龍の国 日本 作:揚物
大き目のケースを取り出し、テーブルの上で開いた。
「これで技術差は理解できるでしょう」
H&K G11、グラ・バルカス帝国の兵も武器として認識できず、持ち込むことを止める事ができずにいた。
「銃器……ですか」
見た目が余りにもグラ・バルカス帝国の標準銃器と異なる為、シェリアもダラスも理解できず、ただ眺めている。
「射撃場で試験すればわかります。 もちろん返却していただきますよ」
グラ・バルカス帝国の外交官補佐が受けとり、わざわざグラ・バルカス語に翻訳されたマニュアルと共に下がった。
外交補佐官によって陸軍兵が射撃場で試験を行っていた。
しかしその性能に唖然とし、急ぎ軍務局でまだ業務を行っていたランボール大佐を呼びに行った。
焦る士官の説明をよく理解できず、ランボール大佐が直接赴き、試射をしたところで同じく驚き、銃をじっと見つめる。
「これをどこで手に入れた……」
唖然としながらも、銃をテーブルに置き軽く震える手を握り締めて隠す。
「いま、外交に来ている国家より、技術評価用に提供されています」
構造はさっぱり不明であり、装弾の方法もわからないのだが、グラ・バルカス帝国が配備している銃よりも、全ての面において勝っている。
生産開始されたばかりの連射銃は、機密であり少数しか配備されていなく、少なくとも技術評価などで出せるような代物ではない
日本としては構造を一切理解できないだろうという目論見もあるのだが、予想以上の衝撃を与えた。
これを分析するべきだという考えと、この技術を持つ国家相手はどれだけの脅威となるのか予測がつかない。
「急ぎ解析に回せ」
「銃器は明日返却いたしますので、分析や解析はまずいかと」
「そうか ならばそのまま返却せよ。 これを持ってきた者達は今まだレイフォルに居るのだな?」
ランボールは技術士官から情報を聞き出し、すでに夜ではあるが駐機場に急いで向かい、見たこともない巨大な戦車が止まっているのを見つけた。
外交相手であるため、許可を取らずに調べる事は出来ないが、グラ・バルカス帝国の中戦車ハウンドを遥かに超える存在が目の前にあった。
「これは……、まずい」
ランボールが急ぎ外務省に赴くと、いまだ作業を行っているのか光がともっている窓がある。
恐らく対象とする国家の情報を集め、精査している事だろう。その場にランボールも加わるべく、外務省に入っていった。
翌早朝、今日の会議の準備をしている外務局にランボール大佐は訪れ、どのような相手が外交に来ているか、見極めるために参加を申し出ていた。
シエリアもまた、渡されたタブレット端末や写真から危険な相手と理解し、平の外交官達は徹夜で作業に当たっていた。
シエリアはケイン神王国以上の国家と想定し、上司である部長ゲスタに問い合わせるも、怪しいものだと信じる事はなかった。
そのため現場の軍務局士官であるランボール大佐と話し合い、最低でも情報をまとめたうえで本国の指示を再度乞うことにした。