龍の国 日本 作:揚物
ムーから提供されたラ・カサミ級戦艦 ラ・カーニャ
まだ砲塔も搭載されておらず、航行が可能な状態であったがちょうどよかった。
前部18基 後部15基も搭載、ボフォース四連装対空機銃、艦上がヘッジホッグ化するほどの集中配置、人力で当たるかどうかは訓練に左右される。
その為連日厳しい訓練にあたり、さらに幹部クラスには戦術教育も行われていた。
現在位置を狙って当てるのではなく、銃撃を飛行予測先に置く戦術を取る。さらに四連装対空機銃3基を一群として運用し、面射撃に徹する。
次いで商用レーダーの搭載、航空機や船舶の位置を確認するため、利用方法から味方航空機との連携方法など座学享受。
次いでソナーの搭載、対潜迫撃砲ではあるが、艦中央付近両絃に設置されている。撃沈目的よりも、音響効果を強めに設計され、ロートルな調音装置では最悪監視員が鼓膜を失うほどの音を発生する。
至近であれば沈めることも可能であるが、距離があっても電子的に音響ガードがない限り、効果が見込める音響爆弾としての意図が強い。
一方で対艦攻撃方法が失われている為、長距離魚雷を艦首に搭載している。搭載数は12発で大抵の相手は沈められる。
X5FU、操作性の異なる航空機にパイロットたちは苦労しながらも、同型機相手に訓練を行っていた。ロケットを搭載不可能なため、一撃離脱戦法を重視しているようで、優秀な旋回性能を相まってドッグファイトも可能である。
現在ムー国が日本よりライセンスを買い取り、生産を開始している。
ティーガーⅠ戦車、ムー国では生産され始めたばかりであり、有効な戦術や運用方法、そして現場での簡易メンテナンスなど、基礎から叩き込まれている。
共通していることは、
【鬼の山城、地獄の金剛、音に聞こえた蛇の長門。日向行こうか、伊勢行こか、いっそ海兵団で首吊ろか。】
【地獄榛名に鬼金剛、羅刹霧島、夜叉比叡。乗るな山城鬼より恐い。】
その歌と同様に、ムー国無人島基地では地獄のような訓練が連日、ムー国兵に施されていた。
夜間になれば連日のように脱走を試みる者達が現れ
「ひぃぃぃぃ!」
「いやだぁぁぁぁ! 俺はかえるんだぁぁぁぁぁぁ!」
「くそ! 泳げる奴だけでも泳いで逃げろ!」
全員捕えられ営倉へと引きずられていく。どれだけ泣こうが喚こうが、訓練を完了するまで外部との連絡を許さない。
日本の自衛隊は陸海空を含めて第二次大戦中の厳しさを維持しており、この地獄の訓練が実戦において命を助けるのだが、戦時下になったことがないムー国から送られてきた兵達ではなかなか耐えられるものではなかった。
将兵は無論苦言を伝え、本国に連絡しようとするも握りつぶされ、完全に外部との連絡を絶たせていた。
人間は追いつめられると大体似通ってくるのか、彼らが配備されているX5FUや戦車には髑髏の部隊章が描かれ始め、気晴らしになればと特に咎める事もなかったので自然と広まっていった。
魔帝の戦艦については科学的にできる解析は終了し、残りは魔道についての分析が必要であり、神聖ミリシアル帝国の外交官を呼び出し、写真を渡し興味があるかどうか問い合わせを行ったところ、外務大臣が航空機に乗って飛んできた。
神聖ミリシアル帝国名称 パル・カオン、
神聖ミリシアル帝国にも一隻しか存在せず、非常に貴重なためほとんど解析が進んでいなかった。つまり壊れているとはいえ、もう一隻あると言うことは解析が進むと言うことになる。
パル・キマイラ
サルベージした2隻とも4割ほど破損している状態ではあるが、部品取りにするには問題がなく、非常に欲していた。
「では、受け渡しは海上で行うことで」
神聖ミリシアル帝国としても重要機密事項であり、他国に見られるわけにも行かないため、大型船舶を利用した海上受け渡しを希望。
むろん対価として
ミスリル級魔導戦艦 1隻
ゴールド級魔導戦艦 3隻
シルバー級魔導巡洋艦 3隻
ロデオス級航空魔導母艦 1隻
以上を派遣させた。彼らにとってはそれだけの価値があるという意味でもあるのだが、日本としても訓練と改造を施さなければ、直接手を下す可能性が高まり、グラ・バルカス帝国相手に抑止力にならない。
簡易的ながら商用の高出力レーダーを艦橋に増設し、艦橋要員には見方と利用法を伝え、幹部クラスには艦隊戦の戦術などを叩き込む。
海上受け渡しの成功と引き換えに、到着した一個艦隊はムー国に建設中の基地へと移動。
ムー国の兵士は新たな犠牲者の到着に歓迎の意を表し、全ての通信機器及び連絡方法を奪われ、ムー国の一団と同じように厳しい訓練を受ける事となる。
航空機の供出は断り、かわりにムー国と同じようにX5FUを使用し訓練している。