機の情報なのだが、それも解決する案件が飛び込んできた。

 

「海軍からの情報です。 10日後、輸送船団が到着しますが、機関不調の問題で一隻が5日ほど遅れているそうです」

 

「すぐに上に連絡を。 我々も人員を交代する」

 

 大口の案件に手を出す以上、潜入工作員を入れ替えなければ、足がついてしまう。再潜入の手間はかかるが、安全に事を進めるのに妥協をしてはならない。

 レイフォル海域に潜んでいた一隻の海自艦が、慎重にグラ・バルカス帝国のレーダー及び哨戒網から逃れ、静かに罠を投下し再び哨戒網から離れる。

  待ちに待った拿捕することができる船舶、これを逃してしまうわけにはいかない。

 

 

 設定時間になり展開、スクリューに巻き付く鎖を下げた小型ブイが広がり、何も知らずに航行していたグラ・バルカス帝国の輸送船はスクリューを破壊された。

 通信は現在妨害中であるため、現状これ以上打つ手はないとしてグラ・バルカス帝国の海兵は脱出艇に乗り込み離れていく。

 

 

 暗闇に紛れ漂流する輸送船を、海自の船が曳航しレイフォル周辺海域から離れる。

 輸送船に積み込まれていたのは、数こそ少ない物の戦車や装甲車、銃器や軍服、一部の機密書類など、正確にグラ・バルカス帝国の軍事力を測る事ができる物資が満載されていた。

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