龍の国 日本   作:揚物

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36.神聖ミリシアル帝国・鉱山区画奪還

 ミリシアル帝国に対して、ムー国と同じように何か情報を出さなくて平等とは言えない。

 その為、レーダー技術の概念のみを公開することとした。魔法について理解が不可能なためではあるが、それでも過剰な情報提供ともいえる、

 概念が分かったことで、パルキマイラの一部の技術が判明し、量産までとはいかないものの、試製品が第零号魔導艦隊への配備が行われることとなった。

 一方で対価として、火と氷の魔石の高度な精錬方法の提供を受け、火力及び冷却に関して技術開発を行っている。

 実用化するには安全確認が必要なため、10年近くかかる事が予想されているものの、技術は一歩ずつ進めるもの、時間がかかって当然なこと。

 何も知らぬ魔法について、流用性が高い火と氷だけでもまずは十分。

 

 

 鉱山区奪還のため区画を分ける城門が開かれ、騎士や兵士が魔物達に向かっていく。

 その間を抜け、魔物の群れに向けパンジャンドラムが突進、魔物をなぎ倒すと同時に3方向に向けクレイモアが射出され、数十体のゴブリンが吹き飛ばされ数匹のオークも地面に転がった。

 ゴリアテもまた操縦され、適切な位置とタイミングでオークキングとオークの集団のみを標的とし、一気に半数を吹き飛ばした。

 実機運用上効果は見込めるも、使用上の注意が必要なため適切ではない。これがパンジャンドラムの最終結論となった。

 ゴリアテについては有効性は見られるも、対戦車火器としての特性が強く、対人や対魔には向かない。

 ゴリアテもまた、未来へと至る次の可能性の一つ、対魔帝に対して有用な可能性を考慮し、ドローンシステムの生産を行うとして、飛行型・戦車型の生産を開始する事とした。

 パンジャンドラム及びゴリアテは今後生産されることはないが、技術情報の一つとして記録に残される。

 

 

 操縦者が危険を冒す事なく、一定数の魔物の討伐に成功。ドローン兵器の運用は避けられていたが、やはり兵士が危険を避けられるのは利点であり、自衛隊としても配備が検討される事となる。

 

「漆黒の騎士が出たぞ!」

 

 先日捕えた漆黒の騎士は、身に着けていたもの全てがない状態では、極めて落ち着いており攻撃性もなかった。

 話も通じる事から対話を行ったところ、頭に妙な輪を付けられてからの記憶が曖昧らしい。これは操られていたことが明白であり、殺す事は適切ではない。

 多くの情報を得るためにも、多数の漆黒の騎士を捕える必要がある。

 

「重騎士隊前へ! 時間を稼げばあとは太陽神の使いがなんとかしてくれる!!」

 

「耐えろ! 騎士の意地を見せろ!!」

 

 漆黒の騎士が振り回す鉈のような大剣を、数人の重騎士が大盾で受け止める。

 

 

「居ました。 一名確認」

 

 高所から確認していたところ、スパイ活動を禁止されている状況で、戦闘の経過を見ていた者が一人、他にそれらしい動きをしている者はいない。

 

「射殺しろ。 頭を残すことを忘れるな」

 

 頭を消し飛ばしてしまうと、誰だったのかわからなくなる。

 スパイ行為をしていたのなら、調べるためにも人物特定ができる状態でなければならない。

 

「了解」

 

 TAC-50を構える隊員の照準が合わせられ、高い音を立てて胴体を貫通し対象の人物は地面に倒れた。

 

「よし、いいぞ。 漆黒の騎士の動きを止めろ」

 

 3人の槍兵が持つスタンランス、単純にスタンロッドの長さを延長したものだが、高電圧の電気が弾ける音が響き、漆黒の騎士はその場で地面に倒れ意識を失った。

 簡単に倒せたことで槍兵は驚くも、他の兵士たちは急いで漆黒の騎士の鎧と武具をはぎ取り、頭部の輪を取り除いて捕えた。

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